原左都子エッセイ集

時事等の社会問題から何気ない日常の出来事まで幅広くテーマを取り上げ、自己のオピニオンを綴り公開します。

本日 近くの美容室へ「ウィッグカット」に行ってきました!

2024年10月17日 | その他オピニオン
 (冒頭写真は、本日カットして頂いた2本のウィッグのひとつを撮影したもの。)


 原左都子が40歳時に「頭部皮膚癌」を患って、その後一生に渡りウィッグ生活を余儀なくされている事実に関しては、本エッセイ集バックナンバーにても再三述べている。

 その事実をご存じ無い方のために、少し事の成り行きを説明させていただくと。
 我が人生に於ける主たる生業(なりわい)は、「医学」と「教育」だが。
 そのうちの「医学」分野の業務に於いて、私は医学実験を行うに当たり「無菌操作」を余儀なくされたものだ。 
 その「無菌操作」の際に紫外線を用いるのだが、私がそれを実施していた時期の「紫外線」の取り扱いが実に野放図だったのだ…  (参考だが、今現在は医学業務用の紫外線の扱いが至って慎重になり、必ずや無菌ボックスと言って、外部に紫外線が漏れないシステム下での業務に移り変わっている。)

 紫外線の人体への影響とは すぐに出現するものではなく、年月が流れて後に表面化するもののようだ。
 
 この私が「頭部皮膚癌」を患ったのも、まさに医学業務を離れて後10年以上経過してのことだった。

 我が子を高齢出産にて産んだ後の40歳時に、私は「頭部皮膚癌」を患った。
 大学病院にて「頭部のできもの」が皮膚癌であり、即刻手術にての摘出が必用である事実を告げられ、それに従って私はその摘出手術を受けた。

 幸いなことに予後は良好で、私は退院後すぐさま幼き我が子の世話をすることが叶ったのはラッキーだった。

 その後も我が皮膚癌の転移や増発等々、なんらの不都合も無く、この世を普通に生き延びることが叶っている私だ。


 ただ、その皮膚癌の「置き土産」対策が、我が一生かけて鬱陶しくもついて回っている。 (我が身体上の問題は何ら無いのだが、その後始末にずっとカネと時間を食っているとの訳だ…)😱 😭 

 要するに、“頭部皮膚癌のカバーを如何にするか?” との課題なのだが。


 本日は、その皮膚癌の「置き土産」対策のために、私は自宅近くの美容室に出向いた。

 先だってその美容室を訪れた際に、私は「一生ウィッグの世話にならねばならない事実」と「あまり人にはお見せ出来ない頭部の瑕疵が存在する」事実を係員氏にお伝えしておいた。

 そうしたところ 本日当該美容室へ伺うと、カーテンで仕切った「個室」に案内して頂いた。
 そしてその場で、私が持参した2本のウィッグを装着状態でカットして下さった。
 その間 担当美容師先生は、ただの一言も我が頭部の「癌の置き土産」に触れることも無く、手際よくカット作業を進められた。

 
 今時は時代が目覚ましく進化して、特に商業分野に於ける“特殊客対応”なども随分とスマートに移り変わっているのだろう。


 それに感心させられると同時に。

 医学関係者の私が思うには。
 さらなる進化系として、普通の人間も身体に瑕疵を抱える人間も、誰もが。  
 特別待遇では無く、同じ空間で同じように扱われたら もっと自由かもしれない、とも感じたものだ。  
 (例えば、本日の我が美容院での風景にしても、特別な場所では無く皆が一緒に!!)


 そう思うのは、特別待遇を受けた身にして贅沢なことなのだろうなあ。
 例えば、私のように頭に瑕疵の有る人間が一般人の前でその瑕疵を晒したものならば、周囲の人たちがそれを見て当然驚くことであろう。😨  それじゃあ、美容院で寛げないだろうしねえ…😷 

 
 髪のカットひとつとっても、世の中は難儀なものなのだろう…