現在、政府の入管法改正案提出とも絡んで、外国人技能実習生や留学生の低待遇が問題になっていますが、我が社の場合は少し事情が異なります。元々、人材育成が不十分だった所に、言葉もまともに通じないベトナム人留学生バイトを、低賃金という理由だけでどんどん入れたものですから、職場の中がもう大混乱。ベトナム人バイトの中でも、夜勤の女性が特に酷く、仕事を選り好みするわ、仕事中もずっとお喋りするわ、飲みかけのペットボトルをあちこちに放置するわ…お陰で、今までなら考えられなかった仕事上のミスや事故が続発するようになってしまいました。
それに対して、社員はベトナム人を甘やかすばかり。元々、言葉もまともに通じないのですから、教育や指導なんて出来るはずありません。「人手さえ確保できればそれで好い」とばかりに、あちこちの派遣会社からバイトをかき集めた為に、ものすごく複雑な勤務シフトになってしまいました。しかし、相手は留学生で、学業優先の建前があるので、あまり強気には出れません。しかも、言葉もまともに通じないので、出勤確認するだけでも一苦労です。バイトもそれを見越して、バイト同士で勝手に公休日を入れ替えたりするものだから、もう無断欠勤のオンパレード。もうそんな状態では、バイトを諫めるどころではありません。社員が「お前、名前なんて言う?」「今日何時まで働く?」と、毎日聞き回っている有様です。
ついこの間も、ベトナム人留学生の女性バイトが、「白菜や大根のケースも一人では持てない」と言うので、「そんな事言っていたら仕事になりません。他の人は普通に仕分け出来ているのだから、あなたも同じように仕分けして下さい」と指示したら、何と二人一組でケースを積み始めたのです。他の人は皆一人で積んでいるのに。これでは倍の人数が必要になってしまいます。もし人数が確保できなければ、倍の時間が必要になります。これから年末にかけて、ますます仕事量が増えて来るのに、こんな調子では、いつまで経っても仕事が終わらなくなります。
私は社員を呼び、社員と二人がかりで説得を始めましたが、その女性は「ああ、重たい」と言って、いかにも重たそうに白菜のケースを積んでいました。しかし、私が見る限り、まるで演技しているようにしか見えません。ケースには、1/2玉・1/4玉にカットされた白菜・キャベツや、1/2本・1/4本ぐらいにカットされた大根等が入っています。1ケースの重量は最大でも10キロもあるかないかです。そんなケースも一人で持てないのでは、スーパーのショッピングカートや旅行用キャリーバックも一人では運べない事になります。幾ら女性でも、そんな事はあり得ないでしょう。他のバイトは、女性でも、白菜ケース10段積みの台車2台を一人で運んだり、軽い台車なら4台一度に運ぶ事が出来るのですから。
そのくせ、私が目を離した途端に、その女性達は仕事そっちのけでお喋りを始め、しょっちゅう積み間違えたり、積み方や出荷ラベルの貼り方が雑だったりするのです。その尻拭いをさせられるのは、全て他のバイトです。彼女達は、幾ら仕事が残っていても、時間が来たら帰ってしまいますから。そこで私は、仕分け済みの台車を全てチェックして、積み間違いだけでなく、積み方が雑な台車も全て作業場に差戻し、彼女たちに積み直させました。それをずっと繰り返して、最近ようやくまともに商品の仕分けができる様になりました。
私は、今月から会社の近くのクリーニング工場でダブルワークを始めましたが、そこで働く外国人労働者のレベルは、我が社とは比べ物にならないくらい高いです。
ダブルワーク先はホテルにシーツや浴衣を供給するリネンサプライ企業で、私はそこで毎週月・火曜日の2日だけ、業務終了後の17時から20時まで3時間ずつ、衣類のクリーニング業務に従事しています。労働者の大半はフィリピン人や日系人で、我が社にいるようなベトナム人はほとんどいません。私はそこで連日、先輩のフィリピン女性に仕事を教えて貰っています。
その彼女達の働きぶりが我が社とは全然違うのです。私は働き始めてまだ4日目ですが、我が社の様に、お喋りしながらチンタラ働いているような奴なぞ一人もいません。そして日本語も普通に話せます。外国人特有の訛りはあっても、我が社の様に片言しか話せなかったり、それすら出来ず、簡単な仕事を教えるのにも一苦労するような事はありません。
勿論、職種や業務内容の違いはありますが、それでも同じベトナム人バイトでも、コンビニではお釣りの計算も出来、数多くの商品やサービスにも対応出来るのに、我が社では何故、日本語もまともに話せず、シフト通りに出勤せず、飲みかけのペットボトルも作業場のあちこちに放置したままで、何度注意しても私語を止めないのか?知り合いの派遣会社の人事担当者にそれとなく聞いてみました。すると、その担当者曰く、「それなりの派遣手数料を払ってくれるクライアント(顧客)や、うるさいクライアントには、派遣会社もそれなりの人材を供給するが、派遣手数料も出し渋り、人手さえ確保できれば好いという様なクライアントには、派遣会社も他では使い物にならないような人材しか供給しない」と言ってました。
それで全て合点が行きました。何故、うちの社員は管理職でも標準報酬の説明もバイトにまともに出来ないのか?掛け算や割り算も出来ないバイトに平気で検品業務を丸投げしてきたのか?今の総理大臣の名前も言えないようなバイトでも元社員で通用したのか?人手さえ確保できればそれで好いと、人材育成を怠って来たからではないですか。だから、言われた事しか出来ない、手抜きと工夫・改善の区別もつかないバイトばっかりになってしまったのです。
これでは幾ら教育係を現場に配置しても無駄です。幾ら朝礼や点呼で出勤確認するようにしても無駄です。勤務シフト自体が有名無実と化してしまっているのですから。そんな事より先に、勤務シフト通り出勤させるようにして下さい。日常会話ぐらい出来る様な、まともな人材を確保する様にして下さい。
そういう事を、先日、会社のHPに書いて投稿しました(下記写真参照)。私は前回の記事で、「俺も職場のオカシオコルテスになる!」と書きましたが、それはあくまでも「まじめな労働者の権利保障の為に闘う」という意味です。「自分達さえ良ければそれで好い」と言わんばかりに、他の労働者の迷惑も顧みないジコチューな輩の為に汗を流す気なぞ毛頭ありません。外国人労働者の人権保障とは、外国人を甘やかす事ではありません。そんなものは、無責任な指導放棄のネグレクトでしかありません。むしろ、外国人労働者の為にも、私はビシビシ外国人を厳しく指導していくつもりです。ましてや、白菜のケースも持てない「クラゲ女」なぞ論外です。