福田自民党と小沢自由党のお笑い大連立について、遅くなったけど、あともう少しだけ。
「大連立を仕掛けたのは小沢か自民党サイドか財界か?」なんて議論も一部にはあるようですが、そんな事は大した問題ではありません。マスコミ情報などから総合すると、自民党・財界筋は選挙直後から水面下で大連立の話を進めていて、遂に小沢がそれに乗った、という事らしいですが。
当の小沢にしてからが元自民党幹事長で、元々自民も民主も似た者同士。しかし反自民の世論の手前、連立野合の本音は言いたくても言えなかった。そこに大連立の談合話が出てきたので、これ幸いにと話に乗った。つまり、遅かれ早かれ「成る様にしか成らなかった」というのが、本当の所でしょう。
そんなにテロ特措法や給油新法や憲法改悪に賛成ならば、いつまでも野党面なんてしていないで、民主党党首なんて辞めてしまって、トットと自民党に戻って、元の鞘に納まってしまえば良かったのに。そうすれば、同床異夢の民主党も空中分解してしまって、ひたすら「右の人は右へ、左の人は左へ」で、みんなそれぞれ在るべき所に納まり、国民に分りやすい形のすっきりした政党配置になって、政治も俄然面白くなったのに。それこそが、小沢の「壊し屋」としての本領発揮でしょう。今のままでは、目の前に人参ぶら下げられて飛びついたものの、かっさらう事に失敗した挙句に、己の欲深な本心を曝け出してしまっただけです。
若し小沢が、辞意表明やその撤回に終わらずに、トコトンぶち切れて党を飛び出していたら、どうなっていたか。多分、民主党は、かつての新進党の様に割れて、自民党をも巻き込んで、再び政界再編という事になっていたのでは。そして、その政界再編の落ち着く先は、大方次の様な政党配置になっていくのでは。
(1) 靖国派のファシスト。ネオコン・ネオリベ派の中でも、特に靖国神社参拝や天皇制護持に拘る一派。欧米ではこの手のファシストは政界の異端児でしかないが、この日本では戦後も左翼への対抗上温存され、保守政治の根幹を成してきた。対米従属・海外派兵や新自由主義・グローバリズム賛成という点では次の(2)と立場を共にするが、戦前美化に過度に拘る余り、歴史認識では米国とも対立したりするので、政府・財界からすれば、あくまで保守傍流としての利用価値しか無い。但し「ガス抜き・目眩まし」としての利用価値はある。安倍・麻生・石原・「新しい歴史教科書をつくる会」一派や民主党内の一部極右などがそれに該当。(注)
(2) ネオコン・ネオリベ主流派。こちらこそ21世紀現代の保守本流。ズブズブの新保守主義・新自由主義・対米追従・グローバリズム賛成・「格差社会」擁護派で、ワーキングプアを自己責任と貶める。民衆サイドから見た「主敵」もあくまでこちら。(1)との関係については、古臭い戦前美化の立場とは一線を画しつつも、弱肉強食・「力の政治」を肯定する点では全く立場を同じくする。小泉・福田・小沢・前原などがそれに該当。公明党も、依然として宗教の衣をまとってはいるが、基本的には既にこの立場に変質したと思っている。
(3) 左派・リベラル。民主党左派と共産・社民・新社会の各党。かつてはそれなりに力を持っていたが、旧ソ連・東欧圏崩壊や中国の天安門事件、北朝鮮・拉致問題の表面化などを契機に、社会主義・平和主義へのマイナス・イメージが広がった所に、旧社会党の右転落・自民党との連立が決定的となり、世論の支持を大きく減退させた。そして、旧社会党は右派を中心に民主党に鞍替えを図る。しかし、近年の右傾化・格差社会化の進行に伴い、それに対する抵抗線として見直されつつある。
今の日本の政治を、上記三潮流のせめぎ合いとして捉えると、各党の政治的位置付けが、はっきりしてきます。今の政治の分りにくさの原因は、(2)の自民党主流よりも更に右でゴリゴリの反動でしかない(1)の潮流が、自民・民主の与野党に分散し、それでいて実際には(2)ともツーツーの仲であるにも関わらず、時には野党ポーズも取りながら、国民の人気を掠め取ってきた所にあります。そして(2)の方も(2)の方で、(1)を時には疎ましく思いながらも、「悪政の目眩まし」や「ガス抜き」として適度に利用してきました。そして、(1)(2)に対する米国やマスメディアの後押しもあって、(1)(2)は実勢以上に自分達を大きく見せてきた。それが、今までの10数年~20年近くに渡る「右傾化」の一断面だったのです。それが初めて重大な敗北を喫したのが、この前の参院選挙でした。
かつての自民・社会両党主導による55年体制が、90年代を通して完全に崩壊し、かつて野党第一党だった社会党に代って、民主党が二大政党の一翼を担うまでになりました。しかし、この民主党の実態は、完全な左右の寄せ集め政党でしか無く、その中で党運営の主導権を握ってきたのは、あくまでも自民党・民社党崩れの(1)(2)の潮流でした。この党は、本質的には自民党から分裂した片割れでありながら、それでも今までは野党第一党として、恰も政府批判票の受け皿であるかの様に、漠然と思われてきました。
それが大連立策動の表面化とそのとりあえずの頓挫と、小沢の民主党党首辞意表明からその撤回への一連の流れの中で、民主党に対する世論の淡い期待は、次第に失望へと変わっていきました。
民主党には、もう八方美人は通用しません。民衆の側に立ち、民衆の生活権・平和的生存権をあくまで擁護するのか、それとも国家権力や財界の側に立ち、自民党と一緒になって9条改憲(海外派兵)・25条改憲(民衆の生存権否認・生活破壊)に手を貸すのか、一つの政党として、一体どちらの立場を鮮明にするのか。「どちらにもまとまれない」「本音は後者の方だが、国民からは前者の様に思われていたい」というのでは、もはや政党としての呈を為していないと言わざるを得ません。そんな党なら、この間の騒動を機に解党してしまい、前述の三潮流に収斂されてしまえば良い。
(注)
(1)の潮流に関して若干補足:
※国民新党については、この潮流に含めるべきかどうか迷っています。あくまで保守のタカ派出身者が中心でありながら、今の改憲潮流には独自の立場から反対を表明しているので。
※今まで私はネオコンと靖国派を一括りに捉えてきましたが、本来この両者は同じではありません。ネオコンは、元来は米国のキリスト教右派を出自とする新保守主義者。至上とするのはあくまで米国的価値観であり、それには帝国主義だけでなく市民革命(アメリカ独立戦争)の理念も含まれる。それに対して靖国派はと言うと、家父長制の復活を唱え市民革命や男女平等の理念すら敵対視する、単なる天皇制復古主義者でしか無い。しかし、流石にそのままの形ではこの21世紀では通用しないので、日本でもあくまでネオコンの衣をかぶっている。
「大連立を仕掛けたのは小沢か自民党サイドか財界か?」なんて議論も一部にはあるようですが、そんな事は大した問題ではありません。マスコミ情報などから総合すると、自民党・財界筋は選挙直後から水面下で大連立の話を進めていて、遂に小沢がそれに乗った、という事らしいですが。
当の小沢にしてからが元自民党幹事長で、元々自民も民主も似た者同士。しかし反自民の世論の手前、連立野合の本音は言いたくても言えなかった。そこに大連立の談合話が出てきたので、これ幸いにと話に乗った。つまり、遅かれ早かれ「成る様にしか成らなかった」というのが、本当の所でしょう。
そんなにテロ特措法や給油新法や憲法改悪に賛成ならば、いつまでも野党面なんてしていないで、民主党党首なんて辞めてしまって、トットと自民党に戻って、元の鞘に納まってしまえば良かったのに。そうすれば、同床異夢の民主党も空中分解してしまって、ひたすら「右の人は右へ、左の人は左へ」で、みんなそれぞれ在るべき所に納まり、国民に分りやすい形のすっきりした政党配置になって、政治も俄然面白くなったのに。それこそが、小沢の「壊し屋」としての本領発揮でしょう。今のままでは、目の前に人参ぶら下げられて飛びついたものの、かっさらう事に失敗した挙句に、己の欲深な本心を曝け出してしまっただけです。
若し小沢が、辞意表明やその撤回に終わらずに、トコトンぶち切れて党を飛び出していたら、どうなっていたか。多分、民主党は、かつての新進党の様に割れて、自民党をも巻き込んで、再び政界再編という事になっていたのでは。そして、その政界再編の落ち着く先は、大方次の様な政党配置になっていくのでは。
(1) 靖国派のファシスト。ネオコン・ネオリベ派の中でも、特に靖国神社参拝や天皇制護持に拘る一派。欧米ではこの手のファシストは政界の異端児でしかないが、この日本では戦後も左翼への対抗上温存され、保守政治の根幹を成してきた。対米従属・海外派兵や新自由主義・グローバリズム賛成という点では次の(2)と立場を共にするが、戦前美化に過度に拘る余り、歴史認識では米国とも対立したりするので、政府・財界からすれば、あくまで保守傍流としての利用価値しか無い。但し「ガス抜き・目眩まし」としての利用価値はある。安倍・麻生・石原・「新しい歴史教科書をつくる会」一派や民主党内の一部極右などがそれに該当。(注)
(2) ネオコン・ネオリベ主流派。こちらこそ21世紀現代の保守本流。ズブズブの新保守主義・新自由主義・対米追従・グローバリズム賛成・「格差社会」擁護派で、ワーキングプアを自己責任と貶める。民衆サイドから見た「主敵」もあくまでこちら。(1)との関係については、古臭い戦前美化の立場とは一線を画しつつも、弱肉強食・「力の政治」を肯定する点では全く立場を同じくする。小泉・福田・小沢・前原などがそれに該当。公明党も、依然として宗教の衣をまとってはいるが、基本的には既にこの立場に変質したと思っている。
(3) 左派・リベラル。民主党左派と共産・社民・新社会の各党。かつてはそれなりに力を持っていたが、旧ソ連・東欧圏崩壊や中国の天安門事件、北朝鮮・拉致問題の表面化などを契機に、社会主義・平和主義へのマイナス・イメージが広がった所に、旧社会党の右転落・自民党との連立が決定的となり、世論の支持を大きく減退させた。そして、旧社会党は右派を中心に民主党に鞍替えを図る。しかし、近年の右傾化・格差社会化の進行に伴い、それに対する抵抗線として見直されつつある。
今の日本の政治を、上記三潮流のせめぎ合いとして捉えると、各党の政治的位置付けが、はっきりしてきます。今の政治の分りにくさの原因は、(2)の自民党主流よりも更に右でゴリゴリの反動でしかない(1)の潮流が、自民・民主の与野党に分散し、それでいて実際には(2)ともツーツーの仲であるにも関わらず、時には野党ポーズも取りながら、国民の人気を掠め取ってきた所にあります。そして(2)の方も(2)の方で、(1)を時には疎ましく思いながらも、「悪政の目眩まし」や「ガス抜き」として適度に利用してきました。そして、(1)(2)に対する米国やマスメディアの後押しもあって、(1)(2)は実勢以上に自分達を大きく見せてきた。それが、今までの10数年~20年近くに渡る「右傾化」の一断面だったのです。それが初めて重大な敗北を喫したのが、この前の参院選挙でした。
かつての自民・社会両党主導による55年体制が、90年代を通して完全に崩壊し、かつて野党第一党だった社会党に代って、民主党が二大政党の一翼を担うまでになりました。しかし、この民主党の実態は、完全な左右の寄せ集め政党でしか無く、その中で党運営の主導権を握ってきたのは、あくまでも自民党・民社党崩れの(1)(2)の潮流でした。この党は、本質的には自民党から分裂した片割れでありながら、それでも今までは野党第一党として、恰も政府批判票の受け皿であるかの様に、漠然と思われてきました。
それが大連立策動の表面化とそのとりあえずの頓挫と、小沢の民主党党首辞意表明からその撤回への一連の流れの中で、民主党に対する世論の淡い期待は、次第に失望へと変わっていきました。
民主党には、もう八方美人は通用しません。民衆の側に立ち、民衆の生活権・平和的生存権をあくまで擁護するのか、それとも国家権力や財界の側に立ち、自民党と一緒になって9条改憲(海外派兵)・25条改憲(民衆の生存権否認・生活破壊)に手を貸すのか、一つの政党として、一体どちらの立場を鮮明にするのか。「どちらにもまとまれない」「本音は後者の方だが、国民からは前者の様に思われていたい」というのでは、もはや政党としての呈を為していないと言わざるを得ません。そんな党なら、この間の騒動を機に解党してしまい、前述の三潮流に収斂されてしまえば良い。
(注)
(1)の潮流に関して若干補足:
※国民新党については、この潮流に含めるべきかどうか迷っています。あくまで保守のタカ派出身者が中心でありながら、今の改憲潮流には独自の立場から反対を表明しているので。
※今まで私はネオコンと靖国派を一括りに捉えてきましたが、本来この両者は同じではありません。ネオコンは、元来は米国のキリスト教右派を出自とする新保守主義者。至上とするのはあくまで米国的価値観であり、それには帝国主義だけでなく市民革命(アメリカ独立戦争)の理念も含まれる。それに対して靖国派はと言うと、家父長制の復活を唱え市民革命や男女平等の理念すら敵対視する、単なる天皇制復古主義者でしか無い。しかし、流石にそのままの形ではこの21世紀では通用しないので、日本でもあくまでネオコンの衣をかぶっている。
テロ特措法・お笑い大連立の話題は、ここで一旦まとめます。とりあえずは、大連立の話は立ち消えになったので。但し、水面下では大連立を模索する動きは依然として続いているし、給油新法との絡みもあるので、今後もこの手の話はどんどん出てくると思います。引き続き警戒が必要です。
今回の大連立は、誰が見ても小沢の愚策です。テロ特措法との関係一つとっても、追い詰められていたのは小沢・民主党ではなく福田・自民党だったのですから。小沢は福田を適当にあしらいながら、悠然と次の衆院選に臨めばそれで良かったのです。また、民主党の方でも、小沢がそんな得体の知れない連立話を持ち帰ってきたとしても、そんなモノは自民党につき返してやれば、それで良かったのです。それでたとえ小沢が民主党を抜けたとしても、です。
民主党が参院選で大勝したのは、あくまで「反自公」を鮮明にしたからであって、小沢はその単なる象徴にしか過ぎません。確かに、小沢が抜ける事によるダメージは、民主党にとっては小さくは無いですが、それでも「反自公」の裏切りによる取り返しのつかない大ダメージと比べたら、充分回復可能なものです。民主党は、かつての社会党が、自社さ連立政権誕生と引き換えに、何故かくも凋落してしまったのかを、改めて考えるべきです。
問題は、何故小沢や民主党がそうしないで、むざむざ敵に塩をくれてやるような愚策に走ったのか、という事です。それは、政財界中枢からの意向を無視できなかったからです。小沢民主党が如何に「反自民」や「反ネオコン・反ネオリベ」を鮮明にした所で、当の民主党自身が「ネオコン・ネオリベ」からの企業献金や政党助成金で支えられているので、それに逆らう事など出来なかったのでしょう。
そういう意味では、今回の大連立劇は、自民党が民主党の足元を見て、「ピンチをひとまずチャンスに変える事が出来た」という事が出来るかもしれません。しかし、そのチャンスも、所詮は「ピンチの上に咲いた徒花」でしかありません。
自民党政治と国民生活との間にある根本矛盾が解消されない以上、衆院与党議席の「虚構の多数」に見られるような、政界と民意との間の乖離・ねじれ現象も解消されません。テロ特措法・給油新法や、消費税17%、後期高齢者医療制度、ホワイトカラー・エグゼンプションなどの悪法導入メニューが目白押しの状況の中では(その総仕上げが憲法改悪)、今後もそれらがピンチとなって大連立志向勢力の上に襲い掛かってくるでしょう。そんな中にあって、今回の大連立劇を通して、福田・小沢・自民・民主の本質が、予想以上に早くはっきりした形で曝け出されてしまいました。これは、我々国民にとっては、ピンチではなく寧ろチャンスであると言えます。
勿論、そのチャンスの上に徒に胡坐をかいているだけでは、チャンスはピンチに転じてしまいます。今回の大連立劇が立ち消えになった後は、自民党は一転して民主党を貶めにかかるでしょう。勿論、この10年間に渡る小選挙区制・保守二大政党論の浸透と、北朝鮮問題などの影響などによって、民主党を離れた票がそう簡単には革新野党に行かない事も、政府・与党・財界は当然織り込み済です。
政府・与党・財界にとって一番良いのは、有権者の意識が「自民も民主もどっちもどっち」のレベルに止まったまま、それが政治革新の方向には向かずに、「所詮何をしても無駄」とか「下見て暮らせ傘の下」という方向に向かい、膨大な棄権層となって滞留しまう事です。ひょっとしたら、それこそが今回の連立劇の「本当の狙い」なのではないでしょうか。そう仕向けてさえおけば、自分達はいくらでも悪政のしたい放題が出来ますから。
それどころか、必要に応じて、これらの棄権層の「下見て暮らせ傘の下」的な意識を世論操作で適度に煽り、彼らをB層や「草の根ファシスト」として政府・財界御用の尖兵に仕立て上げる事すら出来るのです。そうして散々利用した挙句に、お役ゴメンになれば適当な所で切り捨てればそれで良いのですから。
しかし、自民・民主・政府・財界が総がかりになって如何に策を弄した所で、自民党政治と国民生活との間にある根本矛盾は解消されません。それが解消されるのは、真の革新勢力が、自公や民主に取って代わる時しかありません。但し、それを言うは易く行なうは難し、です。真の革新勢力が、自公や民主に取って代わる代案を、民衆に分りやすい形で如何に提示出来るか。全ては其処にかかっています。
今回の大連立は、誰が見ても小沢の愚策です。テロ特措法との関係一つとっても、追い詰められていたのは小沢・民主党ではなく福田・自民党だったのですから。小沢は福田を適当にあしらいながら、悠然と次の衆院選に臨めばそれで良かったのです。また、民主党の方でも、小沢がそんな得体の知れない連立話を持ち帰ってきたとしても、そんなモノは自民党につき返してやれば、それで良かったのです。それでたとえ小沢が民主党を抜けたとしても、です。
民主党が参院選で大勝したのは、あくまで「反自公」を鮮明にしたからであって、小沢はその単なる象徴にしか過ぎません。確かに、小沢が抜ける事によるダメージは、民主党にとっては小さくは無いですが、それでも「反自公」の裏切りによる取り返しのつかない大ダメージと比べたら、充分回復可能なものです。民主党は、かつての社会党が、自社さ連立政権誕生と引き換えに、何故かくも凋落してしまったのかを、改めて考えるべきです。
問題は、何故小沢や民主党がそうしないで、むざむざ敵に塩をくれてやるような愚策に走ったのか、という事です。それは、政財界中枢からの意向を無視できなかったからです。小沢民主党が如何に「反自民」や「反ネオコン・反ネオリベ」を鮮明にした所で、当の民主党自身が「ネオコン・ネオリベ」からの企業献金や政党助成金で支えられているので、それに逆らう事など出来なかったのでしょう。
そういう意味では、今回の大連立劇は、自民党が民主党の足元を見て、「ピンチをひとまずチャンスに変える事が出来た」という事が出来るかもしれません。しかし、そのチャンスも、所詮は「ピンチの上に咲いた徒花」でしかありません。
自民党政治と国民生活との間にある根本矛盾が解消されない以上、衆院与党議席の「虚構の多数」に見られるような、政界と民意との間の乖離・ねじれ現象も解消されません。テロ特措法・給油新法や、消費税17%、後期高齢者医療制度、ホワイトカラー・エグゼンプションなどの悪法導入メニューが目白押しの状況の中では(その総仕上げが憲法改悪)、今後もそれらがピンチとなって大連立志向勢力の上に襲い掛かってくるでしょう。そんな中にあって、今回の大連立劇を通して、福田・小沢・自民・民主の本質が、予想以上に早くはっきりした形で曝け出されてしまいました。これは、我々国民にとっては、ピンチではなく寧ろチャンスであると言えます。
勿論、そのチャンスの上に徒に胡坐をかいているだけでは、チャンスはピンチに転じてしまいます。今回の大連立劇が立ち消えになった後は、自民党は一転して民主党を貶めにかかるでしょう。勿論、この10年間に渡る小選挙区制・保守二大政党論の浸透と、北朝鮮問題などの影響などによって、民主党を離れた票がそう簡単には革新野党に行かない事も、政府・与党・財界は当然織り込み済です。
政府・与党・財界にとって一番良いのは、有権者の意識が「自民も民主もどっちもどっち」のレベルに止まったまま、それが政治革新の方向には向かずに、「所詮何をしても無駄」とか「下見て暮らせ傘の下」という方向に向かい、膨大な棄権層となって滞留しまう事です。ひょっとしたら、それこそが今回の連立劇の「本当の狙い」なのではないでしょうか。そう仕向けてさえおけば、自分達はいくらでも悪政のしたい放題が出来ますから。
それどころか、必要に応じて、これらの棄権層の「下見て暮らせ傘の下」的な意識を世論操作で適度に煽り、彼らをB層や「草の根ファシスト」として政府・財界御用の尖兵に仕立て上げる事すら出来るのです。そうして散々利用した挙句に、お役ゴメンになれば適当な所で切り捨てればそれで良いのですから。
しかし、自民・民主・政府・財界が総がかりになって如何に策を弄した所で、自民党政治と国民生活との間にある根本矛盾は解消されません。それが解消されるのは、真の革新勢力が、自公や民主に取って代わる時しかありません。但し、それを言うは易く行なうは難し、です。真の革新勢力が、自公や民主に取って代わる代案を、民衆に分りやすい形で如何に提示出来るか。全ては其処にかかっています。
パキスタンの非常事態宣言と日本のテロ特措法・お笑い大連立。一見何の関係もなさそうに見えるそれぞれのニュースですが、私は大いに関係があると見ています。
まずパキスタンの方から。この国は、アフガニスタンやイランとも国境を接し、近年の「テロ戦争」においても最前線国家として機能してきました。非同盟のイスラム国家でありながら、東隣の大国インド(こちらも非同盟の盟主だが、かつて長い間旧ソ連とは友好関係にあった)に対抗する為に、歴史的には親米・親中国路線を踏襲してきた国です。国内では封建領主層や軍部が政治の実権を握り、特に軍部は今までも何かと政治に関与してきました。しかし、国民の間には反米・親イスラムの風潮も根強く、それが時として強い反政府感情となって現われる―かいつまんで言えば、そういうお国柄です。
現在のムシャラフ政権も、ご多分にもれず1999年に無血クーデターで誕生した政権です。この前の10月に行なわれた大統領選挙でも、ムシャラフ氏が最多得票を獲得したのですが、同国の最高裁からは「陸軍参謀総長の肩書きのまま大統領選挙に出馬したのは憲法違反」とのクレームが付けられていて、「このままでは再選が危うい」という事で、政権側が先手を打って事実上の体制内クーデターを起こして憲法を停止した、というのが、この間の経過です。
私は、このムシャラフのクーデターの裏には、米国の意向があると睨んでいます。先述した様に、米国にとってパキスタンはアフガン戦争の最前線基地です。そして、アフガニスタンとの国境地帯に広がるトライバルエリアを根城とするタリバンを完全掃蕩する為にも、この政権は米国にとっては無くてはならないものです。だから、欧州諸国と歩調を合わせてムシャラフのクーデターを非難しているのはあくまで表向きであって、実際は何が何でもムシャラフを守ろうとしているのです。
翻って、日本のお笑い大連立。私は、揶揄するつもりで敢えて「お笑い」と表現していますが、腹の中では怒りを抑えているのです。だってそうでしょう。小沢や民主党が実際は自民党と同じ穴のムジナである事も全て承知の上で、現実問題として、小選挙区制下で確実に自民党政権を倒すには、まずは野党第一党に票を集中するしかないから、小沢の「反自民」ポーズにも乗ったのです。だから、共産・社民・国民新の野党各党も、参院での首班指名選挙の決選投票では敢えて小沢に投票したのでしょう。
その、生活苦にあえぐ民衆の「反自民」の意志を、単に自分個人のカムバックに利用する為に散々弄んだ挙句に、自民党からちょっと頭の前に人参ぶら下げられただけで、簡単に心変わりして。小沢が腹黒いのは元より承知の上、それを「反自民」の執念に昇華してくれる事をこちらは期待していたのに、まさかここまで「根性無し」だとは思わなかった。しかも、その後も醜態を演じ続けた挙句に、「結局元の鞘に納まっただけ」とは。国民をバカにするにも程がある。
党首のくせに平気で自党を「未熟児」呼ばわりした挙句に、前のボンボン首相と全く同じ醜態を晒した無責任な党首も党首なら、そんな無責任党首にそこまでコケにされてもまだ「下駄の雪」宜しく未練たらしくすがり付く「独活の大木」政党も政党です。もう呆れてモノが言えません。
問題は、何故そこまでして小沢がお笑い大連立にすがりつくのか、という事です。これは小沢・民主だけが問題なのではありません。福田・自民にしても状況は同じです。参院選に惨敗して衆院解散も何時あるか分らない中で、政権維持に自信が持てないからこそ、自民党の方でも民主党との大連立を模索していたのでしょう。はっきり言って、自民党も民主党も、米国が怖いのです。だから、国民全体を敵に回しても「テロ特措法延長」や「給油新法」にしがみついているのです。
何の事は無い、パキスタンのムシャラフと全く同じじゃん。大連立の画策という手法まで含めて。あちらでも、クーデター以前には、一蓮托生仲間を少しでも増やそうと、かつての政敵ブットを、連立をエサに海外亡命先から呼び寄せる様な真似までしていました。
これは、裏を返せばこういう事でしょう。「テロ特措法」や「給油新法」の為には何でもする。その為の日米戦争国家作りや、消費税17%、後期高齢者医療制度、ホワイトカラー・エグゼンプションなどに代表されるような銃後の生活で、たとえ国民が死に絶えようが、国民全体を敵に回そうが、そんな事なども一切お構い無しに。なるほど、これもムシャラフと全く同じだ。
私は嫌ですね、こんな奴らと無理心中させられるのは。タリバン・アルカイダのテロも、米国・海兵隊のテロ・侵略・強姦殺人・基地被害も、両方ともゴメン蒙ります。これ以上の生活苦もゴメンです。パキスタン人民とも連帯して、ともに厄介者を追っ払ってしまいましょう。
(参考記事)
・パキスタンで弁護士350人拘束(TBS)
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3700596.html
・パキスタン 強権やめ法治の回復を(東京新聞・社説)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2007110602062185.html
・パキスタン:米国は深刻なジレンマに直面 非常事態宣言(毎日新聞)
http://mainichi.jp/select/world/europe/news/20071105k0000m030012000c.html
・対パキスタン援助見直し、対テロ援助は除外…米国防長官(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20071105id25.htm
・パキスタン援助継続か 対テロ戦を重視 米紙報道(産経新聞)
http://sankei.jp.msn.com/world/america/071105/amr0711051904008-n1.htm
・パキスタンの政局とテロとの戦い(知られざるアジアNOW)
http://asahi-newstar.com/program/asia/cast/070816-004042.html
・Lahore Diary
パキスタン・ラホール在住邦人のブログ。現地の政治情勢についても掲載。
http://koidelahor.exblog.jp/
・最近のパキスタン情勢と日・パキスタン関係(外務省)
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/pakistan/kankei.html
まずパキスタンの方から。この国は、アフガニスタンやイランとも国境を接し、近年の「テロ戦争」においても最前線国家として機能してきました。非同盟のイスラム国家でありながら、東隣の大国インド(こちらも非同盟の盟主だが、かつて長い間旧ソ連とは友好関係にあった)に対抗する為に、歴史的には親米・親中国路線を踏襲してきた国です。国内では封建領主層や軍部が政治の実権を握り、特に軍部は今までも何かと政治に関与してきました。しかし、国民の間には反米・親イスラムの風潮も根強く、それが時として強い反政府感情となって現われる―かいつまんで言えば、そういうお国柄です。
現在のムシャラフ政権も、ご多分にもれず1999年に無血クーデターで誕生した政権です。この前の10月に行なわれた大統領選挙でも、ムシャラフ氏が最多得票を獲得したのですが、同国の最高裁からは「陸軍参謀総長の肩書きのまま大統領選挙に出馬したのは憲法違反」とのクレームが付けられていて、「このままでは再選が危うい」という事で、政権側が先手を打って事実上の体制内クーデターを起こして憲法を停止した、というのが、この間の経過です。
私は、このムシャラフのクーデターの裏には、米国の意向があると睨んでいます。先述した様に、米国にとってパキスタンはアフガン戦争の最前線基地です。そして、アフガニスタンとの国境地帯に広がるトライバルエリアを根城とするタリバンを完全掃蕩する為にも、この政権は米国にとっては無くてはならないものです。だから、欧州諸国と歩調を合わせてムシャラフのクーデターを非難しているのはあくまで表向きであって、実際は何が何でもムシャラフを守ろうとしているのです。
翻って、日本のお笑い大連立。私は、揶揄するつもりで敢えて「お笑い」と表現していますが、腹の中では怒りを抑えているのです。だってそうでしょう。小沢や民主党が実際は自民党と同じ穴のムジナである事も全て承知の上で、現実問題として、小選挙区制下で確実に自民党政権を倒すには、まずは野党第一党に票を集中するしかないから、小沢の「反自民」ポーズにも乗ったのです。だから、共産・社民・国民新の野党各党も、参院での首班指名選挙の決選投票では敢えて小沢に投票したのでしょう。
その、生活苦にあえぐ民衆の「反自民」の意志を、単に自分個人のカムバックに利用する為に散々弄んだ挙句に、自民党からちょっと頭の前に人参ぶら下げられただけで、簡単に心変わりして。小沢が腹黒いのは元より承知の上、それを「反自民」の執念に昇華してくれる事をこちらは期待していたのに、まさかここまで「根性無し」だとは思わなかった。しかも、その後も醜態を演じ続けた挙句に、「結局元の鞘に納まっただけ」とは。国民をバカにするにも程がある。
党首のくせに平気で自党を「未熟児」呼ばわりした挙句に、前のボンボン首相と全く同じ醜態を晒した無責任な党首も党首なら、そんな無責任党首にそこまでコケにされてもまだ「下駄の雪」宜しく未練たらしくすがり付く「独活の大木」政党も政党です。もう呆れてモノが言えません。
問題は、何故そこまでして小沢がお笑い大連立にすがりつくのか、という事です。これは小沢・民主だけが問題なのではありません。福田・自民にしても状況は同じです。参院選に惨敗して衆院解散も何時あるか分らない中で、政権維持に自信が持てないからこそ、自民党の方でも民主党との大連立を模索していたのでしょう。はっきり言って、自民党も民主党も、米国が怖いのです。だから、国民全体を敵に回しても「テロ特措法延長」や「給油新法」にしがみついているのです。
何の事は無い、パキスタンのムシャラフと全く同じじゃん。大連立の画策という手法まで含めて。あちらでも、クーデター以前には、一蓮托生仲間を少しでも増やそうと、かつての政敵ブットを、連立をエサに海外亡命先から呼び寄せる様な真似までしていました。
これは、裏を返せばこういう事でしょう。「テロ特措法」や「給油新法」の為には何でもする。その為の日米戦争国家作りや、消費税17%、後期高齢者医療制度、ホワイトカラー・エグゼンプションなどに代表されるような銃後の生活で、たとえ国民が死に絶えようが、国民全体を敵に回そうが、そんな事なども一切お構い無しに。なるほど、これもムシャラフと全く同じだ。
私は嫌ですね、こんな奴らと無理心中させられるのは。タリバン・アルカイダのテロも、米国・海兵隊のテロ・侵略・強姦殺人・基地被害も、両方ともゴメン蒙ります。これ以上の生活苦もゴメンです。パキスタン人民とも連帯して、ともに厄介者を追っ払ってしまいましょう。
(参考記事)
・パキスタンで弁護士350人拘束(TBS)
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3700596.html
・パキスタン 強権やめ法治の回復を(東京新聞・社説)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2007110602062185.html
・パキスタン:米国は深刻なジレンマに直面 非常事態宣言(毎日新聞)
http://mainichi.jp/select/world/europe/news/20071105k0000m030012000c.html
・対パキスタン援助見直し、対テロ援助は除外…米国防長官(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20071105id25.htm
・パキスタン援助継続か 対テロ戦を重視 米紙報道(産経新聞)
http://sankei.jp.msn.com/world/america/071105/amr0711051904008-n1.htm
・パキスタンの政局とテロとの戦い(知られざるアジアNOW)
http://asahi-newstar.com/program/asia/cast/070816-004042.html
・Lahore Diary
パキスタン・ラホール在住邦人のブログ。現地の政治情勢についても掲載。
http://koidelahor.exblog.jp/
・最近のパキスタン情勢と日・パキスタン関係(外務省)
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/pakistan/kankei.html
11月4日(日)に大阪市内の扇町公園で開かれていた「戦争と貧困にNO!変えよう社会を!11.4団結まつり」に、当日の午後から行ってきました。前号記事「お笑い大連立」で紹介したパギやんの替え歌の存在も、実はこの会場でパギやんが歌っていたのを聴いて、初めて知ったのです。
この催しを知ったのは、多分インターネットか何かだったと思います。ひょっとしたら、以前参加した雨宮処凛の講演会で配られていたチラシに載っていたのを見て、だったかも。その辺の所は、今はもうよく覚えていません。
この催しは、JR不採用の旧国鉄労働者1047名の職場復帰を支援する国鉄闘争共闘会議の人たちが中心になって、そこに、第三世界の難民問題や環境問題に取り組むNGOや、反貧困ネットワークの人たちが集まって、講演・コンサート・物産展として取り組まれたものです。
月桃の花歌舞団、イラク平和テレビ、ジュゴンの家、無防備都市宣言運動から、ビルマ民主化支援ネットワーク、インドネシアのコトパンジャン・ダム開発に反対するグループ、管理職ユニオン、釜ヶ崎パトロールの会と、それなりに錚々たるメンバーで構成されていました。
雨宮処凛の講演会の時にも登場した全交(平和と民主主義をめざす全国交歓会:民学同系?)や新社会党・全労協が居る一方で、どちらかというと共産党にも近い反貧困ネットワークや生活保護問題対策会議の人たちも居て、雰囲気としてはレイバーネットの様なノリの、そういう催しでした。NPO「もやい」の湯浅誠さんも会場でフリートークをされていました。
80年代の中曽根臨調行革・国鉄分割民営化が、その後の90年代以降の、新自由主義グローバリズムに基づく郵政民営化・「大きな軍事、小さな福祉の政府=小さな政府」・労働ビッグバンとなって、更に凶悪化して我々に襲い掛かろうとしてきている事や、それと同時に、その欺瞞が誰の目にも明らかになり、ワーキングプアの闘いが広がり、それに伴って、広範な草の根国際統一戦線が次第に下から形成されつつある様が、ここにもよく現われています。
ただ如何せん、手作りの催しで宣伝手段もクチコミが主体だったせいか(ポスターやビラも手作りだった)、「扇町グラウンドの一角で何かやっているな」というレベルに止まっていたのが、少し残念です。沖縄の11万人集会(=あの規模は断じて1万人や4万人というレベルでは無い!)とかまでは行かなくとも、せめてもう少しグラウンドを埋め尽くすぐらいでないと。
会場でもこれはというシーンをいくつか写真に収めたのですが、如何せん、このgooブログでは、一記事に付き一枚しか写真がアップ出来ません。ここではとりあえず、会場に掲げられていた立て看板やパネルの内容を収めた写真の中から、下記のものが判読可能で、今後も何かと使えそうな内容なので、これをテキストアップしておくだけに止めておきます。
■世界各国の最低賃金(時給換算):反貧困ネットワークのブースで収録
日本はたったの673円(注:全国平均値。その後若干値上げされて、現況は下記URLの如く)
http://www2.mhlw.go.jp/topics/seido/kijunkyoku/minimum/minimum-02.htm
それに対して、フランス1348円、オランダ1310円、ニューヨーク1272円、サンフランシスコ1058円、イギリス1010円、ベルギー1250円。「経済力は世界二位でも賃金・労働条件は開発途上国並み」なのが、この一事で以ってしても、非常によく分ります。ウチの職場の「最低賃金千円なんて野党の人気取りだ」と嘯いていた、「何でも上の言いなり、下見て暮らせ傘の下」の「B層バカウヨ親父」は、これを突きつけられても、まだ相変わらず「政府・財界のイヌ」でいるのだろうか。
この催しを知ったのは、多分インターネットか何かだったと思います。ひょっとしたら、以前参加した雨宮処凛の講演会で配られていたチラシに載っていたのを見て、だったかも。その辺の所は、今はもうよく覚えていません。
この催しは、JR不採用の旧国鉄労働者1047名の職場復帰を支援する国鉄闘争共闘会議の人たちが中心になって、そこに、第三世界の難民問題や環境問題に取り組むNGOや、反貧困ネットワークの人たちが集まって、講演・コンサート・物産展として取り組まれたものです。
月桃の花歌舞団、イラク平和テレビ、ジュゴンの家、無防備都市宣言運動から、ビルマ民主化支援ネットワーク、インドネシアのコトパンジャン・ダム開発に反対するグループ、管理職ユニオン、釜ヶ崎パトロールの会と、それなりに錚々たるメンバーで構成されていました。
雨宮処凛の講演会の時にも登場した全交(平和と民主主義をめざす全国交歓会:民学同系?)や新社会党・全労協が居る一方で、どちらかというと共産党にも近い反貧困ネットワークや生活保護問題対策会議の人たちも居て、雰囲気としてはレイバーネットの様なノリの、そういう催しでした。NPO「もやい」の湯浅誠さんも会場でフリートークをされていました。
80年代の中曽根臨調行革・国鉄分割民営化が、その後の90年代以降の、新自由主義グローバリズムに基づく郵政民営化・「大きな軍事、小さな福祉の政府=小さな政府」・労働ビッグバンとなって、更に凶悪化して我々に襲い掛かろうとしてきている事や、それと同時に、その欺瞞が誰の目にも明らかになり、ワーキングプアの闘いが広がり、それに伴って、広範な草の根国際統一戦線が次第に下から形成されつつある様が、ここにもよく現われています。
ただ如何せん、手作りの催しで宣伝手段もクチコミが主体だったせいか(ポスターやビラも手作りだった)、「扇町グラウンドの一角で何かやっているな」というレベルに止まっていたのが、少し残念です。沖縄の11万人集会(=あの規模は断じて1万人や4万人というレベルでは無い!)とかまでは行かなくとも、せめてもう少しグラウンドを埋め尽くすぐらいでないと。
会場でもこれはというシーンをいくつか写真に収めたのですが、如何せん、このgooブログでは、一記事に付き一枚しか写真がアップ出来ません。ここではとりあえず、会場に掲げられていた立て看板やパネルの内容を収めた写真の中から、下記のものが判読可能で、今後も何かと使えそうな内容なので、これをテキストアップしておくだけに止めておきます。
■世界各国の最低賃金(時給換算):反貧困ネットワークのブースで収録
日本はたったの673円(注:全国平均値。その後若干値上げされて、現況は下記URLの如く)
http://www2.mhlw.go.jp/topics/seido/kijunkyoku/minimum/minimum-02.htm
それに対して、フランス1348円、オランダ1310円、ニューヨーク1272円、サンフランシスコ1058円、イギリス1010円、ベルギー1250円。「経済力は世界二位でも賃金・労働条件は開発途上国並み」なのが、この一事で以ってしても、非常によく分ります。ウチの職場の「最低賃金千円なんて野党の人気取りだ」と嘯いていた、「何でも上の言いなり、下見て暮らせ傘の下」の「B層バカウヨ親父」は、これを突きつけられても、まだ相変わらず「政府・財界のイヌ」でいるのだろうか。
KY(空気が読めない)は別に安倍だけの専売特許では無かったようです。言わずと知れた、福田自民党と小沢民主党の大連立の話です。一度政権・大臣病にかかってしまうと、沈み行く泥舟も黄金郷にしか見えなくなる様で。小沢もまた、細川のバカ殿や村山トンちゃんと同じ道を辿るのでしょうか。
お笑い大連立【その1】 脳内メーカー
何でも、「脳内メーカー」という、任意で人の名前を入力すると「その人が今何を考えているのか」を診断してくれるサイトが在るのだそうです。それではという事で、他党の存在を無視し国会審議の日程も捻じ曲げて、自分達だけで談合しようとしたこの二人の頭の中を、遊び半分に探ってみたら、結構面白い結果が出ましたw。
■福田康夫の脳内イメージ「寂・H・食」:
「寂しくて、いじましくて、スケベ根性丸出しで」?
http://usokodaigaku.com/?a=Maker&oo=%CA%A1%C5%C4%B9%AF%C9%D7
■小沢一郎の脳内イメージ「悪・遊・秘・愛」:
「その寂しさを手玉にとって、秘密の悪巧み」?
http://usokodaigaku.com/?a=Maker&oo=%BE%AE%C2%F4%B0%EC%CF%BA(記事写真参照)
お笑い大連立【その2】 パギやん(趙博)の替え歌
パギやん(趙博)のHPより
■「ふくだ・ふくだ」~「サクラ・サクラ」の童謡の替え歌
♪福田ぁ福田ぁ
永田町の空は見渡す限り
汚職がチャイチャンガ
匂いぞ出ずる
小沢ぁ小沢ぁ立ち行かん
福田ぁ福田ぁ
どこから見てもレレレのおじさん(総理大臣)
タナボタ政権(レレレのレ)いつまで続く
小沢ぁ小沢ぁ何悪い
http://www.fanto.org/top/img/FukudaFukuda.mp3
■「どうにも止まらない・小沢編」~山本リンダの歌謡曲の替え歌
♪オザワを信じちゃいけないよ
おいらの心はワルなのさ
いつでも総理になる夢を見て
生きているのが好きなのさ
今夜は真っ赤な嘘をつき
民主の代表きどろうか
それとも自民に舞い戻り
分厚い札束投げようか…
あぁ野党になる あぁ与党になる
政治博打は国民次第なの
あぁ今度だけ 今度の参院選挙だけ
もぉ どうにもとまらない--
http://www.fanto.org/top/img/DounimoTomaranai.mp3
お笑い大連立【その3】 小沢の辞任表明
この記事を書いている間にも、またまた大波乱があった様で。例の小沢代表の民主党党首辞任表明ですが、何の事は無い、以前に散々安倍の事を腐しておきながら、今度は自分が同じ立場に置かれてしまっただけじゃないか。
所詮は民主党も自民党と同じ保守政党で、穴のムジナ。そんな事は元より百も承知の上で、小選挙区制の下では、野党第一党の民主党をけしかけ、その力も利用しながら、大衆運動で革新・民主勢力の基盤を再建していくしか方法が無い。だから私は、本来の支持政党(共産党)とは別に次善の策として、小沢民主党を推していたに過ぎませんでした。
しかし、ここまで小沢がバカだとは、思いもよりませんでした。「参院での与党過半数割れ」と「テロ特措法」で追い詰められていたのは、あくまで福田自民党の方であり、小沢民主党では無かったのに。それを事もあろうに、すがり付いてきた福田に自分も乗っかって(噂によれば、中曽根やナベツネにけしかけられて、寧ろ小沢の方から進んで福田に擦り寄って行ったとか)、むざむざ「泥舟に一蓮托生」の道を選んで。そんなに米国からの圧力が怖いのかよ。
今後は、やがて民主党も、自民党と同類と看做されるようになっていくでしょう。新進党や村山社会党と同じ道を歩むのか。民主党がどうなろうが、そんな事は知ったこっちゃ無いですが、「反自民に投票した国民の意思は一体どうなるのか」、それだけが気がかりです。
共産・社民がそれに変る受け皿としてもっと成長してくれるのか。「自民も民主も同じ、所詮誰が政治家になっても一緒」というレベルに止まって自民党政治の延命で終わるのか。或いは、第二保守でも既成左翼でもない、全く新しいタイプの左派連合が誕生するのか。
今のままでは、その無責任さにおいては、安倍と全く変らない。挙句の果てに、小選挙区制の見直し論議まで出てくる始末で。元々私は小選挙区制反対・比例代表制賛成の立場ですが、今回の選挙制度見直し劇は余りにも党利党略が先行なので、簡単に「はいそうですか」という気にはなれない。
自民・民主の保守二大政党による”政権たらい回し”の為に小選挙区制を導入しておきながら、予想以上の「自民大敗・民主への支持集中」という事態を目の当たりにして、「このままでは”政権たらい回し”より前に、自民党自体が無くなってしまう」との自党本位の都合だけで、選挙制度をコロコロ変えられたのでは堪らない。中選挙区制でも別に良いけれど(というか結果的には寧ろ歓迎)、制度変更に対する納得のいく説明が無ければ、到底お話にならない。
自民党と一緒になって、海外派兵・憲法改悪、後期高齢者医療制度やホワイトカラー・エグゼンプションの導入、消費税17%への増税などの悪政を推進する様な「野党第一党」など、野党としての存在価値は全く無い。そんな「ニセ野党」など、トットと自民党に合流してしまった方が、「敵」がはっきりして、こちらもやり易い。
・大連立協議の裏に「ナベツネ」 混乱に拍車(産経イザ)
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/96792/
・辞任表明の小沢氏 異例のマスコミ批判(産経新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071104-00000942-san-pol
・首相、衆院の中選挙区制示唆(同上)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071102-00000953-san-pol
お笑い大連立【その1】 脳内メーカー
何でも、「脳内メーカー」という、任意で人の名前を入力すると「その人が今何を考えているのか」を診断してくれるサイトが在るのだそうです。それではという事で、他党の存在を無視し国会審議の日程も捻じ曲げて、自分達だけで談合しようとしたこの二人の頭の中を、遊び半分に探ってみたら、結構面白い結果が出ましたw。
■福田康夫の脳内イメージ「寂・H・食」:
「寂しくて、いじましくて、スケベ根性丸出しで」?
http://usokodaigaku.com/?a=Maker&oo=%CA%A1%C5%C4%B9%AF%C9%D7
■小沢一郎の脳内イメージ「悪・遊・秘・愛」:
「その寂しさを手玉にとって、秘密の悪巧み」?
http://usokodaigaku.com/?a=Maker&oo=%BE%AE%C2%F4%B0%EC%CF%BA(記事写真参照)
お笑い大連立【その2】 パギやん(趙博)の替え歌
パギやん(趙博)のHPより
■「ふくだ・ふくだ」~「サクラ・サクラ」の童謡の替え歌
♪福田ぁ福田ぁ
永田町の空は見渡す限り
汚職がチャイチャンガ
匂いぞ出ずる
小沢ぁ小沢ぁ立ち行かん
福田ぁ福田ぁ
どこから見てもレレレのおじさん(総理大臣)
タナボタ政権(レレレのレ)いつまで続く
小沢ぁ小沢ぁ何悪い
http://www.fanto.org/top/img/FukudaFukuda.mp3
■「どうにも止まらない・小沢編」~山本リンダの歌謡曲の替え歌
♪オザワを信じちゃいけないよ
おいらの心はワルなのさ
いつでも総理になる夢を見て
生きているのが好きなのさ
今夜は真っ赤な嘘をつき
民主の代表きどろうか
それとも自民に舞い戻り
分厚い札束投げようか…
あぁ野党になる あぁ与党になる
政治博打は国民次第なの
あぁ今度だけ 今度の参院選挙だけ
もぉ どうにもとまらない--
http://www.fanto.org/top/img/DounimoTomaranai.mp3
お笑い大連立【その3】 小沢の辞任表明
この記事を書いている間にも、またまた大波乱があった様で。例の小沢代表の民主党党首辞任表明ですが、何の事は無い、以前に散々安倍の事を腐しておきながら、今度は自分が同じ立場に置かれてしまっただけじゃないか。
所詮は民主党も自民党と同じ保守政党で、穴のムジナ。そんな事は元より百も承知の上で、小選挙区制の下では、野党第一党の民主党をけしかけ、その力も利用しながら、大衆運動で革新・民主勢力の基盤を再建していくしか方法が無い。だから私は、本来の支持政党(共産党)とは別に次善の策として、小沢民主党を推していたに過ぎませんでした。
しかし、ここまで小沢がバカだとは、思いもよりませんでした。「参院での与党過半数割れ」と「テロ特措法」で追い詰められていたのは、あくまで福田自民党の方であり、小沢民主党では無かったのに。それを事もあろうに、すがり付いてきた福田に自分も乗っかって(噂によれば、中曽根やナベツネにけしかけられて、寧ろ小沢の方から進んで福田に擦り寄って行ったとか)、むざむざ「泥舟に一蓮托生」の道を選んで。そんなに米国からの圧力が怖いのかよ。
今後は、やがて民主党も、自民党と同類と看做されるようになっていくでしょう。新進党や村山社会党と同じ道を歩むのか。民主党がどうなろうが、そんな事は知ったこっちゃ無いですが、「反自民に投票した国民の意思は一体どうなるのか」、それだけが気がかりです。
共産・社民がそれに変る受け皿としてもっと成長してくれるのか。「自民も民主も同じ、所詮誰が政治家になっても一緒」というレベルに止まって自民党政治の延命で終わるのか。或いは、第二保守でも既成左翼でもない、全く新しいタイプの左派連合が誕生するのか。
今のままでは、その無責任さにおいては、安倍と全く変らない。挙句の果てに、小選挙区制の見直し論議まで出てくる始末で。元々私は小選挙区制反対・比例代表制賛成の立場ですが、今回の選挙制度見直し劇は余りにも党利党略が先行なので、簡単に「はいそうですか」という気にはなれない。
自民・民主の保守二大政党による”政権たらい回し”の為に小選挙区制を導入しておきながら、予想以上の「自民大敗・民主への支持集中」という事態を目の当たりにして、「このままでは”政権たらい回し”より前に、自民党自体が無くなってしまう」との自党本位の都合だけで、選挙制度をコロコロ変えられたのでは堪らない。中選挙区制でも別に良いけれど(というか結果的には寧ろ歓迎)、制度変更に対する納得のいく説明が無ければ、到底お話にならない。
自民党と一緒になって、海外派兵・憲法改悪、後期高齢者医療制度やホワイトカラー・エグゼンプションの導入、消費税17%への増税などの悪政を推進する様な「野党第一党」など、野党としての存在価値は全く無い。そんな「ニセ野党」など、トットと自民党に合流してしまった方が、「敵」がはっきりして、こちらもやり易い。
・大連立協議の裏に「ナベツネ」 混乱に拍車(産経イザ)
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/96792/
・辞任表明の小沢氏 異例のマスコミ批判(産経新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071104-00000942-san-pol
・首相、衆院の中選挙区制示唆(同上)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071102-00000953-san-pol
戦争でテロは無くせない。「テロ戦争」の先にあるのは、際限の無い「テロの連鎖」であり、その連鎖の犠牲にされた第三世界の名も無き庶民からの、憎しみに満ちた眼差しである。そして国内的には、人権蹂躙・弱者切捨て・人間使い捨ての戦争・格差社会であり、軍需利権に群がる戦争成金だけが甘い汁を吸う世の中である。そんな簡単な事も分らずに、政府・財界が煽る排外ナショナリズムや、「下見て暮らせ傘の下」・日頃の鬱憤晴らし・「希望は戦争」の風潮に、いとも簡単に乗せられて、すっかり化けの皮が剥れたアフガン・イラク戦争に、わざわざ加担するのを良しとする輩が未だに少なくないので、前号記事「「テロ戦争」という名のマッチポンプ」でも引用したペシャワール会・中村哲医師の文章全文を、ここに改めて掲載しておきます。
■■以下転載■■
「テロ特措法」はアフガン農民の視点で考えてほしい~「殺しながら助ける」支援というものがあり得るのか~
ペシャワール会現地代表・PMS(ペシャワール会医療サービス)総院長 中村哲
参議院選挙の直後からテロ特措法の延長問題が社会的関心を集めている。この法案成立(2001年10月)に際しては、特別な思いがある。当時私は国会の証人喚問でアフガニスタンの実情を報告し、「自衛隊の派遣は有害無益である」と述べた。法案は9・11事件による対米同情論が支配的な中で成立、その後3回に亘り延長された。しかし特措法の契機となった「アフガン報復爆撃」そのものについても、それを日本政府やメディアが支持したことの是非についても、現地民衆の視点で論じられることはなかった。
現地は今、過去最悪の状態にある。治安だけではない。2千万人の国民の半分以上が食を満たせずにいる。そもそもアフガン人の8割以上が農民だが、2000年夏から始まった旱魃により、農地の沙漠化が止まらずにいるからだ。
私たちペシャワール会は本来医療団体で、20年以上に亘って病院を運営してきたが、「農村の復興こそ、アフガン再建の基礎」と認識し、今年8月までに井戸1500本を掘り、農業用水路は第一期13㎞を竣工、既に千数百町歩を潤しさらに数千町歩の灌漑が目前に迫っている。総工費は9億円、延べ38万人の雇用対策にもなった。そうすると、2万トンの小麦、同量のコメやトウモロコシの生産が保障される。それを耳にした多くの旱魃避難民が村に戻ってきている。
だが、これは例外的だ。2000年以前94%あった穀物自給率は60%を割っている。世界の93%を占めるケシ生産の復活、300万の難民、治安悪化、タリバーン勢力の復活拡大-------。実は、その背景には戦乱と旱魃で疲弊した農村の現実がある。農地なき農民は、難民になるか軍閥や米軍の傭兵になるしか道がないのである。
この現実を無視するように、米英軍の軍事行動は拡大の一途をたどり、誤爆によって連日無辜の民が、生命を落としている。被害民衆の反米感情の高まりに呼応するように、タリバン勢力の面の実効支配が進む。東京の復興支援会議で決められた復興資金45億ドルに対し消費された戦費は300億ドル。これが「対テロ戦争」の実相である。
テロ特措法延長問題を議論する前に、今なお続く米国主導のアフガン空爆そしてアフガン復興の意味を、今一度熟考する必要があるのではないか。日本政府は、アフガンに1000億円以上の復興支援を行っている。と同時にテロ特措法によって「反テロ戦争」という名の戦争支援をも強力に行っているのである。
「殺しながら助ける」支援というものがあり得るのか。干渉せず、生命を尊ぶ協力こそが、対立を和らげ、武力以上の現実的な「安全保障」になることがある。これまで現地が親日的であった歴史的根拠の一つは、日本が他国の紛争に軍事介入しなかったことにあった。他人事ではない。特措法延長で米国同盟軍と見なされれば反日感情に火がつき、アフガンで活動をする私たちの安全が脅かされるのは必至である。繰り返すが、「国際社会」や「日米同盟」という虚構ではなく、最大の被害者であるアフガン農民の視点にたって、テロ特措法の是非を考えていただきたい。
(毎日新聞2007年8月31日に一部加筆) (転載終了)
http://www1a.biglobe.ne.jp/peshawar/kaiho/nakamuramainiti.html
■■追記(コメント)■■
上記の様な事を言うと、必ず出てくる反論が「北朝鮮・中国・特亜が日本を狙っている以上、有事法制やテロ特措法は必要だ」云々の言説ですが、それに対しても簡単に応えておきます。
まず最初にはっきりさせておきますが、これらの国が日本に戦争を仕掛けて来る事は、まず在り得ません。今はもう19世紀の帝国主義の時代ではないのです。どんな国であろうとも、あからさまな侵略行為に訴える様な国は、その時点で世界から爪弾きにされます。そして、これだけ経済のグローバル化が進んだ中においては、そんな事態になれば、日本と北朝鮮・中国のどちらもが「元も子も無くなってしまう」だけなのです。
但し、一歩裏に回れば、まだまだ国家間の軋轢も存在し、主権侵犯行為や工作活動が行われているのも事実です。しかし、それらに対しては個別に、領土問題は話し合いで地道に解決を図り、直接の領海侵犯に対しては海上保安庁などが毅然たる行為を取れば、それで済む話です。
そして、中国や北朝鮮の軍拡や人権抑圧などの問題についても、基本はあくまでも「全世界の被抑圧人民解放」の立場から、脱北者・難民支援や民主化運動支援、人民連帯の形で取り組まれるべき問題です。帝国主義・覇権主義による「テロ戦争」や、「日本人vs朝鮮・中国人」の民族・国家対立の扇動で解決出来る問題ではありません。南アフリカのアパルトヘイト、スハルト(インドネシア)・ピノチェト(チリ)軍事独裁政権、ネパール専制王制、旧ソ連・東欧圏の崩壊も、最後の決め手になったのは、あくまでも当該国・地域民衆による民主化運動と国際連帯の力であり、決して戦争に拠るものではありませんでした。
■■以下転載■■
「テロ特措法」はアフガン農民の視点で考えてほしい~「殺しながら助ける」支援というものがあり得るのか~
ペシャワール会現地代表・PMS(ペシャワール会医療サービス)総院長 中村哲
参議院選挙の直後からテロ特措法の延長問題が社会的関心を集めている。この法案成立(2001年10月)に際しては、特別な思いがある。当時私は国会の証人喚問でアフガニスタンの実情を報告し、「自衛隊の派遣は有害無益である」と述べた。法案は9・11事件による対米同情論が支配的な中で成立、その後3回に亘り延長された。しかし特措法の契機となった「アフガン報復爆撃」そのものについても、それを日本政府やメディアが支持したことの是非についても、現地民衆の視点で論じられることはなかった。
現地は今、過去最悪の状態にある。治安だけではない。2千万人の国民の半分以上が食を満たせずにいる。そもそもアフガン人の8割以上が農民だが、2000年夏から始まった旱魃により、農地の沙漠化が止まらずにいるからだ。
私たちペシャワール会は本来医療団体で、20年以上に亘って病院を運営してきたが、「農村の復興こそ、アフガン再建の基礎」と認識し、今年8月までに井戸1500本を掘り、農業用水路は第一期13㎞を竣工、既に千数百町歩を潤しさらに数千町歩の灌漑が目前に迫っている。総工費は9億円、延べ38万人の雇用対策にもなった。そうすると、2万トンの小麦、同量のコメやトウモロコシの生産が保障される。それを耳にした多くの旱魃避難民が村に戻ってきている。
だが、これは例外的だ。2000年以前94%あった穀物自給率は60%を割っている。世界の93%を占めるケシ生産の復活、300万の難民、治安悪化、タリバーン勢力の復活拡大-------。実は、その背景には戦乱と旱魃で疲弊した農村の現実がある。農地なき農民は、難民になるか軍閥や米軍の傭兵になるしか道がないのである。
この現実を無視するように、米英軍の軍事行動は拡大の一途をたどり、誤爆によって連日無辜の民が、生命を落としている。被害民衆の反米感情の高まりに呼応するように、タリバン勢力の面の実効支配が進む。東京の復興支援会議で決められた復興資金45億ドルに対し消費された戦費は300億ドル。これが「対テロ戦争」の実相である。
テロ特措法延長問題を議論する前に、今なお続く米国主導のアフガン空爆そしてアフガン復興の意味を、今一度熟考する必要があるのではないか。日本政府は、アフガンに1000億円以上の復興支援を行っている。と同時にテロ特措法によって「反テロ戦争」という名の戦争支援をも強力に行っているのである。
「殺しながら助ける」支援というものがあり得るのか。干渉せず、生命を尊ぶ協力こそが、対立を和らげ、武力以上の現実的な「安全保障」になることがある。これまで現地が親日的であった歴史的根拠の一つは、日本が他国の紛争に軍事介入しなかったことにあった。他人事ではない。特措法延長で米国同盟軍と見なされれば反日感情に火がつき、アフガンで活動をする私たちの安全が脅かされるのは必至である。繰り返すが、「国際社会」や「日米同盟」という虚構ではなく、最大の被害者であるアフガン農民の視点にたって、テロ特措法の是非を考えていただきたい。
(毎日新聞2007年8月31日に一部加筆) (転載終了)
http://www1a.biglobe.ne.jp/peshawar/kaiho/nakamuramainiti.html
■■追記(コメント)■■
上記の様な事を言うと、必ず出てくる反論が「北朝鮮・中国・特亜が日本を狙っている以上、有事法制やテロ特措法は必要だ」云々の言説ですが、それに対しても簡単に応えておきます。
まず最初にはっきりさせておきますが、これらの国が日本に戦争を仕掛けて来る事は、まず在り得ません。今はもう19世紀の帝国主義の時代ではないのです。どんな国であろうとも、あからさまな侵略行為に訴える様な国は、その時点で世界から爪弾きにされます。そして、これだけ経済のグローバル化が進んだ中においては、そんな事態になれば、日本と北朝鮮・中国のどちらもが「元も子も無くなってしまう」だけなのです。
但し、一歩裏に回れば、まだまだ国家間の軋轢も存在し、主権侵犯行為や工作活動が行われているのも事実です。しかし、それらに対しては個別に、領土問題は話し合いで地道に解決を図り、直接の領海侵犯に対しては海上保安庁などが毅然たる行為を取れば、それで済む話です。
そして、中国や北朝鮮の軍拡や人権抑圧などの問題についても、基本はあくまでも「全世界の被抑圧人民解放」の立場から、脱北者・難民支援や民主化運動支援、人民連帯の形で取り組まれるべき問題です。帝国主義・覇権主義による「テロ戦争」や、「日本人vs朝鮮・中国人」の民族・国家対立の扇動で解決出来る問題ではありません。南アフリカのアパルトヘイト、スハルト(インドネシア)・ピノチェト(チリ)軍事独裁政権、ネパール専制王制、旧ソ連・東欧圏の崩壊も、最後の決め手になったのは、あくまでも当該国・地域民衆による民主化運動と国際連帯の力であり、決して戦争に拠るものではありませんでした。
・テロ特措法:期限切れ、補給艦に撤収命令…インド洋給油(毎日新聞)
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20071102k0000m010112000c.html
日本時間11月1日24時のテロ特措法の期限切れ失効により、海上自衛隊が、それまで6年間に渡ってインド洋上で続けてきた給油活動から撤退しました。この給油活動は、名目こそ「海上でのテロ阻止活動」(MIO)の体裁を取ってはいますが、実際は、米軍のアフガン・イラク戦争を支援する以外の何物でもありませんでした。
日本政府は、給油先が米軍だけではない(一番多いのはパキスタンの艦船)事などを理由に挙げて、この給油作戦が米国追従の戦争協力ではなく国際社会の要請に基づくものであるかの様に言っていますが、何をか況やです。当のパキスタンにしてからが、米国のライス長官から「協力しなければ爆撃するぞ」と脅されて、しぶしぶ参戦しているに過ぎないのですから。
そもそも、アフガン戦争(不朽の自由作戦:OEF)にしてからが、国連安保理決議によるアフガン制裁決議とは全く別個に、米国が手下の国々を引き連れて単独で開始したものです。それらの軍隊は国連軍なんかではなく、単なる米軍傘下の「多国籍軍」にしか過ぎません。
一方の、国連安保理決議に基づいて駐留しているのがNATO(北大西洋条約機構)軍主体のISAF(アフガン国際治安支援部隊)ですが、これも米軍主導の軍事作戦に引きずられて、当初の首都カブールの治安維持を目的としたものから、既に米軍・多国籍軍の単なる下請け部隊に変質してしまっています。米軍・多国籍軍もISAFも、今や共にアフガン人民の怨嗟の的となりつつあります。
テロは「もう一方の側からの戦争テロ」などで無くす事は出来ません。テロを生み出したタリバンやアルカイダによる政治支配の根源である当該地域の貧困・格差・政治的抑圧そのものを解決しない限り、タリバンやアルカイダのテロを無くす事は出来ません。今の様な「テロでテロに対抗する」やり方を続け、戦争犠牲者を増やし続ける限り、アフガン人民をますますタリバン・アルカイダの側に押しやる事にしかなりません。その先にあるのは果てしない「テロの連鎖」だけです。
況してや、アフガン戦争とも直接関係の無いイラク戦争への軍事転用などは論外です。この際、テロ特措法もイラク特措法も廃止して、自衛隊をアフガン・イラクから一刻も早く撤退させて、元々の役割である専守防衛に専念させるべきです。
テロ撲滅に即効薬などはありません。時間をかけてでも、テロを生み出した当該地域の貧困・格差・政治的抑圧の解消に向けて、地雷撤去・DDR(武装解除・民生復帰)・平和定着・民主化プロセス促進・経済再建などの、本筋の人道復興支援に邁進する事こそが、真の国際貢献であり、本当の意味での「テロとの戦い」なのです。これこそが、平和憲法を持つ国にとって最も相応しい形での国際貢献ではないですか。
(参考記事)
・「テロ特措法」はアフガン農民の視点で考えてほしい~「殺しながら助ける」支援というものがあり得るのか~(ペシャワール会・中村哲)
※記事写真はペシャワール会が現地で取り組んでいる水利工事の様子。
http://www1a.biglobe.ne.jp/peshawar/kaiho/nakamuramainiti.html
・「殺しながら助ける」支援というものがあり得るのか(中村 哲さん)(とくらBlog)
http://ttokura.exblog.jp/6714125
・ISAFとアフガニスタン情勢2007(All About)
http://allabout.co.jp/contents/secondlife_tag_c/politicsabc/CU20071018A/index/
・テロ対策措置法(平成十三年九月十一日のアメリカ合衆国において発生したテロリストによる攻撃等に対応して行われる国際連合憲章の目的達成のための諸外国の活動に対して我が国が実施する措置及び関連する国際連合決議等に基づく人道的措置に関する特別措置法)(首相官邸HP)
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/anpo/houan/tero/
・闇サイトとテロ特措法(拙ブログ)
http://blog.goo.ne.jp/afghan_iraq_nk/e/c38a0aa110ce3ed0ff3b122e1e803f45
思えば、2001年9月11日の米国同時多発テロ発生からこの方、アフガン・イラク戦争と拡大の一途を辿った米国主導の「テロ戦争」ですが、これは取りも直さず、拙ブログ「アフガン・イラク・北朝鮮と日本」の歴史とも重なります。2001年の米国911テロとそれに続くアフガン戦争に反対する為に抗議の声を上げたのが、拙ブログの前身となったHP・掲示板が誕生したそもそもの経緯でした。
そして実際にネットに立ち上げた頃に起こったのが、2002年の小泉第一次訪朝をキッカケに顕在化した北朝鮮・拉致問題でした。そして翌年のイラク戦争開戦。今に続く拙ブログのコンセプト「戦争もリストラも人権抑圧もゴメンだ!イラク戦争も金正日もNO!」は、そんな時代風潮の中で誕生しました(詳しくはBOOKMARKの旧サイト・旧掲示板過去ログを参照の事)。
そして今や、拙ブログ前身のHP・掲示板を立ち上げた頃は恰も一世を風靡していた観があった「小泉改革」や「テロとの戦い」も、その後の安倍政権の誕生と退陣を経て、教育基本法改悪や医療・福祉の更なる後退などの重大な犠牲を伴いながらも、ようやくその正体が誰の眼にも明らかになってきました。それがより明確な形で示されたのが、先の参院選での民意です。
この選挙の真の勝利者は決して民主党ではありません。「戦争・格差社会にNO!」の声を突きつけた民意こそが真の勝利者であり、民主党はあくまでその流れに便乗しただけです。民主党が、それを恰も自分たちだけの手柄であるかの様に思い上がり、目先の政権欲に目がくらんで自民党と談合し民意を裏切るような事になれば、この党も早晩、かつての村山社会党と同じ轍を踏む事になるでしょう。
しかし、よりによってこの微妙な時期に、鳩山邦夫は、法務大臣でありながら、何でこんなアホみたいな事を言ったのでしょうかね。「俺の友達の友達はアルカイダ」だとか「俺はペンタゴンに奢られる仲だった」とか。最も贔屓目に見て、「日本はこれほど無防備な国家なのだ」と言いたかったのかなあ、とも思ったりするのですが、仮にそうだとしても、これでは逆効果にしかなりません。
これでは、テロ特措法もイラク特措法も「テロとの戦い」も、「全ては自分達が絵を描いてのマッチポンプなのだ」と言っているようなものでしょう。そう言えば米国のブッシュ政権も、911テロ直後の厳重な警戒態勢をかい潜って、ビンラディン一族をこっそりサウジアラビアに出国させたりしましたが、その真相も依然として闇の中ですね。
(参考記事)
・鳩山法相はアルカイダと繋がりが有る上に米国防総省(ペンタゴン)のスパイだった(アッテンボローの雑記帳)
http://rounin40.cocolog-nifty.com/attenborow/2007/11/post_b13b.html
・鳩山記者会見映像(OhmyNews)でまたびっくり!罷免しないでいいんかいな、こんなヤツ。。。(多文化・多民族・多国籍社会で「人として」)
http://ukiuki.way-nifty.com/hr/2007/10/2007_2.html
・海自の撤収に思うこと(花・髪切と思考の浮游空間)
http://blog.goo.ne.jp/longicorn/e/af516104f5523f474b609267fcadeb95
・突然の福田・小沢会談は、米国対策のためか?+大井JBCのPR(日本がアブナイ!)
http://mewrun7.exblog.jp/6714030
・この時期になぜ「密室会談」なのか?その2(SIMANTO BBS)
http://simanto114.blog116.fc2.com/blog-entry-96.html
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20071102k0000m010112000c.html
日本時間11月1日24時のテロ特措法の期限切れ失効により、海上自衛隊が、それまで6年間に渡ってインド洋上で続けてきた給油活動から撤退しました。この給油活動は、名目こそ「海上でのテロ阻止活動」(MIO)の体裁を取ってはいますが、実際は、米軍のアフガン・イラク戦争を支援する以外の何物でもありませんでした。
日本政府は、給油先が米軍だけではない(一番多いのはパキスタンの艦船)事などを理由に挙げて、この給油作戦が米国追従の戦争協力ではなく国際社会の要請に基づくものであるかの様に言っていますが、何をか況やです。当のパキスタンにしてからが、米国のライス長官から「協力しなければ爆撃するぞ」と脅されて、しぶしぶ参戦しているに過ぎないのですから。
そもそも、アフガン戦争(不朽の自由作戦:OEF)にしてからが、国連安保理決議によるアフガン制裁決議とは全く別個に、米国が手下の国々を引き連れて単独で開始したものです。それらの軍隊は国連軍なんかではなく、単なる米軍傘下の「多国籍軍」にしか過ぎません。
一方の、国連安保理決議に基づいて駐留しているのがNATO(北大西洋条約機構)軍主体のISAF(アフガン国際治安支援部隊)ですが、これも米軍主導の軍事作戦に引きずられて、当初の首都カブールの治安維持を目的としたものから、既に米軍・多国籍軍の単なる下請け部隊に変質してしまっています。米軍・多国籍軍もISAFも、今や共にアフガン人民の怨嗟の的となりつつあります。
テロは「もう一方の側からの戦争テロ」などで無くす事は出来ません。テロを生み出したタリバンやアルカイダによる政治支配の根源である当該地域の貧困・格差・政治的抑圧そのものを解決しない限り、タリバンやアルカイダのテロを無くす事は出来ません。今の様な「テロでテロに対抗する」やり方を続け、戦争犠牲者を増やし続ける限り、アフガン人民をますますタリバン・アルカイダの側に押しやる事にしかなりません。その先にあるのは果てしない「テロの連鎖」だけです。
況してや、アフガン戦争とも直接関係の無いイラク戦争への軍事転用などは論外です。この際、テロ特措法もイラク特措法も廃止して、自衛隊をアフガン・イラクから一刻も早く撤退させて、元々の役割である専守防衛に専念させるべきです。
テロ撲滅に即効薬などはありません。時間をかけてでも、テロを生み出した当該地域の貧困・格差・政治的抑圧の解消に向けて、地雷撤去・DDR(武装解除・民生復帰)・平和定着・民主化プロセス促進・経済再建などの、本筋の人道復興支援に邁進する事こそが、真の国際貢献であり、本当の意味での「テロとの戦い」なのです。これこそが、平和憲法を持つ国にとって最も相応しい形での国際貢献ではないですか。
(参考記事)
・「テロ特措法」はアフガン農民の視点で考えてほしい~「殺しながら助ける」支援というものがあり得るのか~(ペシャワール会・中村哲)
※記事写真はペシャワール会が現地で取り組んでいる水利工事の様子。
http://www1a.biglobe.ne.jp/peshawar/kaiho/nakamuramainiti.html
・「殺しながら助ける」支援というものがあり得るのか(中村 哲さん)(とくらBlog)
http://ttokura.exblog.jp/6714125
・ISAFとアフガニスタン情勢2007(All About)
http://allabout.co.jp/contents/secondlife_tag_c/politicsabc/CU20071018A/index/
・テロ対策措置法(平成十三年九月十一日のアメリカ合衆国において発生したテロリストによる攻撃等に対応して行われる国際連合憲章の目的達成のための諸外国の活動に対して我が国が実施する措置及び関連する国際連合決議等に基づく人道的措置に関する特別措置法)(首相官邸HP)
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/anpo/houan/tero/
・闇サイトとテロ特措法(拙ブログ)
http://blog.goo.ne.jp/afghan_iraq_nk/e/c38a0aa110ce3ed0ff3b122e1e803f45
思えば、2001年9月11日の米国同時多発テロ発生からこの方、アフガン・イラク戦争と拡大の一途を辿った米国主導の「テロ戦争」ですが、これは取りも直さず、拙ブログ「アフガン・イラク・北朝鮮と日本」の歴史とも重なります。2001年の米国911テロとそれに続くアフガン戦争に反対する為に抗議の声を上げたのが、拙ブログの前身となったHP・掲示板が誕生したそもそもの経緯でした。
そして実際にネットに立ち上げた頃に起こったのが、2002年の小泉第一次訪朝をキッカケに顕在化した北朝鮮・拉致問題でした。そして翌年のイラク戦争開戦。今に続く拙ブログのコンセプト「戦争もリストラも人権抑圧もゴメンだ!イラク戦争も金正日もNO!」は、そんな時代風潮の中で誕生しました(詳しくはBOOKMARKの旧サイト・旧掲示板過去ログを参照の事)。
そして今や、拙ブログ前身のHP・掲示板を立ち上げた頃は恰も一世を風靡していた観があった「小泉改革」や「テロとの戦い」も、その後の安倍政権の誕生と退陣を経て、教育基本法改悪や医療・福祉の更なる後退などの重大な犠牲を伴いながらも、ようやくその正体が誰の眼にも明らかになってきました。それがより明確な形で示されたのが、先の参院選での民意です。
この選挙の真の勝利者は決して民主党ではありません。「戦争・格差社会にNO!」の声を突きつけた民意こそが真の勝利者であり、民主党はあくまでその流れに便乗しただけです。民主党が、それを恰も自分たちだけの手柄であるかの様に思い上がり、目先の政権欲に目がくらんで自民党と談合し民意を裏切るような事になれば、この党も早晩、かつての村山社会党と同じ轍を踏む事になるでしょう。
しかし、よりによってこの微妙な時期に、鳩山邦夫は、法務大臣でありながら、何でこんなアホみたいな事を言ったのでしょうかね。「俺の友達の友達はアルカイダ」だとか「俺はペンタゴンに奢られる仲だった」とか。最も贔屓目に見て、「日本はこれほど無防備な国家なのだ」と言いたかったのかなあ、とも思ったりするのですが、仮にそうだとしても、これでは逆効果にしかなりません。
これでは、テロ特措法もイラク特措法も「テロとの戦い」も、「全ては自分達が絵を描いてのマッチポンプなのだ」と言っているようなものでしょう。そう言えば米国のブッシュ政権も、911テロ直後の厳重な警戒態勢をかい潜って、ビンラディン一族をこっそりサウジアラビアに出国させたりしましたが、その真相も依然として闇の中ですね。
(参考記事)
・鳩山法相はアルカイダと繋がりが有る上に米国防総省(ペンタゴン)のスパイだった(アッテンボローの雑記帳)
http://rounin40.cocolog-nifty.com/attenborow/2007/11/post_b13b.html
・鳩山記者会見映像(OhmyNews)でまたびっくり!罷免しないでいいんかいな、こんなヤツ。。。(多文化・多民族・多国籍社会で「人として」)
http://ukiuki.way-nifty.com/hr/2007/10/2007_2.html
・海自の撤収に思うこと(花・髪切と思考の浮游空間)
http://blog.goo.ne.jp/longicorn/e/af516104f5523f474b609267fcadeb95
・突然の福田・小沢会談は、米国対策のためか?+大井JBCのPR(日本がアブナイ!)
http://mewrun7.exblog.jp/6714030
・この時期になぜ「密室会談」なのか?その2(SIMANTO BBS)
http://simanto114.blog116.fc2.com/blog-entry-96.html