◎言語学者の名前で読み誤りやすいもの
昨日、山田房一編『言語関係刊行書目』(山田房一、一九四二、非売品)という本について触れた。今日、この本が、どういう評価を受けているかは知らないが、なかなかの労作だと思う。なお、編者の山田房一〈フサカズ〉は、同書「はしがき」において、「編者は元々この道の学究ではない」と断っている。
この本の特長のひとつは、巻末の「著者名別分類索引」において、著者、研究機関について、その読みを「標準式ローマ字綴」によって表記していることである。
本日は、その「著者名別分類索引」の凡例(註)、および、索引の前に置かれている「読み誤り易い著者名」を紹介してみよう。
標準式ローマ字綴による
著 者 名 別 分 類 索 引
註
b, m, pの前の「ン」はmを用ひた
長音符記号は「∧」を用ひた
kwa, gwa,は便宜ka, ga,とした
読 み 誤 り 易 い 著 者 名
棈松源一 Abematsu-Gen'ichi
長 連恒 Chō-Tsuretsune
芳賀矢一 Haga-Yaichi
広幸亮三 Hirokō-Ryōzō
泉井久之助 Izui-Hisanosuke
神保 格 Jimbō-Kaku
垣内松三 Kaito-Matsuzō
城戸幡太郎 Kido-Mantarō
金原省吾 Kimbara-Seigo
金田一京助 Kindaichi-Kyōsuke
鴻巣盛広 Kōnosu-Morihiro
畔柳都太郎 Kuroyanagi-Kunitarō
中目 覚 Nakanome-Akira
魚返善雄 Ogaeri-Yoshio
小坂狷二 Ossaka-Kenji
小柳司気太 Oyanagi-Shigeta
新村 出 Shimmura-Izuru
楳垣 實 Umegaki-Minoru
山田房一が挙げたのは、以上の十八人である(芳賀矢一の読みは、それほど難しくないと感じた)。
長音は、ā,ē,ī,ō,ūで示しておいた。「著者名別分類索引」は、このあと、アルファベット順に、著者名(アルファベット表記+漢字表記)と、その著書・論文が紹介されている。【この話、続く】
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