未だ夫の介護は必要では無いが、既に義母と実母の介護保証人を7~8年に渡り努めている我が身にとって。
信じがたい新聞相談に出くわした。
早速、朝日新聞2019.12.07付“悩みのるつぼ” 60代女性による「無口で無表情、無職の30代息子」と題する相談内容を以下に要約して紹介しよう。
60代女性だが、夫に介護が必要となり、遠方で勤めていた息子を呼び寄せた。 ブラック企業的な職場に辟易としていたせいもあり、すんなり故郷へ戻ってきたが、無口で無表情、愛想もなければ親に感謝の気持ちもない。
夫の容体も一段落し、息子にまた仕事をして欲しいと言っても、嫌々ハローワークに行く始末。 経済的に不自由ではないが、30代のいい若いもんがほとんど自室に閉じこもってゲームをしているのが納得いかない。 親に愛情を示すこともない。
家に息子がいれば三食用意する必要があり、洗濯も相当の量だ。 家の仕事をするように言っても嫌々ながらすぐ終わって、ゲームに夢中。
早く仕事が決まればと気をもんでいるが、本人は無職でも平気のようだ。 跡取りなのでそっくり相続すれば済むと、気楽に思っているのだろうか。 結婚も難しい気がする。 夫はなるようにしかならないと気弱になるばかり。 この先どうすればよいか。
(以上、“悩みのるつぼ”相談内容を要約したもの。)
今回の回答者は、社会学者の上野千鶴子氏だが、ほぼ原左都子の私論と同様の回答をされている。
そのため上野氏の回答は省略させていただき、我が私論でまとめさせていただこう。
まったくもってバリバリ「論理の破綻」の60代相談女性だ!😱
今の時代、経済的に不自由でないのならば、真っ先に思いつくべきは、要介護のご亭主を「施設に預ける」ことであろう。
そうであるはずなのに何を血迷ったのか、 (言っちゃ悪いが)端で聞いても何の役にも立たなそうな息子を家に呼び寄せるとは、むしろこの相談女性こそが何らかの問題(自分自身が寂しい、あるいは介護能力に欠ける等々)を抱えているとしか考えられない。
しかも、息子氏は“曲がりなりにも”就職していたにもかかわらず、理由はともかくそれを辞めさせてまで郷里の自宅へ帰らせた責任は、母である60代女性にある事をまったく理解出来ていない。
今時の就職事情を何ら展望せずして、すんなり郷里へ戻ってきた息子に「早く再就職せよ」とはどうしたことか?! 父親の介護を手伝ってもらうために郷里に返したにもかかわらず、「早く就職して嫁をもらえ」だって?? その嫁も、ご亭主の介護の巻き添えにしたいのか?!?
で、極めつけは、自分が仕事を辞めさせて自宅に戻した息子が無口で無表情、愛想も無ければ、親に感謝の一つも無いだと?!!
しかも、三度の食事準備も洗濯も増えた、って??! それを嫌々ながらも息子氏が少しでも手伝ってくれることに感謝するべきだよ。
ここで一旦、原左都子の私事に入るが。
我が家にも、無口な娘が一人いる。 ただ、少なくとも家族に対しては愛想があり、親に対する感謝の気持ちも十分に感じ取れる、我々一家にとってこの娘の存在こそが潤滑油的な無くてはならない大事な娘だ。
我が娘の三度の食事の用意や洗濯はすべてこの母の日々の担当、しかも、義母・実母の世話など「すべてこの母が担当するから、貴女は自分の仕事に集中しなさい。」といつも言い聞かせている。
それに素直に従ってくれ、日々真面目に誠実に職場へ通ってくれている。
いやもちろん、義母も実母も素直に施設暮らしをしてくれている故に成り立つ我が家の介護実態だが。
まとめに入ろう。
今回の回答者であられる上野千鶴子氏の最終結論も、「今後夫婦のどちらかに介護が必要になったら、息子さんを当てにするより他人の手を借りることですね。」 である。
まさにその通り!
何故 「介護保険制度」が存在するのか。 高額な介護保険料を納めている国民も多いことだろう。
その制度を利用せずして、自分の若き息子に仕事を辞めさせてまで郷里の自宅に帰らせた60代相談女性にこそ、何らかの人格的欠落があるとしか考察出来ない、今回の“論理破綻相談内容”である。😪