皆さん知ってました?大阪市西成区の「あいりん地区」(通称・釜ヶ崎)は、全国でも有数の銭湯密集地帯である事を。私も最近初めて知りました。隣の浪速区の新世界にある「ラジウム温泉」や「スパワールド」、阿倍野区の「湯処あべの橋」も含めると、徒歩圏内に9つもの銭湯があり、その一つ一つに特徴がある事を。それぞれ定休日も異なるので、日替わりメニューで銭湯巡りが楽しめちゃうのです。
銭湯巡りを思い立ったきっかけは大寒波の到来です。ある寒い雨の夜の事。エアコンもない部屋でユニットバスに浸かっても一向に体が温もらないので、商店街のアーケード伝いになるべく雨にぬれずに行ける銭湯を探していたら、「萬世湯」という銭湯が見つかりました。そこはごく普通の銭湯でしたが、脱衣場にコインランドリーが併設されていて、向かいにも料金100円の格安コインランドリーがありました。これなら入浴と洗濯が同時に出来ます。私の知っている銭湯にはコインランドリーは併設されていなかったので、他にもそんな銭湯がないか確かめて見る事にしました。近くにはまた別の銭湯「ふろやさんわ」もあります。
そうしたら、まず見つかったのが「日之出湯」。ここにはコインランドリーだけでなく水素風呂や「富士山の溶岩サウナ」「伊香保の湯」までありました。水素風呂ではお湯に浸かりながら健康に良い水素が摂取出来ます。溶岩サウナも富士山の溶岩を熱したサウナに通常の銭湯料金で入浴出来ます。血行促進の高温風呂に美肌効果に優れた炭酸温泉もあるので、乾燥肌で腰痛持ちの私にはぴったりです。その上に睡眠不足に効く酵素カプセルもあります。追加で2千円払えば高気圧の酵素カプセルを購入して個室で吸引出来るのです。値段が高いので今回は購入を見送りましたが、また機会があれば利用したいと思います。最近は学生証を提示すれば無料で入浴できるキャンペーンも始めたそうです。
「日之出湯」から少し北に行った所にあるのが「和光浴場」。ここにもコインランドリーが併設されていました。しかも先の「日之出湯」と同じ位、多くの種類のお風呂があります。まず露天風呂の炭酸温泉。他の銭湯の炭酸温泉よりお湯の温度が高いので、寒い日の露天風呂でも湯冷めしません。その上、中東の死海と同じ濃い塩分濃度の「死海の塩風呂」もあります。サウナもミストサウナと遠赤外線サウナの2種類あります。脱衣場には新聞や雑誌も置いてあるので、入浴だけでなく休憩も出来ます。高額なスパワールドに行く位なら、こちらで何回もサウナを堪能する方が経済的です。「日之出湯」も「和光浴場」も体に良い軟水を使用しています。「和光浴場」で売っている大山牛乳も1本110円とお得です。これからは「和光浴場」に、同浴場が休みの日には「日之出湯」に通う事にします。
今まで見て来た「萬世湯」「ふろやさんわ」「日之出湯」「和光浴場」は、いずれも「あいりん地区」から少し離れた下町にあります。利用客も、昔からここにずっと住んでいる馴染み客が中心です。それに対し、「入船温泉」と「末盛湯」は、いずれも「あいりん地区」のドヤ(簡易宿泊所)が経営する銭湯です。利用者も、ドヤで無料入浴券をもらった宿泊客が中心です。その為に、同じ西成の住民からも、とかく色眼鏡で見られがちでした。しかし、私も時々利用しますが、設備は他の銭湯と何ら変わりません。今までは、それまで住んでいたドヤに近い「入船温泉」の方を利用して来ましたが、今回初めて「末盛湯」にも入って来ました。「末盛湯」の番台で売っている井村屋のあずきバーは1本70円とお得です。「入船温泉」も「旅先銭湯」という1冊1200円の旅行雑誌を千円で購入する事が出来ます。下町の銭湯の様なサウナはありませんが、出張や旅行で大阪に泊まった時は、こちらの銭湯も是非利用してみたら良いと思います。「末盛湯」番台の女将曰く「今や観光地化した新世界のラジウム温泉に愛想尽かして、こちらに流れて来る人もいる」そうです。
しかし、喜んでばかりもいられません。あいりん地区が全国でも有数の銭湯密集地帯で、毎日早朝6時から日替わりメニューで色んな銭湯を堪能出来るのも、裏返せば住環境が劣悪で、トイレも風呂も共同だからです。私が今住んでいるミニキッチンとユニットバスのワンルームすら、あいりん地区では「贅沢品」なのです。私が高石の実家を飛び出し西成に住むようになり、ほぼ2年が経過しましたが、高石ではほとんど見なかった火事や行き倒れの場面に、こちらでは何度も遭遇しました。番台の親父や女将と馴染みの入浴客が交わす毎日の挨拶に、「古き良き昭和」の面影を垣間見る事が出来、私も何度も癒されましたが、それらは本来なら部屋にちゃんとキッチンもバスも用意された上で、あくまでも「休日や余暇の娯楽」として堪能されるべきものです。住まいも人権です。誰でもキッチンやバスのある住宅に住めるようにすべきです。コロナの感染予防や景気回復に本気で取り組む気があるなら、GOTOキャンペーンやオリンピックなんかよりも、もっと安全で衛生的な住宅の確保の方を優先すべきです。
入船温泉と提携しているビジネスホテル加賀の宿泊プラン。確かに、安全で衛生的な和室に1泊2千円前後で宿泊できて、隣接の銭湯にも無料で入浴できるお得なプランですが、そんな値段で泊まれるのも、トイレも風呂も共同だからです。
部屋中、家探しして、ワンルームの管理会社にも電話して大騒ぎした挙句に、昼過ぎに財布の隙間から鍵が出て来ました。
一応鍵はキーホルダーに保管していたのですが、薄っぺらいので隙間に入り込んだら、なかなか気付かない。
対策として、今後は鍵はドアのフックに掛ける事にしました。
でも、鍵はそれで良いとしても、じゃあ照明やテレビのリモコン、スマホはどうする?
スマホは充電器に繋いでいるし、テレビのリモコンも大きいから比較的簡単に探せるが、照明のリモコンは小さいので無くしたら後が大変。
一応、最後には壁のリモコン受けに収納する仕組みにはなっているが、それまでに無くしてしまったらどうしよう…。
狭い部屋だから紛失しても直ぐに分かるだろうと最初は思っていたが、狭いからこそ物で溢れ返って探せなくなる事に初めて気が付きました。
室内が物で溢れかえるのも、エアコンが無いからわざわざファンヒーターを買わなければならなくなる様に、貧乏だから余計に物で溢れかえるようになるパラドックス(逆説)にようやく気が付きました。
そういう意味でも、「住まいは人権」。衣食住足りて初めて礼節を知る。それを「バラマキ福祉」だと言って非難している奴らは、世間知らずで苦労知らずのただのボンボンだ。
私の住んでる実家近く、私が小学生時代の40年前は風呂無しの「文化住宅(どこが文化やねん)」がいっぱい建っていまして、小学校の校区に3~4つも銭湯がありました。
うちには風呂があるのですが、父親が銭湯が好きなのでちょこちょこ行ってました。コンビニとかもなくて、ジュース飲む機会も少なかったですから、風呂上がりのジュースが楽しみでしたね。もちろん当時はサウナとかいろいろ楽しめる施設・設備はありませんでしたが。
もっとも、たまぁ~に、背中に絵を描いた人が入ってきたりもしていましたが…
家の中の風呂は、やはり手足を思いきり伸ばせないので、疲れがとれません。やっぱり銭湯はエエですね。