原左都子エッセイ集

時事等の社会問題から何気ない日常の出来事まで幅広くテーマを取り上げ、自己のオピニオンを綴り公開します。

吉井溥先生、「秋の叙勲」ご受章おめでとうございます!

2012年03月18日 | 教育・学校
 (写真は、昨日3月17日、横浜グランドインターコンチネンタルホテル「エーゲの間」に於いて開催された我が恩師 吉井溥先生 の「秋の受勲」ご受章お祝い会にて撮影したもの。 プライバシー保護の観点よりあえて写真の不鮮明処理を施しています。)

 
 我が恩師であられる吉井溥先生が、昨年秋の文化勲章「瑞宝中綬章叙勲」を受章されたとの連絡をゼミ生の先輩より頂いたのは、今年に入ってからのことである。

 原左都子が吉井溥先生にご指導いただいたのは、私が30代にして再び入学した公立大学及び大学院に於いてであった。
 そもそも入学当時の私の志望学問分野は「経営学」だった。
 ところが30代にして再び門をくぐった大学が受講必修選択科目としている一般教養科目として受講した「哲学」関連及び「法学」関連科目が、実に面白いではないか!
 これらに大いに学問意欲を高揚させられた私は、とにもかくにも受講可能科目は他学科の選択科目であろうがむさぼるように受講した。

 2年時の後期が始まる前に、所属ゼミを決定することを全学生が余儀なくされる。
 私の場合はあくまでも「経営学科」の学生として入学しているため、まさか当時一番はまっていた「哲学」関連ゼミを志願できるすべもない……
 
 そんな中、我が出身大学には「経営法学コース」との進路がある事に実に助けられた思いだったものだ。
 そのコースの担当教官の中で、勤労学生でもあった私が自分のスケジュールも視野に入れつつ、大学の時間割の可能な範囲で選択させていただいたのか「吉井ゼミ」だったというのが実は正直なところである。
 ゼミ受講申し込み締め切り期限が差し迫っていた中、大教室で吉井先生による「商法Ⅱ」の授業を受講後、まだ教壇に立っていらっしゃった先生に恐る恐るゼミ受講申請票を提出させていただいた私だ。
 (今頃になって受講申請しに来る“出遅れ学生”はどうせやる気がないぞ、と思われるのがおちと想像しつつ)、「受講申請が遅くなりまして申し訳ありませんが、よろしくお願い致します」等々、しどろもどろにゼミ申請書を提出する私に対して、吉井先生が実にお優しかったのが印象的である。 ニコニコとした笑顔で「こちらこそよろしくお願いします」と丁寧にご返答下さったことを今尚私は忘れていない。

 学生当時の私の目線からも、吉井先生とは18,9のキャピキャピ学生にも講義に飽きさせない授業展開が徹底している素晴らしい教授であられた。 
 そんな吉井先生の類稀なお力に依存させていただきつつ、私は大学院へも進学し引き続き吉井先生のご指導をいただいた。
 大学院ゼミは学生数が少ないため、私も先生に対して直接お話させていただける機会があった。 ある時ゼミの場で「先生は“話芸”が素晴らしいですね!」などと口が滑ってしまった私に対し「“話道”と言って欲しいです」と冗談交じりに返された吉井先生に自分の未熟さを思い知らされ、「申し訳ございません!」と平謝りしたことが実に懐かしい思い出である。 

 原左都子が吉井溥先生の想い出を語るときりがない。
 昨日の受章のお祝いにおいても、司会を担当されていたゼミ生の大先輩や元教官の方々が吉井先生の“話道”の素晴らしさに関して語っておられた言葉が印象深い。


 吉井先生とは、我が母校である大学及び大学院において「経営法学コース」を立ち上げられた張本人であるとのお話に思い入った私である。
 商学部経営学科においてこれ程「法学」の講義が充実していたのは、もしかしたら我が出身大学のみではなかったのだろうか?  それがもしももっと後や先の時代であったならば、私は吉井先生と出会わさせていただく事すらなかったのかもしれない。

 どうしても大学院「法学研究科」へ進学したく、私は東大を始めとする名立たる国立大学大学院受験を試みうとした事に関しては本エッセイ集バックナンバーでも既述している。(ところが結果としては、東大は受験を断念等、全て実り無く終わったのが悲しいかな現実だったものだ…)
 それでも当時法学に感化され吉井先生と奇跡的に巡り合わせていただけたからこそ、私はあの大学に於いて大学院への進級が叶い「経営法学修士」の学位を取得させて頂いたことには間違いないのだ。 

 
 この度、吉井溥先生が受章された「秋の叙勲」とは“教育研究功労”の分野により表彰を受けられたものであるとのことだ。
 吉井先生が大学教授(及び学部長、さらには名誉教授)としてご活躍された経過のみではなく、79歳になられている今現在尚、学問を始めとする社会全般に多大なるご貢献を続けていらっしゃるご実績が総合的に評価を受けられた結果として、今回の「秋の叙勲」ご受章に直結したものと私は拝察申し上げる。

 吉井溥先生、今回のご受章誠におめでとうございます!