冒頭から、朝日新聞2021.10.10付「社説」“学術会議問題 任命して関係再構築を”を、以下に要約引用しよう。
菅前首相が、日本学術会議が推薦した会員候補6名を任命しなかったことが明らかになってから、1年が過ぎた。
安倍政権時代の政策に批判的な発言をしたことが原因とみられたが、菅氏は理由を説明しなかった。 以来、会議と政府の関係はこじれたままで、その再構築が大きな課題になっている。 この異常事態に終止符を打たねばならない。
振り返れば、この問題が菅氏の最初のつまづきだった。
推薦された者をそのまま任命するという従来の国会答弁を踏みにじり、「総合的、俯瞰的に判断した」と繰り返す。 批判が収まらないとみるや問題をすり替え、政府与党一体となって学術会議の改組を唱える。
強権的で説明責任を果たさない体質は、その後のコロナ対策をめぐっても表面化した。 政治と国民の間に深い溝を刻み、菅氏は退陣に追い込まれた。
学術会議の梶田隆章会長は先月末に所感を発表。 政府のこれまでの対応は受け入れられないと改めて表明し、社会の課題に取り組むためにも任命の問題の解決が重要だと述べた。
自民党総裁選で岸田氏は、各省に「科学技術顧問」を置く考えを示した。 自然科学に限らず、社会・人文科学の蓄積も活用せねばならないが、中には政権の方針に沿わない見解もあるだろう。 そうした異論にも耳を傾け、分野や立場の違いを超えた多角的な検討を経た先に、求める答えはある。 官邸の力が過度に強まり、官僚の萎縮が進む今、外部の目が果たす役割は重さを増している。
今年のノーベル物理学賞を受ける真鍋叔郎さんは、かつて日本政府の研究プロジェクトを率いた経験がある。 受賞が決まった後の会見で「日本は政策決定者と科学者がどうコミュニケーションを取り合うか、もっと考えなければならない」と苦言を呈した。
総裁選で見解を問われた岸田氏は「人事をひっくり返すことは考えていない」と述べた。 それでは、独善に走って失敗した前政権の轍を踏むだけだ。
まず6人を任命して学者を代表する学術会議との関係を修復し、多様な意見にしっかり耳を傾ける。 首相の「聞く力」は、本物か、国民は注視している。
(以上、朝日新聞2日前の「社説」より、要約引用したもの。)
昨年10月、私は“菅首相による学術会議任命拒否問題”を時事論評の主たるテーマとして取り上げ、何本にも及び菅政権批判を繰り返している。
それら時事論評エッセイの表題を、以下に今一度列挙させていただこう。
〇2020.10.03
「学術会議菅首相任命拒否問題、任命拒否された教授陣のご警鐘ごもっとも」
〇2020.10.03
「日本学術会議を“政治の御用機関”と落ちぶれさせてはならない!」
〇2020.10.04
「菅首相の学術会議任命拒否、やはり政権批判学者の切り落としか?」
〇2020.10,06
「“学術会議の人事”、ピントの外れた菅首相の説明」
〇2020.10.12
「日本学術会議問題、「民主主義の大きな危機、賢明な政治を」
〇2020.10.18
「日本学術会議 梶田隆章会長、16日の菅首相との会談後窮地に立たされたか?」
〇2020.10.27
「日本学術会議 梶田隆章会長が“腰砕け”呼ばわりされた頃から私は疲れている」
これら、バックナンバーの表題をご覧いただけるだけで、原左都子が上記朝日新聞社説見解と同一である事実をお判りいただけることであろう。
それにしても、自民党新政権の岸田首相は一体どうしたと言いたいんだ!?!
安倍・菅政権をそのままの形で引き継ぐことにしか脳が無かったとの結論なのだろうが…
当該“学術会議問題”に関してすら、「人事をひっくり返すことは考えていない」と豪語してしまっている事実…
いくら東大を3度落ちたとは言えども(失礼な発言を心よりお詫びしますが)、それ程までに安倍の流れに忠実に従わねば貴方の未来がなかったのか?!?
と、気の毒に思うばかりだ…