日本フィルの第九、今年はサントリーホールで開催され、指揮者は広上淳一氏だった。昨年は芸術ホールで指揮者は炎のコバケンこと小林研一郎氏で、このブログで「入院先から、主治医付きで駆けつけてきたというコバケンの指揮ぶりは炎が燃え上がったような凄まじい迫力で聴衆は圧倒された。彼自身福島県小名浜出身で、あの大震災・大津波に襲われた故郷への思いがあったのかもしれない」と書いた。
今回の広上氏の指揮ぶりは初見参の私だけでなく誰でもビックリするに違いない。短躯の全身を使っての指揮で、あるときにはピンクレディーの振り付けを思わせ、あまりの激しさで指揮台から落ちるのではないかと思った。指揮棒を使ったのは第3楽章の始まり、ほんのちょっとだけだった。メリハリがしっかりしているのでロボットにティーチングすればロボットが指揮できるのではないかとさえ思った。
サントリーホールでの第九は初めてで、奥行きがないから合唱団は後部座席を使う。かなり高い位置なので、1階席にいると天から声が降ってくる感じがした。肝心の演奏だが、弦楽器の音が素晴らしかった。