もうすぐ大学のAO入試や自己推薦の季節 になります。 毎年この時期になると高校3年生の子たちのリクエストが相次ぎます。 それは AO 突破に向けての インスタントアドバイスとでも言いますか、 私の感覚では ちょっと安易に感じないわけではありませんが、 あまり自分で努力するということはせず、 手っ取り早く正解への道を示してもらったり、あるいは答えをそのまま頂戴したいという、 そんな感じのリクエストです。 直接その大学の志望動機や自己 PR 書を書いて欲しいと言ってくる子さえいます。 そういう時には、もちろん全面的にする引き受けることはしませんが(それは本人のためになりませんから)、ヒントになることをいくつか与えて極力自分の力でそれを仕上げられるような対応をするようにしています。
山中湖から本栖湖の方に向かって伸びる気持ち良い道路を3~40分走ると、右手に紅葉台 方面を案内する標識があります。それに沿ってしばらく走って 小高い山を登りきると、そこに 一軒の店があります。何かそこで買ったり飲んだりすると建物の屋上に登ることができて周囲一面の樹海を眺めることができます。壮観な景色です。樹海の向こうには大きな富士山が 迫るように見えます。
そこから10分ぐらい、今度は徒歩で登って行くと、そこが紅葉台で、 そこからも同じ景色と、そして南アルプスなどの 壮大な景色も眺められます。また、眼下には音もなく 横たわる西湖の青い湖面が 見えます。 私の好きなポイントです。
大学生の時に 行ったときと最近行った時とでは、 ポイントの位置が少し変わっているような気がしましたが、気のせいでしょうか。
西湖は 以前は周囲を巡る道路もまだ未舗装のところもあり、 どこか神秘的な雰囲気を漂わせていました。湖畔でキャンプした時、早朝起きてテントを抜け出して 湖面に小舟を出したことがあります。折からの朝靄と、小雨も降っていたでしょうか。音もなく湖の 中ほどに来た時に 周囲に生き物の吐息を何も感じない 静かな空間に一人で酔いしれていた思い出があります。 高野悦子さんの本の最後の詩の中に 「富士にあるという原始の湖」というのはこの西湖のことではないかと思いました。
富士五湖について、その生成や、或いはこれ等の湖に纏わる文学やストーリーについて纏めるという、とある生徒の抱える課題について、あれやこれや考えています。