脳機能からみた認知症

エイジングライフ研究所が蓄積してきた、脳機能という物差しからアルツハイマー型認知症を理解し、予防する!

パッションフルーツは三角形。

2020年08月05日 | 前頭葉の働き
6月にパッションフルーツ栽培中と報告しましたが、パッションフルーツが色づき始めたと思っていたら 、ふたつも落ちていました。翌日もうひとつ。

全体像はこんな感じです。

さまざまなレベルに色づいてます。

去年寒いころの収穫は皮が「しわしわ」になって発見したものがほとんどでしたが、季節が違うせいか、皮は「つるつる」のままです。

真横にナイフを入れて二つにして、匙ですくって食べるのです。
甘酸っぱい南国の味。南国の味と思ったのは、たぶんその香りからだと思います。

たびたび見てやり、草を抜いて追肥も施しました。「手塩にかける」といえるほどには、世話はしませんでしたが、それでも満足感はひとしお。
食べ終わって、初めて気づきました。
「パッションフルーツの実は丸じゃない。三角だ」
去年食べた時には思ってもみなかったことです。去年は自然交配したものを食べただけ、今年は自分で交配させたというたったちょっとした体験の差が、この気づきを生んだのでしょう。

もう一度、方向を変えて並べてみました。「確かにさんかく!」

ここで、一気にパッションフルーツの花が脳内いっぱいに広がりました
その絵を感じながら「そうだ!パッションフルーツのめしべの先端は3本に分かれていた」

記憶は「記銘」「保持」「想起」の三段階を持っていますが、そもそも「記銘」をするときに、「覚えておきたい!」や「そういうことなのか!」のように強い感動をもっている場合と、ただ教わって「そうですか」とうわの空で納得した場合を考えてみるとよくわかるように、ただいつも漫然と「記銘」しているのではありません。
あの時、自分でもびっくりするほど、めしべが3本に分岐していることに驚きました。それと下向きに花粉を生じるおしべにも「なぜだろう」ととても不思議に思いました。
青空だったその場の空気感。
全部一緒になっていわば「パッションフルーツの解剖学」という記憶を形作ったという印象が蘇ってきます。

「保持」はほんの2か月です。あれほど感動しながら体験したことでしたから、まるでその場にいるように「想起」できました。
そのシーンの中にいる私が、確かにほとんど等間隔の角度で開いている3本のめしべの先端に受粉させたのです。「そのめしべの元にある子房が大きくなって実を付けたのだから丸でなくて三角。とっても納得」
そう思ってもう一度半分に切ると、今度は最初から三角に見えました。

「心を動かされる」ということが、脳を活性化させるのですね。繰り返しになりますがそういう時の記憶はすぐクリアになります。
こうして考えてみると、コロナ予防対策の「三密を避ける」状態に、高齢者がいるということは「認知症予防対策」から考えると、とんでもないことです。
「高齢者だから。持病があるから」と、誰にも会わず、特別することもなく淡々と家にこもっていると、コロナは予防できても認知症が口を開けて待っているようなものです。
久しぶりに会った高齢の知人が、無表情で言葉少なくなっていたら・・・脳の老化は一歩進んだと考えるべきです。
三密を避けながら、楽しい時間をもつということの、なんと難しいこと。
せめて生活の中で自分で心動かされるものを積極的に見つける努力は、必要です。
今日の私の収穫は、「パッションフルーツの実は、横からみると卵型、上からみると三角形」ということを発見し、その理由にも思い至ったことです。そして、そのことが思いがけない喜びであったことも収穫だったと思います。




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