『日本語は優れた言語‼』
『「変な英語 世にはばかる」多言語対応は自治体にとって急務』
昔、お世話になった会社の事務所に外国人(チェッカー)が常駐しており、「商業英文や英文マニュアル」の原稿内容のチェック・相談ができました。
日本語は世界にも稀な言語で、表意文字(漢字)と表音文字(ひらがな・カタカナ・ローマ字と三種類!)の混合で豊かな表現ができます。 昔、漢字文化圏であった東アジアの国々、韓国・マレーシア・タイ・インドネシア等は、漢字を一部残しているところもありますが、漢字は、ほとんど廃止され、表音文字に戻っています。
ある中国のメディアが、漢字文化圏の縁にいた日本は、なぜ漢字を捨てなかったのかなんて言っていたような記憶があります。 表題のことについては、『頑張れ! 関係者の皆様』とエールを送りたいです。
この『頑張れ』ですが、漢字元祖の中国では一つ『加油(たまたま繁体語も簡体語も同じで、初めてこの言葉に接したとき、なるほど「アクセレーション」か、と思いましたが、当時エンジンはありませんので、これ単純に「火に油を…」のようです。 日本語では、頑張れ・がんばれ、・ガンバレ、GANBAREと、四つもあり、類語を数えたら何個に増えるやら。 IT後進国では、この複雑な言語の専用字引自体の作成も、ソフトへの組み込みも結構な力仕事になりそうです。
ひらがな英語が急増する中で『言語は進化する』とは言われますが、今回の『変な英語 世にはばかる』の切り抜き記事の内容は、英語に弱い傘寿爺の身には、ずんと重い課題です。
過日(2021/04/22)、新聞の神奈川・首都圏経済欄の『点描』の切り抜き記事『変な英語 世にはばかる』の抜粋・引用です。
『日本に住む外国人が増え、多言語対応は自治体にとっては急務だ。 しかし、行政のウェブサイトや街角の案内・看板などでは実にお粗末な英語が野放しになっている。 国際化を掲げながら、翻訳を軽視している実情がある。 改善の動きも出てきた。
千葉県浦安市のJR浦安駅前。 市営の駐車場近くの看板。
市営の駐輪場近くの看板に「自転車進入禁止」という漢字のほか、「No Entrance Bicycles」英語が併記されている。 直訳すると「入口自転車なし」、「No Bicycles Allowed」などが自然だ。
これも市の公園の授乳室。 英語で「Suckle Room」とあるが誤解されかねず「Nursing Mothers Room」がふさわしい。 市のホームページで採用する機械翻訳では「医療機関」の機関はengineとなる例など不具合が見つかった。 同市に住み、市国際交流協会の前会長を務めた白木聖代さんの指導を受け、市は2020年11月、有識者や市職員をメンバーに「浦安市多言語表記委員会」を発足。 2021年に報告書をまとめた。
それによると、市のホームページで救急医療や新型コロナウイルス対策といった重要部分の英語の訳文53件のうち修正不要は2件、 21件が文章として成り立たず、17件で日本語と意味が変わり、13件がより正しい表記が必要、と散々だった。 機械翻訳頼みが元凶だ。 奇妙な訳語ミス、主語を無理に補って変な意味の文章もあった(*)。
公共サインを中心に看板や刊行物、ホームページ、アプリの計382件で、同市は多言語に対応する。 しかし多文化共生を担当する地域振興課を通じて翻訳を確認するのはその半数。 部署によっては担当職員が独自に託したものがまかり通っているという(**)。
委員会は機械翻訳について正しく外国語に置き換えられるような名刺登録機能を活用するほか、翻訳全般のチェック体制整備が望ましいと提言。 更に日本語自体の誤訳を招かぬよう、誰にでもわかる表現にすべきと訴える。 市は順次表記を改めていく(***)。
「不正確な翻訳は恥ずかしい」と語る白木さんは正しい英語の普及を目指す研究者らでつくる「日本の英語を考える会」の理事でもある。 同会は他の自治体でも誤訳を指摘し、浦安市をモデルに促したい考えだ。
(*)日本語の複雑さは表意文字(漢字)と表音文字(ひらがな・カタカナ・ローマ字と三種類!)の混合と文法が原因ではないでしょうか。
(**)日本語は優れた言語ですが、多言語対応が難しいそうですので、まずは英語に、英語(表音文字)からその他の外国語(表音文字)に訳すのも一手かと思います。
(***)昔、お世話になった会社の海外事業部門には「チェッカー」が、居りました。
言語は進化するとはいえ、優れた言語ですが、複雑な日本語は、とにかく表現や、ニュアンスが豊かですので、微妙な言葉・用語は、『カタカナ英語』や和製英語にしてしまう傾向がります。
『カタカナ英語 (カタカナえいご)は、日本人の話す「日本語訛りの英語の発音」のことである 。 英語の発音をカタカナで書かれた表記をそのまま読んでいるため、カタカナ英語の発音になってしまう 。 カタカナ表記に併せることによる発音の束縛が、 母語 のそれとかけ離れていることを懸念する声もある。』
進化・複雑化する日本語は、AIの発達する中で、ウエラブル通訳機・翻訳機で、対応ができるだろうと期待する反面、これらの機器のデータ「多言語辞書」の作成・力仕事が大きな課題になりそうです。 デジタル化の遅れも、IT後進国の背景には、世界でもまれな表現豊かな、日本語ですが、その複雑さと難しさを考えてしまいます。 (記事投稿日:2021/04/24、最終更新日:2023/01/16、#320)
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