ACSではほぼ必ず毎回授業で宿題を出します。
最近、まことに残念ながら、この宿題について大きな勘違いをされたことがありました。
本来ここで課す宿題は、その日の授業で問題の解き方を教えたものの定着を図るためのものであることが第一。
類似問題を多く解くことで確実に力が付きます。
二番目の目的は、次回以降の授業を円滑に進めるために必要なもの、例えば英単語調べやその練習などです。
勘違いは、とある保護者の方との間で起こりました。
いわく、宿題は、それを大量にやることで自分の努力で力をつけるために出す、というもので(正確にはもう少し感情的な言い回しでしたが)、正直な話、そういう宿題の出し方がうまくいくのは、それをやる子供自身の学力が一定以上のレベルにあることが絶対条件で、また、それを支える平素の勉強時間の習慣があることも欠かせません。
それらがないことで学習塾に通っているという現実を考えた場合、「宿題をたくさん出す→できる出来ないにかかわらずとりあえず子供がそれをやる(姿勢を見せる)→それを見て親は満足」で終わってしまうことは明らかです。
実際、問題の解き方を何もわかっていないその子に現在進行形で今学校で習っている単元の先端を行く問題を自力で解けるはずもなく、ほどなくしてそれすら投げ出してしまうありさま。そして、親はそんな子を見て無意味に叱る、あるいは「怒る」。
考えてもみてください。
ただ問題をやって自分で解けるなら、それで力がつくなら学習塾に通う必要はなく、市販でもなんでも、ただ黙々と問題集を解いていればよいわけです。
しかし、そんな安直なやり方で力がつくなど、10000人に一人もいないのではないでしょうか。
体の調子が悪くて医師に診てもらうとき、最初から自己流のやり方を主張してそれを押し通すなら、医師としても手の打ちようがないですよね。
子供の勉強もこれと大いに似たものがあります。
宿題一つにしても、プロがその子に応じたものを工夫して出しているのです。