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この際、民主党解体まで突き進めば良かったのに

2007年11月12日 23時42分49秒 | 二大政党制よりも多党制
 福田自民党と小沢自由党のお笑い大連立について、遅くなったけど、あともう少しだけ。

 「大連立を仕掛けたのは小沢か自民党サイドか財界か?」なんて議論も一部にはあるようですが、そんな事は大した問題ではありません。マスコミ情報などから総合すると、自民党・財界筋は選挙直後から水面下で大連立の話を進めていて、遂に小沢がそれに乗った、という事らしいですが。
 当の小沢にしてからが元自民党幹事長で、元々自民も民主も似た者同士。しかし反自民の世論の手前、連立野合の本音は言いたくても言えなかった。そこに大連立の談合話が出てきたので、これ幸いにと話に乗った。つまり、遅かれ早かれ「成る様にしか成らなかった」というのが、本当の所でしょう。

 そんなにテロ特措法や給油新法や憲法改悪に賛成ならば、いつまでも野党面なんてしていないで、民主党党首なんて辞めてしまって、トットと自民党に戻って、元の鞘に納まってしまえば良かったのに。そうすれば、同床異夢の民主党も空中分解してしまって、ひたすら「右の人は右へ、左の人は左へ」で、みんなそれぞれ在るべき所に納まり、国民に分りやすい形のすっきりした政党配置になって、政治も俄然面白くなったのに。それこそが、小沢の「壊し屋」としての本領発揮でしょう。今のままでは、目の前に人参ぶら下げられて飛びついたものの、かっさらう事に失敗した挙句に、己の欲深な本心を曝け出してしまっただけです。

 若し小沢が、辞意表明やその撤回に終わらずに、トコトンぶち切れて党を飛び出していたら、どうなっていたか。多分、民主党は、かつての新進党の様に割れて、自民党をも巻き込んで、再び政界再編という事になっていたのでは。そして、その政界再編の落ち着く先は、大方次の様な政党配置になっていくのでは。

(1) 靖国派のファシスト。ネオコン・ネオリベ派の中でも、特に靖国神社参拝や天皇制護持に拘る一派。欧米ではこの手のファシストは政界の異端児でしかないが、この日本では戦後も左翼への対抗上温存され、保守政治の根幹を成してきた。対米従属・海外派兵や新自由主義・グローバリズム賛成という点では次の(2)と立場を共にするが、戦前美化に過度に拘る余り、歴史認識では米国とも対立したりするので、政府・財界からすれば、あくまで保守傍流としての利用価値しか無い。但し「ガス抜き・目眩まし」としての利用価値はある。安倍・麻生・石原・「新しい歴史教科書をつくる会」一派や民主党内の一部極右などがそれに該当。(注)

(2) ネオコン・ネオリベ主流派。こちらこそ21世紀現代の保守本流。ズブズブの新保守主義・新自由主義・対米追従・グローバリズム賛成・「格差社会」擁護派で、ワーキングプアを自己責任と貶める。民衆サイドから見た「主敵」もあくまでこちら。(1)との関係については、古臭い戦前美化の立場とは一線を画しつつも、弱肉強食・「力の政治」を肯定する点では全く立場を同じくする。小泉・福田・小沢・前原などがそれに該当。公明党も、依然として宗教の衣をまとってはいるが、基本的には既にこの立場に変質したと思っている。

(3) 左派・リベラル。民主党左派と共産・社民・新社会の各党。かつてはそれなりに力を持っていたが、旧ソ連・東欧圏崩壊や中国の天安門事件、北朝鮮・拉致問題の表面化などを契機に、社会主義・平和主義へのマイナス・イメージが広がった所に、旧社会党の右転落・自民党との連立が決定的となり、世論の支持を大きく減退させた。そして、旧社会党は右派を中心に民主党に鞍替えを図る。しかし、近年の右傾化・格差社会化の進行に伴い、それに対する抵抗線として見直されつつある。

 今の日本の政治を、上記三潮流のせめぎ合いとして捉えると、各党の政治的位置付けが、はっきりしてきます。今の政治の分りにくさの原因は、(2)の自民党主流よりも更に右でゴリゴリの反動でしかない(1)の潮流が、自民・民主の与野党に分散し、それでいて実際には(2)ともツーツーの仲であるにも関わらず、時には野党ポーズも取りながら、国民の人気を掠め取ってきた所にあります。そして(2)の方も(2)の方で、(1)を時には疎ましく思いながらも、「悪政の目眩まし」や「ガス抜き」として適度に利用してきました。そして、(1)(2)に対する米国やマスメディアの後押しもあって、(1)(2)は実勢以上に自分達を大きく見せてきた。それが、今までの10数年~20年近くに渡る「右傾化」の一断面だったのです。それが初めて重大な敗北を喫したのが、この前の参院選挙でした。

 かつての自民・社会両党主導による55年体制が、90年代を通して完全に崩壊し、かつて野党第一党だった社会党に代って、民主党が二大政党の一翼を担うまでになりました。しかし、この民主党の実態は、完全な左右の寄せ集め政党でしか無く、その中で党運営の主導権を握ってきたのは、あくまでも自民党・民社党崩れの(1)(2)の潮流でした。この党は、本質的には自民党から分裂した片割れでありながら、それでも今までは野党第一党として、恰も政府批判票の受け皿であるかの様に、漠然と思われてきました。
 それが大連立策動の表面化とそのとりあえずの頓挫と、小沢の民主党党首辞意表明からその撤回への一連の流れの中で、民主党に対する世論の淡い期待は、次第に失望へと変わっていきました。

 民主党には、もう八方美人は通用しません。民衆の側に立ち、民衆の生活権・平和的生存権をあくまで擁護するのか、それとも国家権力や財界の側に立ち、自民党と一緒になって9条改憲(海外派兵)・25条改憲(民衆の生存権否認・生活破壊)に手を貸すのか、一つの政党として、一体どちらの立場を鮮明にするのか。「どちらにもまとまれない」「本音は後者の方だが、国民からは前者の様に思われていたい」というのでは、もはや政党としての呈を為していないと言わざるを得ません。そんな党なら、この間の騒動を機に解党してしまい、前述の三潮流に収斂されてしまえば良い。

(注)
(1)の潮流に関して若干補足:
※国民新党については、この潮流に含めるべきかどうか迷っています。あくまで保守のタカ派出身者が中心でありながら、今の改憲潮流には独自の立場から反対を表明しているので。
※今まで私はネオコンと靖国派を一括りに捉えてきましたが、本来この両者は同じではありません。ネオコンは、元来は米国のキリスト教右派を出自とする新保守主義者。至上とするのはあくまで米国的価値観であり、それには帝国主義だけでなく市民革命(アメリカ独立戦争)の理念も含まれる。それに対して靖国派はと言うと、家父長制の復活を唱え市民革命や男女平等の理念すら敵対視する、単なる天皇制復古主義者でしか無い。しかし、流石にそのままの形ではこの21世紀では通用しないので、日本でもあくまでネオコンの衣をかぶっている。
コメント (4)
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