アフガン・イラク・北朝鮮と日本

黙って野垂れ死ぬな やられたらやり返せ 万国のプレカリアート団結せよ!

安倍や三浦瑠麗も一度ここで働いてみたら良い

2018年02月14日 23時34分04秒 | 身辺雑記・ちょいまじ鉄ネタ

 少しでも家賃支払いの足しにしようと、昼の仕事に加え、夜も宅急便仕分けのバイトを始めて早2週間。但し、実際にダブルワークに入るのは週3日だけなので、実質まだ6日しか経っていませんが…。しかし、たとえ週3日と言えども、肉体労働のダブルワークは、正直言ってキツイです。今回はそのダブルワーク業務について書きます。

 夜のバイトは宅急便の物流センターでの荷物の仕分けです。昼のバイトが終わって、今住んでいる所に帰るまでの間にセンターがあり、ダブルワークでも働けるように1日数時間ごとに細かく勤務シフトが用意されていたので、私もそこで働くようになりました。但し、その宅急便の仕事は、あくまでも2ヶ月間の短期雇用が原則です。2ヶ月経過後は1ヶ月間クーリング(空白)期間があります。空白期間の前に契約更新が行われ、更新対象者にのみ、4ヶ月目からまた2ヶ月間の雇用と1ヶ月の空白が繰り返されます。
 私は、そこで週3日(毎週日・月・火曜日)夜18時から22時まで働いています。時給は1050円です。昼の仕事も早朝7時からあるので、帰ったらもう風呂入って寝るだけです。夕食は昼と夜の仕事の合間に済ませます。(リンク先の記事参照)

 

 

 職場に着いたら、まず身支度を整えます。ヘルメット・安全靴・アキレスガード等の保護具は会社から支給されるので、まずそれを身体に装着します。ヘルメットは、社員・バイト・パート・派遣・新人等、所属ごとに色分けされています。新人の私は灰色のヘルメットを着用します(一番右上の写真)。「アキレスガード」(一番左上の写真)は、ボックス(後述参照)運搬中にボックスが足に当たっても怪我しないように装着します。昼の勤務先でも、ヘルメットやアキレスガードが支給されていたら、私も、カゴ車の中間棚が頭に当たって2針縫う怪我をしたり、ドーリー(台車)をうっかり前方搬送者の後足に当ててしまい、治療費請求の難癖を付けられたりする事はありませんでした。この安全配慮の姿勢については、昼の勤務先も是非見習って欲しいと思います。本当はアキレスガードだけでなく、ボックス運搬中に手をボックスの間に挟まれても大丈夫なように、「手甲ガード」(その次の写真2枚)も装着しなければならないのですが、こちらは作業中に何度も脱げてしまうし、誰も装着していないので、最近は私も装着しなくなりました。

 身支度が済んだら、17時50分以降はタイムカード打刻が可能になるので、忘れずに打刻し、始業開始の18時まで待機します。私や他の日本人バイトは待機するだけですが、オレンジのヘルメットをかぶったベトナム人バイトは、ベトナム人だけで5分前から朝礼を行います。朝礼では責任者がベトナム語で当日の注意事項や伝達事項を指示します。私には何を言っているかサッパリ分かりませんが…。ベトナム人の朝礼終了とほぼ同時に18時の始業開始となり、全員でそれぞれの作業場に一斉に向かいます。

 仕事内容を紹介する前に、「ベース」と「センター」の違いについて、まず説明しておきます。宅急便の物流センターには大きく分けてセンターとベースの2種類があります。地域で荷物の集荷と配達を行うのがセンターで、だいたい各行政区ごとにあります。その各行政区のセンターから集まった荷物を地方別に発送し、また他の地方から送られてきた荷物を地域別に振り分ける業務を行うのがベースです。こちらは、各都道府県に数か所あります。私がダブルワークで勤務しているのは、後者のベースの方です。

 

 左上の写真が、ベースで宅急便の荷物を仕分けるレーンです。荷物は2階からローラーコンベヤーで流れて来ます。その荷物に貼られている荷札の番号(6桁番号のうちの前2桁)を見て、行先別のベースごとに荷物をボックスに積み上げて行く「シューター」業務が、私たちの仕事です。その2階からのローラーコンベヤーとは別に、レーン前方を左右に横切るベルトコンベヤーもあるのが分かるでしょうか?そちらのベルトコンベヤーには、2階からのコンベヤーには流せない割れ物や大型荷物などが流れます。ベルトコンベヤーにはバーコード読取のセンサーなどは付いていませんので、各レーンに1人ずつ配置された「切り手」と呼ばれる担当者が、流れてくる荷物の荷札番号を見て、自分のレーンの荷物を引き込みます。左上の写真の中のオレンジのヘルメットをかぶっている人が「シューター」で、その左前方で1階のベルトコンベヤーを眺めている黄色のヘルメットをかぶった人が「切り手」です。

 そして、右上写真が前述の「ボックス」です。商品を積み上げて配送車の積み込み場所まで持って行く箱型の台車です。私の昼の勤務先では「カゴ車」と呼んでいます。そのボックスの前のバーに、発送先ベースの前2桁の番号(ここでは72番)札が貼られています。
 但し、このボックスですが、「カゴ車」よりも高く、上の方は私の身長を優に超えてしまいます。前掲写真の作業者の身長と比べても、その高さの程が分かるかと思います。しかも、積載効率を上げる為に、「ここまで積もう!」という垂れ幕が掲げられ、実際にこの線まで積む事が徹底されています。しかし、中間棚の奥の方から積んで行こうと思っても、そこまで手が届きません。その為、中間棚は折り畳み式になっていて、最初はボックスの後方にだけ棚をセットして、後方の棚が埋まってから前方にも棚をセットできるようになっているのです。一方で、棚下の方も、一般的な荷物を平らに積んでいく方法ではなく、後ろから壁を作るように積んでいきます。そして、後ろの壁がある程度出来てから、ボックスの前の方にも荷物を置いていき、前後の隙間に小さい荷物を埋める様にして積むのです。

 でも、宅急便の荷物の事ですから、何から先に流れてくるか全然分かりません。いくら重い物から先に下に積み、軽い物は後で上に積もうと思っていても、先に軽い物ばかり流れて来たら、もうお手上げです。だからと言って、ボックスに中間棚を先にセットしておいても、棚下に入りきらないほどの丈の荷物が流れて来るたびに、棚を外さなければなりません。ゴルフバッグや家電製品、タイヤ等とメールや花が一緒に流れて来たりするのですから。ひっきりなしに荷物が流れて来るのに、そんな悠長な事なぞやっていられません。そうなれば、空のボックスを目一杯用意しておかなければならなくなります。しかし、余り用意し過ぎても邪魔になるだけです。(以上、下記のレーン見取図参照)

 私の文章力では、これ以上うまく説明できませんが、要は「言う程簡単ではない」という事です。「ただ荷札の番号を見て荷物をボックスに積んでいけば良い」なんて軽く考えていると、手痛い目に遭います。私は昼のバイト先でも、以前はこんなコンベヤーレーンでの仕分け作業に従事していたので、その辺の感覚はよく分かっていたつもりです。でも、そんな私の目からしても、ここの仕事は結構ハードです。スーパーの物流センターのような食料品だけでなく、工業製品も流れてくるのですから。

 この宅急便会社が、年がら年中バイトを募集している理由がよく分かりました。これでは幾ら募集しても直ぐに辞めていきます。バイト雇用を、1日4時間程度の労働時間で、2か月単位の短期雇用に限っているのも、単に社会保険や労働契約法の適用逃れ(5年以上継続して雇ったら無期雇用に転換しなければならないのを忌避)だけでなく、実際にそれぐらいしか持ちこたえられないからではないかと、最近では思うようになりました。

 その中でひときわ目を引くのが、ベトナム人バイトの活躍ぶりです。私の昼の勤務先でも、ベトナム人のバイトが最近増えて来ましたが、それでもまだ日本人の方が圧倒的に多いです。でも、ここでは日本人とベトナム人の割合が半々ぐらいでしょうか。配属先によってはベトナム人の方が多いぐらいです。実際に、私の配属された仕分けレーンでも、私以外の3名は全員ベトナム人でした。

 社内の掲示物も、作業に直接関係する事やタイムカードに関する事なぞは、全て日本語・ベトナム語併記になっています。朝礼も、日本人バイトはホッタラカシなのに引き換え、ベトナム人は責任者の方が毎日ベトナム語で行っています。(始業5分前から朝礼を行うのは明らかに労働基準法違反ですが、新人で右も左も分からない私がこんな事いきなり会社に言っても、多分誰も相手にしてくれないと思うので、ここではこれ以上詮索しないでおきますw)

 その中でも、特に驚かされたのが館内放送です。日本語だけでなくベトナム語でも放送が流れるのです。それも、日本人社員が流す放送内容が、モゴモゴ言っているだけで何言っているか全然分からず、やる気も全然感じられないのとは対照的に、ベトナム語の館内放送は非常に声がハッキリしていて、ベトナム語が全然分からない私でも、やる気だけはヒシヒシと伝わって来ます。昼の勤務先のベトナム人バイトのチンタラした仕事ぶりや、「ファッ、フアッ」というアヒルの声のような発音にしか聞こえない彼らのベトナム語からは、およそ想像もつかないぐらいの熱気が、そのベトナム語放送から感じられました。

 新人の私は、毎日彼ら、彼女らベトナム人バイトに助けられて、作業の仕方を教わっています。確かに、細かな意思疎通については、難しい点があるのは事実です。作業が終わった後、時間が余ったので「何をすれば良いか?」彼らの聞いたら、いきなりトイレに連れていかれましたw。多分「トイレはどこにあるのか?」聞かれたものと、勘違いしたのでしょう。それでも、日本人みたいにジメジメしておらず、あっけらかんとした彼らを観ていたら、こんな「蟹工船」みたいな職場でも、「明日もまた来よう」という気になります。

 ゴミ箱の用意もなく、ゴミは散らかり放題。設備もボックスもボロボロ。制服の支給もなく、私服で汚れ作業に就かざるを得ない。構内の施設配置もよく分からない私に、いきなり何の説明もなく「何番に行け!」とだけ言い残して走り去って行く社員…確かに、この宅急便会社には、至らない点も多々あります。その一方で、所属ごとのヘルメットの色分けや、アキレスガード等の安全への配慮、ベトナム人教育の充実ぶりについては、私の昼の勤務先も見習わなければならないと思いました。

  ところで、自称・国際政治学者の三浦瑠麗(みうら・るり)という女性が、「在日コリアン(韓国・朝鮮人)の中には、スリーパー・セルと呼ばれる北朝鮮のスパイが潜んでいる。特に生野区のコリアンタウンを抱える大阪が危険だ。警戒した方が良い」という意味の事を言って、問題になっています。三浦瑠麗は、恐らく、1980年に大阪・鶴橋の中華料理店従業員を北朝鮮に拉致した辛光洙(シン・グァンス)事件の事を言いたかったのでしょう。でも、国際政治学者ともあろう者が、今の日本で、そんな事を大っぴらに言えば、一体どうなるかぐらい想像できなかったのでしょうか?下手すれば、関東大震災直後に起こった在日朝鮮人虐殺と同じような事が、今の日本では起こりかねません。今や「朝鮮人を殺せ」「反日の朝日新聞社員も殺せ」というようなプラカードを掲げたヘイト(人種差別)デモが、在特会(在日特権を許さない市民の会)等の団体主催で、全国各地で行われるまでになってしまっているのですから(下記画像参照)。そんな事になった後で、「何も在日コリアン全体をスパイ扱いした訳ではない」といくら言い訳しても、後の祭りです。

三浦瑠麗氏「スリーパー・セル」発言で論議 「偏見」VS「(批判は)行き過ぎたポリコレ」(J-CASTニュース)
https://news.nifty.com/article/domestic/society/12144-321150/

 確かに、北朝鮮は、今でも外国人が自由に国内を旅行もできないような閉鎖的な国です。でも、そんな事を言い出したら、戦争中の日本は一体どうなりますか?「鬼畜米英」「B29を竹槍で打ち落とせ」と言っていた当時の日本人も、欧米人からすれば十分「閉鎖的」で「変な国」だったはずです。実際には、国民は戦争反対の声を上げたくても上げられなかっただけなのに。
 第一、この宅急便会社や、私の昼の勤務先で、「ベトナムは、かつてベトナム戦争で米国や日本と対立し、今でも社会主義国家を名乗っている。潜在的には日本の敵だ」なんて思っていたら、全然仕事になりませんよ。

 これは何も三浦瑠麗だけに限った話ではありません。安倍晋三も、最初は「平昌(ピョンチャン)オリンピックの開会式にも参加しない」と言っていました。後になって、それでは流石に大人げないと思ったのか、渋々参加するようになりましたが、せっかく統一朝鮮チーム結成で、北朝鮮から国会の最高責任者や指導者の妹が開会式にやってきたのに、自分一人だけソッポ向いて、会って拉致問題解決の糸口にしようとすらしませんでした。日頃あれだけ「北朝鮮拉致問題の解決が現政権の最優先課題だ」と言っていたにも関わらず。いざ肝心な時には、いつもジメジメ、ネチネチと、自分のメンツや保身ばかり気にして、結局何も出来ないじゃないですか(上記ツイッター画像の右下で一人ソッポを向いているのが安倍晋三)。
 安倍晋三や三浦瑠麗のような人こそ、この宅急便会社でベトナム人と一緒に働いてみるべきではないでしょうか。そうして、今や少子高齢化で、外国人の手助けなしには日本の労働現場が回らなくなっている事や、労働基準法違反がまかり通る外国人労働の実態についても、もっと知るべきです。

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1 コメント

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ドリプルワーク (まあ)
2018-02-24 22:12:12
私も一日5時間のパートのドリプルワークしてました。通勤、移動時間がありますから、実際には自宅に居る時間は睡眠時間含めて4時間。その間に子どもの話を聞いたり家事したり…年末年始はパートが休みになりますから、年賀状仕分けへ…
ブログ主様、体調に気をつけてください。私は働き過ぎて廃人になりました。今は復帰してパートしてますが…子育て中は座って食事したことがありませんでした。そして疲労から全身痙攣起こして死にかけました。普通に歩いて通勤して骨折3回。労災どころか失業保険給付もなく、即日解雇でした。
身体は、健康は資本です。栄養つけて元気な身体で過ごして下さい。
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