原左都子エッセイ集

時事等の社会問題から何気ない日常の出来事まで幅広くテーマを取り上げ、自己のオピニオンを綴り公開します。

再掲載 「珍患者・左都子の“10年ぶり”の内科受診記」

2024年10月18日 | 医学・医療・介護
 またもや「原左都子エッセイ集」バックナンバーにて面白いエッセイを発見したので、本日もそれを以下に再掲載させていただこう。



 「病院へ行かない主義」で名を馳せているこの原左都子が、昨日(2019/10)
、実に10年ぶりに近くの内科医院を受診した。
 一体、我が身体の何処がどうしたのかを説明するならば…
 ウィーン旅行から帰国した後頃からだろうか。 どうも、食事と連動して左胸が痛む感覚があった。 特に朝食時にその症状が顕著であり、昼食時にも同様の症状が出る日々が続いた。(どういう訳か夕食時には酒のせいもあるのか?、その痛みは無いのだが。 夜中にその痛みが出るということも一切無かった。)
 元医学関係者の私としては、当然ながら自己診断にてあれこれと病名を探るのだが…
 食事と連動して左上胸部及びその周辺が痛むということは。 私なりに、消化器系に何らかの異常があるのではないか、最悪の場合、食道か胃に癌が発生しているかもしれない… などと勘繰り始めると、この私ですら恐怖感に苛まれ始めるのだ。
 それにしても何で痛みが左胸中心なんだ?? 合点がいかないなあ。 などと考えつつ。
 
 昨日、重い腰を上げて自宅近くの内科医院を訪れた。
 参考だがこの医院へは現在の住居へ転居後、17年の年月に渡り一家3人共お世話になっている。 (上記のごとく、私自身は10年ぶりだったが。) 
 それでは、診察室でのやりとりを以下に列挙しよう。 (内科医先生をM先生とさせていただく。)
 私 「こんにちは。ご無沙汰致しました。」
 M先生 「本当にご無沙汰でしたね。 今日はどうされましたか?」
 私 「前回の診察以来、ずっと元気だったのですが。」 
 M先生 「それは何よりでしたね!」
 私 「(上記の症状を説明した後)、最悪の場合、消化器系の癌も考えられるかと自己診断しまして、本日診察に伺いました。」
 M先生 「消化器系の癌とした場合、痛む場所が左上胸部というのが少し突拍子が無いかとも思います。 ただ〇さん(私の事)がそう診断したのならば、念のためカメラを飲みましょうかね?」
 私 「先生、そっ、それだけは勘弁して下さい! カメラを飲むのは、私にとっては別の重い病気が出来そうなほどに辛いんです!!」
 M先生 「過去にカメラを飲んで何か問題があったのですか?」 
 私 「はい。 私は医学部出身なのですが(M先生も既にご存じだが)、学生時代に自分の胃液を採取しての検体検査目的と共に、患者さん達の苦しい思いも実体験するとの目的も兼ねてゾンデを飲まされたことがあります。 周囲の学生達はまるでうどんをすするがごとくスルスルと飲めるのに、この私は何と3時間が経過してもゾンデが喉を通らず、“オエ~~~~ッ”とゾンデを吐き出してばかりの死ぬ思いをしました。 あんな苦しかった経験は後にも先にもなく、今尚トラウマとなっています。 ましてやカメラを飲むなど、私にとっては地獄に落ちるがごとくの仕打ちです。」
 M先生 「そうでしたか。その思いも分かりますが…  ただ、現在のカメラは実に小型に出来ていて、意外や意外、患者さんが横になっていてさえくれれば、アッと言う間に検査が終了するかもしれませんよ。」 
 私 「本当ですか?!」
 M先生 「いずれにしても私の現在の考えは先ほど申した通り、もしかしたらその痛みは消化器と連動したものでは無く、単に筋肉由来であるかもしれません。 〇さんは現在何か運動をされていますか?」
 私 「はい。 週に2度5kmを完走しています。 これが現在の私に取って何にも勝る達成感・爽快感の源でもあります!」 
 M先生 「それは凄いですね! (私に5kmを何分で走っているかを確認した後に)、いやいや実に素晴らしいじゃないですか! 不整脈症状も無い現在、どうも〇さんは心身共にお元気そうで癌等の疾患とは無縁のような気もします。 〇さんの場合、側彎症がある故に左側にのみ筋肉の痛みが出る事もあり得るかもしれません。 それでも〇さん自身がどうしても消化器系の疾患を疑うのならば、それも尊重しましょう。 どうでしょう、しばらくランニング等の運動を続行しつつ様子を見て、未だ症状が気になるようでしたら今度こそカメラ検査の段取りにしませんか?」
 私 「ご理解、誠にありがとうございます。 それでは、どれ程の期間様子見しましょうか?」
 M先生 「1、2週間でどうでしょうか? その間に〇さんの不安の程が拭えない場合、いつでも受診下さい。」
 
 まとめに入ろう。
 こんな珍患者、実際にこの国に存在するであろうか?
 加えてこれ程までに患者の立場に立って診察に挑んで下さる医師先生も珍しいのではなかろうか?
 もしも今回のM先生の診断が誤診であった場合、相手が素人患者だったならば“命とり”との結論ともなりかねない。  ただそうはならないであろう。 M先生は患者一人一人に寄り添われながら、日々丁寧な問診の上診察に当たられている。
 元医学関係者である我が素人診断も尊重して下さりつつ、次の診察の提示も頂けている。
 私にとっては、M先生とは我が理想の地元医院の内科医先生であられる。 それだからこそ、何かの場合には必ずやM先生に依存させていただいて来ている。
 さてさて私は後1~2週間内に、カメラを飲まざるを得ないのか、どうなのか?!?

 (以上、「原左都子エッセイ集」バックナンバーから再掲載したもの。)




 2024.10.18現在の、原左都子の感想に入ろう。

 私がウィーン旅行から帰宅後「食事と連動して左上胸部及びその周辺が痛む」との症状が出た記憶が、今となっては全く無い。
 そしてこの原左都子が、それがために医師に受診したと書かれている。😫 😲 

 我が病院嫌い(と言うよりも、元医学者である関係で自己の身体状況のほとんどを自身で診断できると信じている身であり。 例外的に、例えば膝を複雑骨折した等、自力回復が不能な場合のみ病院を受診することにしているのだが…)

 そして それに対するM医師先生のご対応が、素晴らしい。
 と言うのも、このM医師先生には過去に於いて私が医学部出身の医学者である事実を語った経歴があるのだ。 (参考だが、これを語るといきなり怒り始める医師も存在した。その種の医師には二度とお世話にならなかったものだが…)
 それを当時記憶して下さっていたが故の、M先生のご対応だったものだ。

 結論を言うと。
 この私は、そのM先生の診察後はもちろんのこと、今までただの一度も「胃カメラ」は飲まずに済ませている。
 今後もそれを押し通す予定でいる!
 
 それがためには、やはり自己身体管理力が必要だ。

 まあ、そうだなあ。
 高齢域に達して尚、その自己身体管理力のお陰で 私はそれ以来「内科」受診歴が皆無だ。

 (残念ながら、転んで怪我ばかりしている我が身にして。 2年程前の「左膝複雑骨折」の際には整形外科に手術入院してお世話になってしまったが…)

 今後共、「整形外科」以外の病院診療科には行かなくて済む身体を維持すべく、日々の体調管理に精進しよう!


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