昨日のNHKで昨年放送した江戸城本丸御殿のコンピューターグラフィックス再現の詳細を再放送していた。その印象はその時のブログで書いたが、今回見て気がついたことがあった。
http://blog.goo.ne.jp/ajimayukuo/e/012ab324665c807f81e5da1f46a6177a
それは、本丸御殿は何回か焼失したが、建築図面が残っていたから基礎から屋根まで全て再現でき、かつ多くの建築技術屋の協力があってできたCGなので、やる気になれば現在でもそっくりそのまま建築できると断言していた。何年か前、熊本城の再建された本丸御殿を見て、その豪華さに驚いたが江戸城のそれはもっとスケールが大きく凄いものになるだろう。現在宮大工が少なくなっていると風聞してるが、その建築技術が受け継がれているというのは嬉しい。超高層やスカイツリーの技術も素晴らしいが、日本古来の建築技術は貴重な文化遺産だ。
同日に、ローマ建築探訪の放送もあり、こちらは対照的に古代ローマの建築物に使われたコンクリート技術が中世になって途絶え、その後のローマの建築物は煉瓦積みになったとか。コロッセオやパンテオンが残っているのは古代ローマのコンクリートが如何に強靱なものかを示している。原料は石灰に火山灰を加え、砕いた煉瓦や軽石を混ぜたもので、火山灰に含まれる二酸化ケイ素が強靱な粘着力を持たせているとの現代の分析だ。鉄筋は一切使ってないところが現代のコンクリート建築との大きな違いで、錆が生じないので強度が保たれているとのこと。
中世のローマ人は先祖の作った建築物があまりにも丈夫で壊せないので仕方なくその上に煉瓦建築をせざるを得なかった。こちらは技術の伝承が途絶えた実例で、時代のスパンが江戸時代と大きく違うので一概に比較はできないが技術の伝承の重要性は理解できる。