原左都子エッセイ集

時事等の社会問題から何気ない日常の出来事まで幅広くテーマを取り上げ、自己のオピニオンを綴り公開します。

著名人と“同姓同名”である事のエンターテイメント力

2015年04月16日 | 雑記
 「原左都子エッセイ集」開設後 半年頃の2008年2月19日に、私は「同姓同名物語」なる表題のバックナンバーを公開している。

 そのエッセイの一部を要約して以下に紹介させていただこう。

 当エッセイ集に於いて私はペンネーム「原左都子」を使用しているが、我が本名は実はある著名人と同姓同名である。
 詳細を語ると本名がバレるためほんのちょっとだけ話すが、その著名人が、な、な、なんと超美人!!なのだ! 既に現役を引退している人物のため若い世代の方々には馴染みはないであろうが、ある年齢以上の世代の方々にとってその名前を知らない日本人はいない程、一世を風靡した人物である。
 当エッセイ集を立ち上げるにあたり、私は散々迷った。 このまたとない“光栄な本名”を使用した方が得策か、はたまたペンネームを使うべきか…。 結果としてあえてこの映えある本名をはずしペンネームを使用した理由は、第一に個人情報及びプライバシー保護の観点。 そして当該著名人ご本人とのネット上での混乱を避けるため。 加えてその人物の美しさや知名度にあやからず、自身のエッセイ実力で勝負したい!と目論んだためである。  その結果として“原左都子”はやはり、このペンネームを使用して大正解だったと判断する。
 私が光栄な本名をゲットしたのは婚姻後姓が変わったことによる。 実は私の旧姓も現在の本名と大差のない氏名だった。 昔、親から聞いた話によると、私の名前自体は父親に考えがあって名付けたらしいのだが、苗字との釣り合いも考慮し、やはりその著名人も少し意識しての命名であったらしい。
 私は晩婚に当たり、こんなすばらしい氏名は二度とゲットできないとほくそ笑んだものである。 この新姓がとにかく万人受けするし、すぐに覚えてもらえるしで大成功だった。 今後万一離婚に至れども決して改名はせず、現在の氏名を一生使い続けたいと目論んでいる。
 私はこの本名のお陰で日頃大いに得をしている。  まずどこへ行ってもすぐに憶えてもらえる。 そして話題性がある。 この氏名のお陰で大抵は相手方と話がはずむのだ。 と言うのも、その著名人は超美人であることに加えて清純なイメージを押し通したまま引退したらしく、時代の変遷にかかわらず今なお高い評判を得ている人物である故だ。 特に往年のファンにはこの人物が嫌いだと言う人物は一人としておらず、大抵の人(特に男性)は絶賛する。  加えてこの氏名のお陰で世間の反応も面白い。これが楽しめるのだ。 例えば、病院や役所、銀行等の公共機関で順番待ちをしていて氏名を呼ばれる場面があるが、「○○○さ~ん」とお声がかかり立ち上がると、周囲のほぼ全員が一斉に私に注目する。 本来目立ちたがり屋の私はこれが“快感”だ。
 この氏名のデメリットと言えば、たまに「本名ですか?」と確認されたり、意見書を提出したような場合、“偽名”と疑われる事がある程度だ。
 (以上、「原左都子エッセイ集」バックナンバーより一部を要約引用。)


 本日このエッセイを綴るきっかけを得たのは、昨日私の元に某来客があったことによる。

 その来客人物とは、我が家の近くに位置する某金融機関の営業担当氏である。
 昨年夏、原左都子単独所有の賃貸不動産物件を売却し、その売却資金すべてを当該金融機関へ入金した時点から、どうやら私は当金融機関の“VIP顧客”扱いとなっている模様だ。
 それは一応よしとしても、賃貸物件を売払った私にはもはや金融機関へ“奉仕”可能な資産など現時点では一銭たりとて無い有様だ。  故に営業担当氏が自宅集合マンションオートロックを訪れる都度、1階玄関で門前払いにてお引き取り願っていた。

 ところが、昨年11月に我が自宅近くの支店に新就任したとの上記金融機関担当氏の営業力の程が並大抵ではない事実に、私も気付いていた。
 度々1階玄関先で自宅への訪問を断わろうが、その後幾度もマンションを訪れ我が家のチャイムを鳴らす始末だ。 しかも「モニター」にて確認するその態度が常に低姿勢であることを確認していた私は、昨日初めて上階の我が家まで招き入れたとのいきさつである。

 最初に当該金融機関への我が資産預入れに関して感謝の言葉を述べた後、当営業担当氏が言い始めた話題に私は驚かされるはめと相成った。
 「私は元々映画ファンでよく映画を見に行くのですが、特に昭和期の小津安二郎氏のファンでもあり氏の映画を鑑賞する趣味があります。 そのため主役を務めている女優氏に関しても十分把握し、昭和の大女優○○○氏に関して素晴らしい女優氏と感嘆致しております。 この度、私が転勤した支店の顧客様の中に同姓同名の女性が存在することに驚きました。 是非とも一度お会いしたく、何度も訪問致しましたことをお詫び申し上げます。」

 これがたとえ営業マン氏の“リップサービス”であったとはいえ、確かに半端ではない映画観賞力である事実には間違いない! それに恐れ入った私はしばらく営業マン氏と語り合う事態と相成った。
 それがそもそも営業担当氏からの更なる預金勧誘手順だったとしても、私側もそんな事は二の次でよい感覚にもなったといえよう。 「お若い年齢層(おそらくアラフォー世代)ですのに、よくぞまあ小津安二郎氏の映画など見たいと思われましたね! 実は私本人が某女優と同姓同名であるにも係らず、テレビでしか氏の映画を見たことがないのですよ。」と言う私に対し…
 「それは残念です! 小津安二郎氏の映画を是非とも映画館でご覧下さい。」 「女優○○○氏とは、昭和史は元より、日本映画史に残る名女優であることに間違いありません。 それにしても素晴らしいご氏名ですね!」と言い残し、当該営業担当氏は何の営業活動をするでもなく我が家を去って行った。


 最後に原左都子の私論を述べよう。

 はてさてこの金融機関の営業担当氏は、今後著名人と同姓同名である一顧客の私から何らかのフィードバックが得られるのであろうか??
 それぞ困難かつ難儀なのは、「金融機関」に於ける今後の歪んだアベノミクス経済政策にかかわっているが故だ。  昨日のニュース報道によれば、日銀黒田総裁は今後も安倍氏に迎合しつつ金融緩和を続ける意向らしい。

 少しは本気でこの世を将来引き継ぐ世代である若者の意向も慮った上で、経済政策を考え直せよ!と言いたくもなる。