原左都子エッセイ集

時事等の社会問題から何気ない日常の出来事まで幅広くテーマを取り上げ、自己のオピニオンを綴り公開します。

子にカネせびる“ダメ親”との決別の仕方

2014年05月14日 | 人間関係
 「原左都子エッセイ集」長きに渡る読者の皆様は既にご存知と心得るが、私は世の「ダメ親」や「アホ親」を見かけると、強烈にバッシングしたい心境に陥る人種である。

 それ故に、これら「失格親」に関連するエッセイを現在までに数多く綴り公開してきている。
 例えば、「家を出て、親を捨てよう」 「子が親を捨てる決断をする時」 「子供の学費は親が負担するべき」等々、今思い出せるだけでも「失格親」どもをバッシングしたバックナンバーは少なくない。

 そんな私は、「ダメ親」「アホ親」の犠牲下にある子供の苦悩に直面すると、すぐにでもその現場から子供達を救い出したい思いに駆られるのだ。


 今朝も、ネット上でその現状に直面した。

 それは我がエッセイ集の編集画面上“共通検索ワード”を通してなのだが、早速以下にその一部を紹介しよう。
 嫁と我が子を事故で亡くして呆然としてる俺に、義母から「これから”私の”生活どうすればいいの!?」と叫ばれたのが修羅場
  後から義妹に聞いたら、平日昼間にしょっちゅう(ご本人の亡くなった妻を)呼び出して家事代行させたり食費とかたかってたらしい  嫁のパートの給料を全額嫁の経費(小遣い)にさせてたんだが、それを片っ端から(義母が)使い込んでた模様
 (投書者ご本人は)いい年したオッサンだがマジ泣きしながら義母を罵倒した
 この件で「娘と孫を亡くした母親を罵倒するクズ」と嫁親戚数人から言われたので(義母の根回し)、そいつらとも縁切り、結婚前の身寄りのない天涯孤独に逆戻りした
 (以上、一男性が書き込んだネット情報より一部を引用したもの。)

 ネット情報によれば、妻子を亡くしたこの男性は未だ独身を貫き、毎年亡くなった我が子を偲んでクリスマス等には現在生きている年齢に相応しい贈り物を捧げているとの後書きもある。

 この男性のネット上書き込みには、数多くの反応コメントが届いているようだ。
 そのすべてが妻子を亡くした男性の判断に同意し、激励する内容と私は解釈した。

 ここで私論に入ろう。

 何ともやるせない話である。
 それでも、よくぞこの男性は早期に義母を筆頭とする嫁親族すべてを切り捨てる決断を下せたものだ! と、私も多くの反応コメント同様の結論を導きたい。
 おそらく私が同じ境遇に対面した場合も、必ずや同様の決定を下すであろう。

 一部不可解な点は、生前の妻のパート収入の使い道や行動を男性が周知していなかったらしき点である。
 文面によると、生前の妻のパート収入使途(義母にたかられていた事実)を男性としては妻亡き後に初めて知ったと解釈可能だ。 もしもそれで事が済んでいたならば、実は妻と義母の間で家事代行や食費負担を“妻の好意”とする合意が成り立っていたのかもしれない。
 そうだとすれば、事はやや複雑であろう。 自分の娘からの心よりの「好意」に日々甘えていた義母が、親族も交えて娘の夫である男性に反旗を翻す事態も想像可能な気もする。


 ただ原左都子の私論としては、そもそも可愛いはずの我が子に自分の生活費を頼ろうとする親など、この世に存在して許されないと結論付けたいのだ。

 幸いな事に私の場合、実親も義理親もこと「お金」に関しては、子供達に生活費を依存せねばならない状況とはかけ離れた生活を全うしている。 今時十分な年金や自己資産の下、実母・義母共に老後の身を営んでくれている。 そのため、私はおそらく今後共に「金」を巡るこの種の親族トラブルには巻き込まれない人生を送れるであろう事に安堵している現在だ。


 ところが今時は、可愛いはずの我が子に自分の生活費を依存せんとする年老いた親が多い事実に驚かされる。

 5月10日朝日新聞“悩みのるつぼ”相談内容も、同様の話題だったのだ。
 何でも相談者である40代女性は、自営業を営んでいる実家から「お金を貸してくれ」と言われ、250万円も貸した時期があったそうだ。 その後も実家から、孫の金にまで目を付けて「貸せ!」と迫って来る。 18歳になった長男が「返してくれるんだね?」と実家に言っても、「返せる訳ない!」と孫にまで言う始末らしい。 直ぐ目と鼻の先にある実家にどうしても足が向かないが、この先どうすればよいのだろうか?? との相談内容だった。

 ここで再び原左都子の私論に入るが、親が我が子はおろか孫の金にまで手出しするとは「世も末」感を抱かされるというものだ…。
 相談者女性も、「この先どうすればよいのか」なる軟弱な態度をいつまでも貫いていては、子を持つ親として済まされる訳がないでろう。
 相談文面によると、相談者自身は幼少の頃に親に可愛がられた時期があるとの事だが、その親が「金欠」に至った時点で「孫」用に貯めた金にまで手出ししてきた暁には、我が子のために自分の命をかけてでも「ダメ親」と闘うべきだった。

 今後の対処方法に関して、今回の朝日新聞“悩みのるつぼ”回答者であられる経済学者 金子勝氏は以下のように回答している。 
 相談者が両親の自営業を引き継ぐつもりなら、あなたが経営者になって代わりに「親」の役割を果たすのも一つの方法。 そのつもりがないなら、思い切って親とは離れた場所へ引っ越すのも一つの方法です。

 私論に入ろう。

 上記“悩みのるつぼ”の場合、悲しいかな金子氏回答内容の手段を相談者女性は既に失っていると私は結論付ける。
 相談者である娘さんは、自分の親の「ダメ」「アホ」レベルにもっと早期から気付くべきだった。
 少なくとも、(上に記した通り、原左都子の場合は決して親に“カネ”に関して迷惑をかけられた訳ではないが)、私の場合は20代初頭の就職時点で我が親が持つその他の瑕疵に気付き、単身上京を決行する事により「親を捨て去る」事を実行した。
 ところがこの相談者の場合、親にとって孫が成長する現在まで親の近くで暮らしているとのことだ。 残念ながら今更引っ越しは無理であろう。  しかも親に言われるままに自分の息子である孫の金まで提供する軟弱ぶりで、この厳しい時代に自営業経営など成り立つ訳がないだろうが!
 可愛そうではあるが、この娘さんは今後も親にカネをせびられつつ我が子までをも犠牲にして、泣いて生きるしか方策が見い出せないのではなかろうか?

 
 それに引き換え、上記の妻子を事故で突然亡くした男性の「義理親族」切り捨て決断は早かったと、私は評価申し上げたい。
 
 この世に於ける人間関係において、“血縁”も含め「親族」関係程鬱陶しいものはない。
 捨て去るならば早い決断がものを言う、というのが私の持論である。

 「捨て去って」以降、お互いに“依存関係なき状態で”距離を置き長い年月が経過すれば、意外と良き関係が取り戻せるものとも、私自身の経験からアドバイスしておきたい。