ここまで来ると、もう呆れて声も出ません。
・“靖国DVD”で授業/青年会議所作製 文科省が採用/石井議員追及(しんぶん赤旗)
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2007-05-18/2007051801_02_0.html
その問題の“靖国DVD”というのは、日本青年会議所の近現代史検証チームが作成した、「誇り」という名のDVD教材です。そのDVDの内容がまたトンデモな代物で、「雄太」という過去の戦死した青年の亡霊が、現代の女子高生「こころ」に、「昔の戦争は、日本が欧米の圧迫を跳ね除ける為に、止むに止まれずに起こしたものだった」と語りかける―というものです。こんな教材が、文部科学省の研究委託事業「新教育システム開発プログラム」に採用され、一部の学校では既にこの2月から実際の授業で使われているのです。
下記が、日本青年会議所のHPにアップされている、その実際の教材内容です。「協働運動」とかいう道徳教育運動の一環として取り組まれています。
http://www07.jaycee.or.jp/2007/strength/modern/uploads/smartsection/14_program.pdf
ここまで来るともう、「一体どういう基準で教育をやっているのか?」と思いますね。日本国憲法の三原理の一つである「平和主義、戦争放棄」をまともに教える事に対してすら、「偏向教育」だ何だといちいち難癖をつけておきながら、当の自分たちのやっている事は何ですか。靖国神社付属戦争賛美博物館(遊就館)展示の歴史観(靖国史観)や、特攻美化戦争映画「俺は君のためにこそ死ににいく」の内容の、完全な請け売りじゃないですか。
しかも、そんな戦争賛美の教材を作っておきながら、教師用指導書にはわざわざご丁寧に「戦争賛美に陥らないように注意しろ」との但書きまで載せて。教材の内容自体が充分「戦争賛美」なのに、今さら「注意しろ」もクソもないでしょう。
早速、幾つかのブログでも、この話題が取り上げられています。
・“靖国カルト教・洗脳DVD”で授業 青年会議所作製 文科省が採用(美しい壺日記)
http://dj19.blog86.fc2.com/blog-entry-67.html
・日本青年会議所と教育「再生」(Like a rolling bean (new) 出来事録)
http://ameblo.jp/garbanzo04/entry-10023678623.html
・青年会議所による「洗脳セミナー」(土佐高知の雑記帳)
http://jcphata.blog26.fc2.com/blog-entry-727.html
青年会議所って、名前だけは聞いた事がありますが、仮にも社団法人を名乗る公的な団体でしょう。それが、こんな「ウヨク偏向教育」の「教育介入」紛いの事をしていて、それに国が堂々とお墨付きを与えているなどとは、今まで露ほども知りませんでした。前述のブログ記事によるとどうも、現場の末端会員は必ずしも「靖国一色」ではないのですが、勝共連合や生長の家みたいな輩が執行部を牛耳ってしまっている様ですね。その辺は日本遺族会の状況ともよく似ています。いずれにしても、「安倍内閣の教育反動もついにここまで来たか」という気持ちで一杯です。それも、国民の眼から隠れて陰でコソコソと策を弄する形で。
そういう今の教育現場の状況が、下記の記事にもよく現われています。
・徹底シミュレーション 改正教育三法で教師は「大量リストラ死」する(サンデー毎日・5月27日号)
http://www.mainichi.co.jp/syuppan/sunday/
上記週刊誌の記事によると、「私たちの意図は(子どもを)まっとうな大人にすることだけではありません。実は、まっとうな日本人に育成することにあります」(今年3月に都内で開催された勉強会に出席した文部科学省関係者の言葉)とか、「ありがとう、ごめんなさいが素直に言えましたか」「元気よくあいさつや返事ができましたか」などの項目に取り組めたかどうか、子どもが父母と一緒に学校に提出(某小学校の「冬休み家庭教育たしかめカード」)などの事例が紹介されています。
「元気よくあいさつや返事が出来る」という一見抗えない命題の裏に、「それが出来ないのは悪い子」と無条件に切り捨てる思想が垣間見えます。そして、それが大人になるにつれて、やがて「あいさつや返事」から「仕事の成果」や「戦争での殊勲」に置き換えられるのです。本来、教育の営みというのは、「みんな違ってみんな良い」、その中で、みんなで生きていける為の知恵やルールを育てていくものであるにも関わらず。
教育改悪3法案の一つである学校教育法改悪案の中には、「我が国と郷土の現状と歴史について、正しい理解に導き、伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛する態度を養う」という一文がありますが、「正しい理解」って何なのでしょうか。
国は今まで確か、「多様な歴史観を養う事が必要だ」という事を言ってきて、それを「教育正常化」や「教育介入」の口実にもしてきた筈ですが。実際は、「自分たちの歴史観だけが正しくて、その他の多様な歴史観―これは何も唯物史観だけでなく靖国史観以外の全ての歴史観を指す―はみんな偏向している」、というのが本音だったのですね。なるほどそれで、最近の中学校の歴史の授業では、旧石器(縄文)時代の存在すら、「神話」教育の邪魔になるから教えないのですね。
自民党は、今度の参院選で、女子アナの丸川珠代を擁立したり、Jリーガーの三浦知良に出馬打診して断られたりと、なりふり構わず票集めに狂奔していますが、その陰でこんな事をやっているのです。こんな阿諛追従のネオリベコンどもなんかには絶対に負けられない。
※尚、「靖国神社・靖国史観」の欺瞞については、下記論考も参照の事。
http://www.geocities.jp/afghan_iraq_nk/ronten12.htm
・“靖国DVD”で授業/青年会議所作製 文科省が採用/石井議員追及(しんぶん赤旗)
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2007-05-18/2007051801_02_0.html
その問題の“靖国DVD”というのは、日本青年会議所の近現代史検証チームが作成した、「誇り」という名のDVD教材です。そのDVDの内容がまたトンデモな代物で、「雄太」という過去の戦死した青年の亡霊が、現代の女子高生「こころ」に、「昔の戦争は、日本が欧米の圧迫を跳ね除ける為に、止むに止まれずに起こしたものだった」と語りかける―というものです。こんな教材が、文部科学省の研究委託事業「新教育システム開発プログラム」に採用され、一部の学校では既にこの2月から実際の授業で使われているのです。
下記が、日本青年会議所のHPにアップされている、その実際の教材内容です。「協働運動」とかいう道徳教育運動の一環として取り組まれています。
http://www07.jaycee.or.jp/2007/strength/modern/uploads/smartsection/14_program.pdf
ここまで来るともう、「一体どういう基準で教育をやっているのか?」と思いますね。日本国憲法の三原理の一つである「平和主義、戦争放棄」をまともに教える事に対してすら、「偏向教育」だ何だといちいち難癖をつけておきながら、当の自分たちのやっている事は何ですか。靖国神社付属戦争賛美博物館(遊就館)展示の歴史観(靖国史観)や、特攻美化戦争映画「俺は君のためにこそ死ににいく」の内容の、完全な請け売りじゃないですか。
しかも、そんな戦争賛美の教材を作っておきながら、教師用指導書にはわざわざご丁寧に「戦争賛美に陥らないように注意しろ」との但書きまで載せて。教材の内容自体が充分「戦争賛美」なのに、今さら「注意しろ」もクソもないでしょう。
早速、幾つかのブログでも、この話題が取り上げられています。
・“靖国カルト教・洗脳DVD”で授業 青年会議所作製 文科省が採用(美しい壺日記)
http://dj19.blog86.fc2.com/blog-entry-67.html
・日本青年会議所と教育「再生」(Like a rolling bean (new) 出来事録)
http://ameblo.jp/garbanzo04/entry-10023678623.html
・青年会議所による「洗脳セミナー」(土佐高知の雑記帳)
http://jcphata.blog26.fc2.com/blog-entry-727.html
青年会議所って、名前だけは聞いた事がありますが、仮にも社団法人を名乗る公的な団体でしょう。それが、こんな「ウヨク偏向教育」の「教育介入」紛いの事をしていて、それに国が堂々とお墨付きを与えているなどとは、今まで露ほども知りませんでした。前述のブログ記事によるとどうも、現場の末端会員は必ずしも「靖国一色」ではないのですが、勝共連合や生長の家みたいな輩が執行部を牛耳ってしまっている様ですね。その辺は日本遺族会の状況ともよく似ています。いずれにしても、「安倍内閣の教育反動もついにここまで来たか」という気持ちで一杯です。それも、国民の眼から隠れて陰でコソコソと策を弄する形で。
そういう今の教育現場の状況が、下記の記事にもよく現われています。
・徹底シミュレーション 改正教育三法で教師は「大量リストラ死」する(サンデー毎日・5月27日号)
http://www.mainichi.co.jp/syuppan/sunday/
上記週刊誌の記事によると、「私たちの意図は(子どもを)まっとうな大人にすることだけではありません。実は、まっとうな日本人に育成することにあります」(今年3月に都内で開催された勉強会に出席した文部科学省関係者の言葉)とか、「ありがとう、ごめんなさいが素直に言えましたか」「元気よくあいさつや返事ができましたか」などの項目に取り組めたかどうか、子どもが父母と一緒に学校に提出(某小学校の「冬休み家庭教育たしかめカード」)などの事例が紹介されています。
「元気よくあいさつや返事が出来る」という一見抗えない命題の裏に、「それが出来ないのは悪い子」と無条件に切り捨てる思想が垣間見えます。そして、それが大人になるにつれて、やがて「あいさつや返事」から「仕事の成果」や「戦争での殊勲」に置き換えられるのです。本来、教育の営みというのは、「みんな違ってみんな良い」、その中で、みんなで生きていける為の知恵やルールを育てていくものであるにも関わらず。
教育改悪3法案の一つである学校教育法改悪案の中には、「我が国と郷土の現状と歴史について、正しい理解に導き、伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛する態度を養う」という一文がありますが、「正しい理解」って何なのでしょうか。
国は今まで確か、「多様な歴史観を養う事が必要だ」という事を言ってきて、それを「教育正常化」や「教育介入」の口実にもしてきた筈ですが。実際は、「自分たちの歴史観だけが正しくて、その他の多様な歴史観―これは何も唯物史観だけでなく靖国史観以外の全ての歴史観を指す―はみんな偏向している」、というのが本音だったのですね。なるほどそれで、最近の中学校の歴史の授業では、旧石器(縄文)時代の存在すら、「神話」教育の邪魔になるから教えないのですね。
自民党は、今度の参院選で、女子アナの丸川珠代を擁立したり、Jリーガーの三浦知良に出馬打診して断られたりと、なりふり構わず票集めに狂奔していますが、その陰でこんな事をやっているのです。こんな阿諛追従のネオリベコンどもなんかには絶対に負けられない。
※尚、「靖国神社・靖国史観」の欺瞞については、下記論考も参照の事。
http://www.geocities.jp/afghan_iraq_nk/ronten12.htm
アメブロからgooブログにTBが通らなくなってしまっているのでコメントを記させていただきます。
1月にこのDVDを知ったとき、かなり驚いたのですが、まさか授業で使われているとは…。
あまりのことに言葉もありません。
おっしゃるように、考え方の多様性を打ち出す背景には、歴史的検証の結果からすればかなりの異端である靖国派の正当化があったのですね。
「早ね・早おき・朝ごはん」運動も、一見すると良いことづくめのようですが、日本会議関連団体が関与しており、非常に不安をかきたてられるものです。
http://ameblo.jp/garbanzo04/entry-10032860121.html