原左都子エッセイ集

時事等の社会問題から何気ない日常の出来事まで幅広くテーマを取り上げ、自己のオピニオンを綴り公開します。

「あなた、電話で見知らぬ私に喧嘩を売りたいの!?!」

2014年05月05日 | 時事論評
 私の場合、息子がいないせいか「オレオレ詐欺」らしき電話というのを受けた経験がない。

 一方、あわや「振り込め詐欺」か?!? と一瞬恐怖心を抱かされた電話には一度出たことがある。
 「原左都子エッセイ集」2012.2.11公開の「年配者の心の隙間に忍び込む“電話詐欺”」と題するバックナンバーにその詳細を紹介しているため、以下にその一部を紹介しよう。

 つい先だってこの原左都子が、「振り込め詐欺」か? と勘ぐる電話を自宅で受けた。
 電話の受話器を取る前に“ナンバーディスプレイ”画面に表示された電話番号を確認すると、土地勘がまったくない地方の市外局番が表示されていた。 若干の不信感を抱きつつも電話に出ると、「○○さんのお宅ですか?」との第一声だ。 その名は我が家の苗字と似ているのだが少し異なるため「違います」と返答すると、「すみません」との事で一旦電話が切れた。 この段階で私は、間違い電話とは言えども相手が呈示した名前が“我が家の苗字と似ている”点が大いに気になっていた。
 電話の相手の声が若い世代の男性かと想像できた事も気に掛かる。 想像力豊かな私の脳内には様々な思惑が巡る。 もしも今回の電話が娘のストーカー相手だったとして、電話に出た相手は“おばさん声”だ、これは母親に間違いない、ここはテキトーな名前を言って切った方が無難だと考えたやもしれない。
 などと原左都子が持ち前の想像力を働かせていた時、また電話が鳴るではないか! そして受信音が一回鳴った後、電話の画面まで行く前に直ぐに電話は切れてしまった。  これは更に怪しいと私が恐怖感すら抱き初めたところ、執拗に三度目の電話が鳴るではないか!
 こうなれば、娘を持つ母としては覚悟を決めるしかない。 相手が如何なる悪党であれ精神異常者であれこの原左都子こそが対峙しよう!との強い覚悟で電話に向かうと、やはり上記の未知の地からの電話番号が表記されている。  受話器を上げると、今度は「○○さんですね」と我が家の苗字を尋ねる。  「そうですが、先程から幾度となく我が家にお電話を下さっていますね?!」と半ば喧嘩腰に電話の返答を切り出す私だ!
 話を中略してこの電話の真相結果を語ると、実は、原左都子本人への大学(大学院)の同窓ゼミ会への誘いの電話だったのだ。  その元教授である恩師の文化勲章受章祝賀会も兼ねて、今回名立たるホテルの名立たる宴会場でゼミ総会を開催するのだと電話の主は言う。
 このような電話に於いても、庶民の立場としてはまず “振り込め詐欺” を疑うべきと原左都子は心得るのだ!   そんな私は、電話相手の話を聞く振りをしつつも「振込み先」を唱え始めたなら即座に電話を切ろうと考えていた。   幸い電話の相手はゼミ会総会に出席するに当たっての「振込み先」は伝えなかった。 ただ、それでも私の方は念を押した。 「今時、間違い電話や迷惑電話が数多い日常に於いて、このような連絡をいきなり電話で頂く事が如何なものか?」
 これに対しては電話の相手から一応の謝罪があった。  その後正式な「ゼミ総会」の案内書も到着して一件落着ではある。 
 それにしても、一般に流通している個人情報満載の「同窓会名簿」を濫用・悪用した“振り込め詐欺”がこの世に横行している現状下に於いて、安易に同窓会の連絡を電話に依存する事は避けるべきであろう。
 (以上、「原左都子エッセイ集」迷惑電話に関するバックナンバーの一部を引用したもの。)


 さて、話題を表題のテーマに戻そう。

 何処の家庭に於いても「セールス電話」が後を絶たない現実であろう。
 これ程迷惑なものはないのが実情の中、現在ではセールス電話を“0120フリーダイヤル”にて掛けてくる相手企業が数多い。 これぞ救いであり、我が家など私の判断で“0120”着信には一切出ない事に決めている。 それでも執拗に同じ0120番号で発信してくる企業に関しては、「着信拒否」対応でシャットアウトしている。
 
 ところが一番困惑するのは、「取引企業」からのセールス電話である。
 つい最近もこれを経験した。 我が家は一家で癌保険に加入しているのだが、その保険会社から電話が再三入る。 ただこれに関しても、ほとんどが追加サービスのセールスであることを承知の上で電話口に出ると、いつも私の思惑通りの内容だ。 
 恐らく派遣社員と思しき電話担当女性より、主たる保険契約者である亭主に電話を代わって欲しいとの一声である。 すぐさま、「その必要はありません。どうせセールスでしょうから私がそれにお答えします。」と返すなり、電話対応女性から返された反応とは!
 「ハックショ~~~~~~~ン!!!!」 との大音量だ。
 唖然としつつも、ひるまず私は更に「セールスであることは承知していますので、早く要件をお伝え下さい!」
 そうしたところ、今一度 「ハックショ~~~~~~~ン!!!!」 との大音量が電話担当女性より返されてきた。
 よほど私の対応が癪に障ったのであろう。 鼓膜が破れそうになりつつ、(この勝負、私の勝ちだな)と内心うっすら勝利感に満たされつつ、最後に電話担当女性にご意見したのが表題の文面である。
 
 「あなた、見知らぬ相手である私に喧嘩を売りたいがために電話を掛けてきたのですか!?」 
 さすがに契約相手である顧客側から保険契約全面破棄を申し出られたものなら、自分の首が切られると判断したのだろうか??  最後は「申し訳ございませんでした。花粉症ですので…。」との弱気の回答だ。
 すかさず私も、「その場合は、受話器を遠ざけてくしゃみをした方が無難ですよ。」


 今現在、大企業のセールス電話対応を任されているのは、“経済界弱者立場”の末端「派遣社員」である事など百も承知の上だ。

 顧客側である庶民の立場でそれを実感させられたとて、大企業側こそが“上下世界の実態の程”を再認識しない事には事が始まらない。 大企業とは、派遣社員のレベルの程を自ら常にチェックする体制を整えるべきだ。
 もしかしたら安易に安給料で雇い日々の電話対応を任せてある派遣社員に、顧客との取引を“潰される”事態に発展し兼ねない事実を、大企業側は今一度把握する必要があろう。

 実際問題、今時保険会社も保険商品もより取り見取りの時代だ。 
 たとえ派遣社員とはいえ、電話口で「ハックショ~~~~~~~ン!」なる大声を何度も私に浴びせ果敢にも喧嘩を売りつける企業との契約など、原左都子が庶民のレベルでとっとと切り捨てますけど、大企業さん、それでいいですか!?