自宅マンションのポストに無料PCR検査の案内が入っていたので、先週の土曜日に行って来ました。検査会場は地下鉄住之江公園駅前のマンション1階、南加賀屋郵便局の隣です。昼過ぎに行ったら私以外には誰もおらず、直ぐに検査を受ける事が出来ました。
体温測定の後、問診票に必要事項を記入し、検査キットを渡されました。小さな筒状の容器の中に輸送液が入っていて、その容器に備え付けの漏斗を使って唾液を入れます。筒の横に目盛が打ってあって、最低でも2.5ミリリットルの線まで唾液を入れなければなりません。輸送液が既に1ミリリットル入っているので、残りは1.5ミリリットルです。
しかし、唾液なんてそんなに簡単に出るものではありません。2.5ミリリットルの線まで唾液を出すのに結構時間がかかりました。それでも10分もすれば検査は無事終了。数日後には結果がメールで届く事になっています。
案内状には大阪府のロゴマークが入っていますが、検査会場の名義は「かいだ歯科」。そして検査マニュアルには「にしたんクリニック」の名前が。コロナで苦しむ人がいる陰で、それをチャッカリ金儲けのネタにする人もいるのでしょう。
先日、そのPCR検査の結果通知が来ました。結果は陰性でした。この結果通知は、「現時点で陰性である」というだけで、「コロナに感染していない」証明にはなりませんが、ワクチン接種済証明と併用すれば、旅行や飲食の割引が受けられるようになるかも知れません。取り敢えず、まあ陰性で良かったです。その結果通知書にも「にしたんクリニック」の名前が載っていました。
しかし、こんなに簡単に無料でPCR検査が出来るなら、何故今まで、もっと積極的に国民に検査を受けさせなかったのか?安倍・菅・岸田の自民党歴代総理や、大阪維新の会の吉村知事・松井大阪市長は!コロナ第一波や第二波、第三波の時に、国民全体に検査を受けさせておれば、その後の感染爆発も医療崩壊も無かったのに。これらの人たちは、何かと言えばすぐ国家がどうの、国防がどうのと言いますが、実際にやってきた事はアベノマスクやイソジン吉村などのパフォーマンスだけでした。
その挙句に、安倍は二度も政権投げ出してしまい、菅も無能な引きこもり総理である事がバレ、早々と逃げ出してしまいました。岸田も何もやらず逃げ回るばかり。大阪の知事や市長も、マスコミを味方につけ維新人気の浮揚を図るも、コロナ重症者数・死者数は全国トップを独走中。
それが何故、今頃になって無料検査を?私が思うに、検査機関(にしたんクリニック)や検査会場受託業者(かいだ歯科)に補助金が降りるようになったからではないか。例の「ただクリニック」も、元々コロナ専門病院ではなかったのに、ワクチン接種する度に、大阪府から補助金が降りるようになったから、ワクチン接種を進めるようになったのではないでしょうか。
コロナの治療は専門病院で専門の医師が行いますが、ワクチン接種やPCR検査だけなら普通の看護師でも出来ます。受付や案内だけなら派遣のバイトでも可能です。それで補助金もらえるならボロい商売です。「ただクリニック」が、維新の知事や市長にせっせと政治献金して来たのも、全てはこの「コロナ利権」を手に入れる為だったのでは。「にしたんクリニック」や「かいだ歯科」もそれと同じです。
庶民が本当に苦しんでいる時には見向きもせず、補助金が降りるようになってから、こんな「晴れの日に傘を貸す」ような真似して。そのくせ、肝心の「雨の日」には、酸素吸入器が必要な患者すら入院させずに、「自宅療養」の名で見殺しにしておきながら。まるで「貧困ビジネス」そのものです。あの「ミナミの帝王」ですら、高利貸しでありながら、悪を成敗する事もやっていたのに。その程度の「良心」もないのか。
調べたら、無料PCR検査も実施すれば国や大阪府から補助金もらえる事になっていました。大阪府のホームページによると、検査1件に付き最大6,500円の補助金が出る事になっています。補助金をもらうには府から登録業者として認められなければなりません。認められたら上記のステッカーが交付され、検査場所が一覧に載るようになります。
私が先日無料PCR検査を受けた「かいだ歯科」の「住之江公園」会場も、この一覧に載っていました。「越後屋、そちもワルじゃのう」「いえいえ、お代官様こそ」と言いながら、悪代官と悪徳商人が高笑いする時代劇のシーンそのもので。人がコロナで苦しんでいる時に、こんな「火事場泥棒」みたいな真似して、何が「国家・国民の為」か!
「PCR検査をじゃんじゃんやったら陽性者が病院に殺到して病院がパンクしてしまう。軽症者は自宅で療養してほしい」と言って、酸素吸入器が必要な重症者も自宅療養で見殺しにして来たのです。自民党も「維新の会」も。でも、マスコミは自民党は批判しても「維新の会」は批判しないので、「吉村知事ガンバレ!」と、皆だまされるのです。どちらも「同じ穴のむじな」である事は変わりないのに。
昔は大阪市内の各区にあった保健所を1か所に統廃合して、他は全て出先機関(保健センター)に格下げ。住吉市民病院や府立看護専門学校の閉鎖を強行し、看護師の給与も安いまま据え置き。そこにコロナが襲い掛かり、病院や介護施設でクラスター感染が拡大、医療崩壊が起こりました。大阪府が人口比でコロナの重症者や死者が全国で一番多いのも、全てこの「人災」によるものです。
これは誰の責任か?全て国政与党の自民党や、大阪府・市政与党の「維新の会」の責任ではないですか。肝心の土砂降りの雨の日に、患者を見殺しにしておきながら、今頃になって補助金目当てに「晴れの日に傘を貸す」ような真似をして。これでは「アベノマスクの愚」の繰り返しじゃないですか。
「にしたんクリニック」や「かいだ歯科」「ただクリニック」は営利企業なので、それでも一線さえ越えなければ許されます。しかし、国や大阪府などの自治体は、仮にも行政機関なのですから、営利企業と同じ論理だけで動いたらダメでしょう。「金の切れ目が命の切れ目」にならないようにするのが、行政の役割なんですから。本当に「身を切る改革」をする気があるなら、カジノ・万博利権の為の予算を、今すぐ病院増設や看護師増員に回せ!
政府が最初、無料PCR検査の普及に二の足を踏んでいたのは、元々PCR検査は一件に付き数万円もする高価な物で、コロナ前は需要もほとんど無かったので、検査機器も僅かしか無かった。
ウイルスは一般的に、変異するほど感染力は広がるが、毒性は弱くなる。最初の強い毒性のウイルスに感染した宿主は死亡率も高い。その為、宿主に寄生していたウイルスの減少率も増える。ウイルスは宿主に寄生しなければ生きていけないから。
だから、感染が広がれば広がる程、毒性の弱いウイルスだけが生き延びる事になる。大正時代に流行ったスペイン風邪やペストが、ある段階を境に急速に終息して行ったのも、このウイルスの特性によるものだ。
やがて収まるのが分かっているのに、そんな高価なPCR検査機器を何台も揃える訳には行かない。コロナ初期の段階では、精度は落ちるが簡単に出来る抗原検査で、まず陽性者を補足し、その陽性者の中から真の患者を、PCR検査で炙り出すべきだった。
本当にウイルスを封じ込める気なら、抗原検査とPCR検査を併用した二段構えの姿勢で、国民に無料で検査を受けさせなければならなかった。ところが、当時の安倍政権は、アベノマスク一つ取っても、無方針の行き当たりばったりで、国民に何一つ説明しなかったから、こんな事になってしまったのだと。
なるほど、この説明なら誰でも納得出来ます。今後もSARSやMARS、コロナのような未知のウイルスが出現する可能性は高いのですから、次はこのコロナの教訓を生かして、二段構えの姿勢で臨むべきです。