昨日午後の時間帯に民放テレビ番組を見ていて、偶然面白い場面に出くわした。
それは、フジテレビ 「ライオンのごきげんよう」 ゲストの一人 お笑いタレント中川ナンタラ氏が、即興で「20秒ギャク」を披露するとのテーマに挑んだ場面だ。
これ、お笑いタレントにして結構高度かつ難儀なテーマと私も解釈したのだが、さすがプロ、中川氏は絶妙かつ完璧なギャクを披露したのである。
私の記憶に頼って、その20秒ギャクを紹介しよう。
「うちの4歳の娘にジュースにストローを付けて出した。 普通ならそれを口に加えてチューーと吸うであろうに、何故か娘はストローの先を目にくっつけて中を覗いている。 何やってるのかな~??と不思議に思いながら見ていたところ、娘曰く “STAP細胞み~つけた!!”」
司会の小堺一機氏がそのギャグを受けて曰く、「中川氏もお笑いタレントとして天才ならば、娘さんも天才だね~!」 いやホント、原左都子もそう思ったよ。

話題を大きく変えて、10月中旬頃にネット上で見た“STAP細胞み~つけた!!”発言の元祖である小保方晴子氏の近況に関して以下に紹介しよう。
何でも、小保方氏は早大大学院博士課程にて過去に学位を受けた論文が取り消されたとの事だ。
それは当然としても、論文取消しに対する早大側の対応の程が生ぬるく、何を意図としたいのかが分かりにくいのだ。
早速、以下にその話題に関するネット情報を紹介しよう。
名門・早稲田の権威は地に堕ちた。 早大は10月7日、小保方晴子氏の学位を取り消すと発表。 しかしこの決定に批判が相次いでいる。 「おおむね1年間の猶予期間を設ける」条件を付けたからだ。 猶予期間中に論文内容を訂正し、再度の指導や研究倫理教育を受けるなどの条件を満たした場合、博士号は維持されることになる。 早大大学院で小保方氏とともに博士号をとった研究者はこの決定を重くみる。「断固たる措置なら即取り消しのはず。これを機に安易に授与する博士論文を抜本的に見直すべきだった」
前回7月の会見では、「不正はあったが故意ではない」として「学位は取り消さない」と発表した早大だったが、内部の反発を受けて再調査を決定し、大学を挙げて3か月かけて「慎重に協議を重ね」(早大の会見配布資料)出した結果が「小保方氏次第」という責任丸投げだった。
(ネット情報 週刊ポスト2014年10月24日号 より引用。)
私は早大出身ではないが、まさに早大にて博士号を取得した卒業生達の遺憾の思いは十分に伝わる。
何故に博士論文取消しに“執行猶予”期間を設ける必要があるのか? その間、早大は小保方氏に対して如何なる対応を採りたいのか? これがもしも、世間を騒がせたが故に知名度をゲットした小保方氏だからこそ特別扱いして早大こそが“漁夫の利”を得ようとしていると解釈されても致し方ないであろうが、そんな低俗レベルであろうと早大は小保方氏の弁護に回りたいのか??
ところが残念ながら原左都子の私論によれば、小保方氏とは既に「科学研究者」としての地位を“根こそぎ”失っている人物としか評価出来ないのだ。 (ここ半年ほど「原左都子エッセイ集」バックナンバーに於いて幾度となく記載した、STAP細胞及び小保方氏に関するエッセイを是非共ご参照下さい。)
確かに冒頭で紹介したように、4歳児とて小保方氏及びSTAP細胞の存在は知っているであろう。 それ程迄に小保方氏とは“マイナス面で”日本社会を騒がせた人物ではある。
そんな知名度のみを利用しようと早大側が目論んだとて、“執行猶予”期間に如何なる博士論文を再提出させる自信及び実績が早大にあるのだろうか??
少し古くなるが、朝日新聞9月9日付「文芸・批評」コラム 歴史社会学者 小熊英二氏による「科学と社会 STAP事件の必然」を以下に紹介しよう。
小保方氏の性格や人間関係ばかりが注目されがちなSTAP細胞事件だが、この事件からは現代日本と科学界の問題が集約的に見えて来る。 19世紀後半から科学の応用が進み、2度の世界大戦を経て巨大サイエンスが発達した。 これにより、科学とは「儲かる職業」「巨大投資の対象」になった。 研究はプロジェクトチームの共同作業になり、論文も数人が担当、代表の教授は資金調達に忙しく論文には筆頭著者としてのみ署名するとの例も出て来る。 この状況から、若手研究者達の「使い捨て」と研究機関の「ブラック企業化」が発生し、底辺ではおざなりの指導しか受けられず、将来が不安定な若手研究者達が、焦って業績を上げようとする傾向が強まる。 それでも、「かわいい女性」は職場内でアピールされがちとなる。 それこそが今回小保方氏が再提示されたとの事だろうか。
STAP細胞事件とは、日本社会のどこにでもある状況が集約的に顕在化したものだ。 その事への理解と適切な対応無くして問題の再発は防げまい。
(以上、朝日新聞より小熊英二氏の論評の一部を引用・紹介したもの。)
最後に、原左都子の私論でまとめよう。
とりあえず、小保方氏が「かわいい(職場内でアピールされる)女性」であるのか否かに関しては論評を避けよう。 (と言うのも、一例として小保方氏が今は自殺して亡き理研の上司だった笹井氏に“溺愛”されていたとの巷の報道が存在するものの、私自身はそれに関する情報をまったく得ていないためである。)
上記小熊英二氏の論評が、「民間企業」に於ける科学研究を焦点として書かれている事が多少気にかかる。
小保方氏の場合民間への就業経験は皆無であり、早大にて博士課程修了後は独立行政法人理化学研究所等の国家関連組織を自己の研究土台としていると私は認識している。
そうした場合こと小保方氏に関しては、民間にての“プロジェクトチーム”だの、“若手研究者の使い捨て”等々の試練とは無縁の人生を歩んでいるのではあるまいか??
これこそが、小保方氏にとって一番のネックだったとも言えよう。
そんな厳しい科学研究の世界を小保方氏が一度でも経験できたならば、もう少しマシな「実験ノート」を作成する能力を修得出来たはずである。 加えてもしも小保方氏が民間で鍛えられていたならば、自費で開催した4月の「記者会見」に於いて、記者団よりあれだけの“こっ酷いバッシング”を受け人生初めて決定的打撃を直に経験し、墓穴を掘らずに済んだはずだ。
早大が小保方氏の博士論文取消し判断に於いて“猶予期間”を設けた事態に関しては、早大こそがその責任を取るべきだ。
ところが小保方氏が一時所属したハーバード大学とて科学誌「ネイチャー」とて、既に小保方氏を見放している。 そんな厳しい状況下で、専門力の程が計り知れない早大が一体如何なる責任を取れると言うのか?!
最後に表題に関する私論を記そう。
朝日新聞小熊氏の論評とは趣旨を異にする原左都子の結論を、以下に提示しよう。
小保方氏のとんでもなく低きレベルの科学者としての資質の欠け具合、及び理研を筆頭とする周囲研究者達の決定的落ち度を考慮した場合、やはりSTAP事件は“必然的に”発生した、我が国科学史に於いて稀に見る「汚点」と評価せざるを得ないであろう。
それは、フジテレビ 「ライオンのごきげんよう」 ゲストの一人 お笑いタレント中川ナンタラ氏が、即興で「20秒ギャク」を披露するとのテーマに挑んだ場面だ。
これ、お笑いタレントにして結構高度かつ難儀なテーマと私も解釈したのだが、さすがプロ、中川氏は絶妙かつ完璧なギャクを披露したのである。

私の記憶に頼って、その20秒ギャクを紹介しよう。
「うちの4歳の娘にジュースにストローを付けて出した。 普通ならそれを口に加えてチューーと吸うであろうに、何故か娘はストローの先を目にくっつけて中を覗いている。 何やってるのかな~??と不思議に思いながら見ていたところ、娘曰く “STAP細胞み~つけた!!”」
司会の小堺一機氏がそのギャグを受けて曰く、「中川氏もお笑いタレントとして天才ならば、娘さんも天才だね~!」 いやホント、原左都子もそう思ったよ。


話題を大きく変えて、10月中旬頃にネット上で見た“STAP細胞み~つけた!!”発言の元祖である小保方晴子氏の近況に関して以下に紹介しよう。
何でも、小保方氏は早大大学院博士課程にて過去に学位を受けた論文が取り消されたとの事だ。
それは当然としても、論文取消しに対する早大側の対応の程が生ぬるく、何を意図としたいのかが分かりにくいのだ。
早速、以下にその話題に関するネット情報を紹介しよう。
名門・早稲田の権威は地に堕ちた。 早大は10月7日、小保方晴子氏の学位を取り消すと発表。 しかしこの決定に批判が相次いでいる。 「おおむね1年間の猶予期間を設ける」条件を付けたからだ。 猶予期間中に論文内容を訂正し、再度の指導や研究倫理教育を受けるなどの条件を満たした場合、博士号は維持されることになる。 早大大学院で小保方氏とともに博士号をとった研究者はこの決定を重くみる。「断固たる措置なら即取り消しのはず。これを機に安易に授与する博士論文を抜本的に見直すべきだった」
前回7月の会見では、「不正はあったが故意ではない」として「学位は取り消さない」と発表した早大だったが、内部の反発を受けて再調査を決定し、大学を挙げて3か月かけて「慎重に協議を重ね」(早大の会見配布資料)出した結果が「小保方氏次第」という責任丸投げだった。
(ネット情報 週刊ポスト2014年10月24日号 より引用。)
私は早大出身ではないが、まさに早大にて博士号を取得した卒業生達の遺憾の思いは十分に伝わる。
何故に博士論文取消しに“執行猶予”期間を設ける必要があるのか? その間、早大は小保方氏に対して如何なる対応を採りたいのか? これがもしも、世間を騒がせたが故に知名度をゲットした小保方氏だからこそ特別扱いして早大こそが“漁夫の利”を得ようとしていると解釈されても致し方ないであろうが、そんな低俗レベルであろうと早大は小保方氏の弁護に回りたいのか??
ところが残念ながら原左都子の私論によれば、小保方氏とは既に「科学研究者」としての地位を“根こそぎ”失っている人物としか評価出来ないのだ。 (ここ半年ほど「原左都子エッセイ集」バックナンバーに於いて幾度となく記載した、STAP細胞及び小保方氏に関するエッセイを是非共ご参照下さい。)
確かに冒頭で紹介したように、4歳児とて小保方氏及びSTAP細胞の存在は知っているであろう。 それ程迄に小保方氏とは“マイナス面で”日本社会を騒がせた人物ではある。
そんな知名度のみを利用しようと早大側が目論んだとて、“執行猶予”期間に如何なる博士論文を再提出させる自信及び実績が早大にあるのだろうか??
少し古くなるが、朝日新聞9月9日付「文芸・批評」コラム 歴史社会学者 小熊英二氏による「科学と社会 STAP事件の必然」を以下に紹介しよう。
小保方氏の性格や人間関係ばかりが注目されがちなSTAP細胞事件だが、この事件からは現代日本と科学界の問題が集約的に見えて来る。 19世紀後半から科学の応用が進み、2度の世界大戦を経て巨大サイエンスが発達した。 これにより、科学とは「儲かる職業」「巨大投資の対象」になった。 研究はプロジェクトチームの共同作業になり、論文も数人が担当、代表の教授は資金調達に忙しく論文には筆頭著者としてのみ署名するとの例も出て来る。 この状況から、若手研究者達の「使い捨て」と研究機関の「ブラック企業化」が発生し、底辺ではおざなりの指導しか受けられず、将来が不安定な若手研究者達が、焦って業績を上げようとする傾向が強まる。 それでも、「かわいい女性」は職場内でアピールされがちとなる。 それこそが今回小保方氏が再提示されたとの事だろうか。
STAP細胞事件とは、日本社会のどこにでもある状況が集約的に顕在化したものだ。 その事への理解と適切な対応無くして問題の再発は防げまい。
(以上、朝日新聞より小熊英二氏の論評の一部を引用・紹介したもの。)
最後に、原左都子の私論でまとめよう。
とりあえず、小保方氏が「かわいい(職場内でアピールされる)女性」であるのか否かに関しては論評を避けよう。 (と言うのも、一例として小保方氏が今は自殺して亡き理研の上司だった笹井氏に“溺愛”されていたとの巷の報道が存在するものの、私自身はそれに関する情報をまったく得ていないためである。)
上記小熊英二氏の論評が、「民間企業」に於ける科学研究を焦点として書かれている事が多少気にかかる。
小保方氏の場合民間への就業経験は皆無であり、早大にて博士課程修了後は独立行政法人理化学研究所等の国家関連組織を自己の研究土台としていると私は認識している。
そうした場合こと小保方氏に関しては、民間にての“プロジェクトチーム”だの、“若手研究者の使い捨て”等々の試練とは無縁の人生を歩んでいるのではあるまいか??
これこそが、小保方氏にとって一番のネックだったとも言えよう。
そんな厳しい科学研究の世界を小保方氏が一度でも経験できたならば、もう少しマシな「実験ノート」を作成する能力を修得出来たはずである。 加えてもしも小保方氏が民間で鍛えられていたならば、自費で開催した4月の「記者会見」に於いて、記者団よりあれだけの“こっ酷いバッシング”を受け人生初めて決定的打撃を直に経験し、墓穴を掘らずに済んだはずだ。
早大が小保方氏の博士論文取消し判断に於いて“猶予期間”を設けた事態に関しては、早大こそがその責任を取るべきだ。
ところが小保方氏が一時所属したハーバード大学とて科学誌「ネイチャー」とて、既に小保方氏を見放している。 そんな厳しい状況下で、専門力の程が計り知れない早大が一体如何なる責任を取れると言うのか?!
最後に表題に関する私論を記そう。
朝日新聞小熊氏の論評とは趣旨を異にする原左都子の結論を、以下に提示しよう。
小保方氏のとんでもなく低きレベルの科学者としての資質の欠け具合、及び理研を筆頭とする周囲研究者達の決定的落ち度を考慮した場合、やはりSTAP事件は“必然的に”発生した、我が国科学史に於いて稀に見る「汚点」と評価せざるを得ないであろう。