チェルノブイリの事故は今でも欧州では悪夢だ。放出された放射性物質は600Kmにも達している。その事故と同じレベルへ今になって引き上げた狙いは何なのだろうかこれまた謎だ。保安院は同時に放射性物質の放出量はチェルノブイリの1割と強調しているが、一方で東電は福島第1原発では1~3号機の圧力容器や格納容器が損傷している恐れがあり、原子炉から放射性物質が100%外に出れば、チェルノブイリを超える可能性もあると説明した。
チェルノブイリの事故はコンクリートや鉛で暴走している事故炉を被い、10日間で放射性物質拡散には歯止めが掛かったが、福島の場合、炉事態が地震と同時に制御棒が入り、暴走すること(臨界に達する)は防げたが、燃料冷却が緊急冷却装置が働かず、炉心溶融が起きた可能性が大きく、格納容器も損傷している可能性がある。これを解決するために循環する水で冷却する装置の稼働に向けて作業を続けているが、高レベル汚染水もれや余震の影響で作業がはかどらない。
一方外部での蓄積放射量は1ヶ月経ち、一般人の被曝線量の限界に達する地域も出てきている。本来なら水素爆発が起き、放射性物質が拡散し、その後東京で水道水が乳幼児に飲ませてはいけないレベルまで達した時にレベル7とすべきだったのにパニックを恐れ、出来なかったのだろう。
すでに低レベルの貯蔵汚染水は海に流し、今後どのような影響が出て来るか、また多重安全装置の最後の砦ともいうべき格納容器からの放射性物質放出を止めるのには長期戦となり、放出量が増える可能性がまだあるのでレベル7としたのだろう。
これで外国人の日本敬遠は加速、国際交流は益々難しくなるし、日本製品の国際的な風評被害も当分避けられない。細かく各地の放射線レベルを測定し、毎日公表することによって挽回するしかない。