左膝がしら複雑骨折手術が主たる目的で某病院へ入院し、一昨日退院した私だが。
退院後2日が経過した本日も、未だ心身共々クリアな状況とは程遠い。
手術を受けた左足はもちろんのこと、全身に得体のしれないだるさが襲い掛かる日々である。
とにかく、入院中とは各種処置を受けるに当たり“待ち時間”が多いのが通常であり、その間、特に歩行困難な私などベッドにて寝転んでその措置を待つしか手段が無い状況だった。
特に手術後は車椅子利用を余儀なくされ、職員のどなたかにそれを押していただかないことには(トイレを筆頭に)何処へも行けない有様だ。
そんな不自由な状況が続く中、手術の翌日に早くも“リハビリ”が開始した。
これには驚くと共に、今現在の医療(特に整形外科分野にては?)リハビリこそが治療の主柱であることを思い知らされた。
私の病床へやってきたリハビリ担当者男性氏(“A氏”としておこう)は明るくフレンドリーな方で、未だ手術直後で意気消沈している私を励ましてくれる。
私が、「昨日手術が終わったばかりで、もうリハビリに入るのですか?!?」と問うと。
A氏応えて、「昔は骨折と言えば“ギブス”で固めて、絶対安静を幾日も続けましたよね。 今の時代はまったく発想と様相が変化しています。 手術翌日から手術部周辺の筋肉等を出来る限り鍛えるべくリハビリに励むことになります。 しばらくは担当の私が全面フォローしつつ、それを実行します」と説明してくれつつ、その日は気持ちの良いマッサージでリハビリは終了した。
11月3日の祝日をはさんで、次の日には別の女性担当者によるリハビリ室にてのリハビリ実行と相成った。
最初は、前回同様に手術部周辺の筋肉等をマッサージして下さっていたのだが。
「松葉杖で歩いてみましょうか?」とのアドバイスが出た。
それまで移動は車椅子だった私としては、松葉杖歩行など遠い未来のことと捉えていた。
ところが女性リハビリ担当者の指導に従い松葉杖を使ってみると、驚いたことに本当に歩けるではないか!!
この感激こそが私を人間らしく蘇らせてくれたとも表現できよう。😃
その後、土日が続きリハビリはお休みだったのだが、私は病棟内にて一人で松葉杖歩行練習に励んだ!
ところが実はこれは禁止行為であり、後にこっ酷くお叱りを受けたのだが…。
と言うのも、病院はとにかく患者の安全を保障せねばならない。
松葉杖に関しても初心者に対する「見守り制度」があり、職員同行で無い松葉杖移動を一切禁止していたのだ!
と言われてもこちらとしても早く松葉杖にての歩行を上達させて、一日でも早い退院を目指したいものだ。
これに関しては主治医も交えて喧々諤々の議論となったが、結局私の身勝手な一人行動は否定されるに至った。😭
と言いつつ、時は既に入院最終日だ。
この日もリハビリがあったが、上記A氏が我が松葉杖歩行を最終指導して下さった。
(違反行為ではあったものの、我が病棟内一人松葉杖歩行練習が効を奏してそれがかなり上達していて、A氏も驚くほどだった。)
当該病院の整形外科患者の退院判断は、リハビリ担当者がその権限を握っているとの事で。
A氏より「退院OK」のお墨付きを頂戴して、私は退院の権利を得て。
晴れて、“自由の身”を手中にしたとの訳である。
それにしても、確かに理学療法士による「リハビリ」との施術が進展して以降、整形外科分野での医療の在り方が180度変化進展した感を抱かされる。
“患者をある程度まで自立させて後に世に戻す。”
この思考・方針は、今後も医療に於ける中心理念として息づいていくことだろう。