◎日本の女性は、いまや世界一晩婚だ
カレル・ヴァン・ウォルフレン著『人間を幸福にしない日本というシステム』(毎日新聞社、1994)の要所要所を紹介している。本日はその三回目。
第一部「よい人生を阻むもの」第三章「麻痺した社会の犠牲者たち」から、その一部を引いてみよう。
私の印象では、最近、日本の若い女性たちは、自分たち自身のプライバシーを創造しはじめている。結婚と出産に関する最近の統計結果は、このサラリーマン文化の国に、雷のような衝撃をもたらした。多くの読者はご存じだろうが、日本の女性は、いまや世界一晩婚だ。結婚しないと決めた女性もふえていて、もはや日本の全女性のうちのびっくりするほど大きな割合を占めている。結婚した女性の産む子供の数もかつてないほど減り、しかも産む時期をかなり遅らせる。あるいは、子供はつくらないことに決めている。統計に表れたこうした女性たちの数は、他の先進工業国とくらべると、劇的なまでに異常だ。
何人かの日本人評論家も、この現象を、現代日本のサラリーマン社会への女性たちの無言の抗議の表れだと認めている。私がここで述べてきた文脈のなかでこれを言い換えるなら、多くの女性たちは、戦後日本の二つの大きな「偉業」(経済の成功と中間階級の抑圧)の犠牲【コスト】があまりに高すぎると感じ、自分自身の孤高の人生へと逃避しているのだ。〈73~74ページ〉
カレル・ヴァン・ウォルフレン著『人間を幸福にしない日本というシステム』(毎日新聞社、1994)の要所要所を紹介している。本日はその三回目。
第一部「よい人生を阻むもの」第三章「麻痺した社会の犠牲者たち」から、その一部を引いてみよう。
私の印象では、最近、日本の若い女性たちは、自分たち自身のプライバシーを創造しはじめている。結婚と出産に関する最近の統計結果は、このサラリーマン文化の国に、雷のような衝撃をもたらした。多くの読者はご存じだろうが、日本の女性は、いまや世界一晩婚だ。結婚しないと決めた女性もふえていて、もはや日本の全女性のうちのびっくりするほど大きな割合を占めている。結婚した女性の産む子供の数もかつてないほど減り、しかも産む時期をかなり遅らせる。あるいは、子供はつくらないことに決めている。統計に表れたこうした女性たちの数は、他の先進工業国とくらべると、劇的なまでに異常だ。
何人かの日本人評論家も、この現象を、現代日本のサラリーマン社会への女性たちの無言の抗議の表れだと認めている。私がここで述べてきた文脈のなかでこれを言い換えるなら、多くの女性たちは、戦後日本の二つの大きな「偉業」(経済の成功と中間階級の抑圧)の犠牲【コスト】があまりに高すぎると感じ、自分自身の孤高の人生へと逃避しているのだ。〈73~74ページ〉
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