行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

世界不況、予想外の影響だ

2009-02-20 23:42:26 | Weblog
四半期決算発表が終わったが、赤字決算を出した経営者の口からは異口同音に言ったのが予想外だとか想定外の事態が起こったという言葉だ。与謝野大臣でも昨年の9月頃は世界金融危機は日本にとっては蜂に刺されたくらいと言っていたがその後、蜂にもいろいろあると変わり、先週は100年にあるかないかの大変深刻な不況に変わってきた。
サブプライム問題がが起きたときにはまさか自分が派遣切りに会うとは想像だにしなかったと派遣村の労働者は言っていた。
政治家、経営者から労働者まで想定外の事態に呻吟している。金融セクターの危機が実体セクターにこれほどの早さで影響を与えたことはかつてない。しかもグローバル化してしまっただけにそれが将棋倒しのように世界中に波及した。先週、国際通貨研究所のシンポジウムに出たが、インドの準備銀行の総裁が同じようにインドの銀行や企業が予想外の影響を受け驚いている言っていた。そのわけは、株式市場に200億ドルあった外国機関投資家のマネーが130億ドルに急減したり、インド企業部門も予想以上に資金を海外から調達していたが、資金が国外に流出した。輸出も75%を米国、中東、欧州に依存してたことも実体経済にすぐ影響した。これらが信用収縮を生み貸し渋りが起き、さらに実体経済を悪くしている。
パネラーのひとりアジア開発銀行の渡辺総裁はアジア諸国の域外輸出比率が70%で輸出先はほとんどが米国、欧州のため、実体経済はもろに影響を受けた。金融危機は資金逼迫をもたらし成長したくても出来ない状態だ。国の信用度が落ち国債さえ発行できないのでアジア開発銀行が支えている。
香港大のラオ教授は中国経済は思っているほど外需の依存が大きくないので立ち直りは早いと唯一予想以上に明るい見通しを述べた。その根拠は消費が堅調で5%を維持しているし、在庫調整も終わりつつあるからだという。
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