行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

熊本大震災、歴史を鏡にすべし

2016-04-16 23:16:34 | Weblog
今日、高校のOB会支部長会議があり、昭島支部長として出席したところ、九州支部から熊本在住のAさんが出席されていて、出席者一同驚いた。Aさんの報告によると、14日のM6.3の地震では熊本市中央区の自宅は棚のものも少々落ちたくらいで被害はなく、昨日は飛行機も飛んでいたので羽田まで普段の通り来られた。ところが本日、家族から電話があり昨夜のM7.3(後に本震)の地震では様相が違ってほとんどの家財が倒された。専門家の解説だと本震のエネルギーはM6.3とM7.3では16倍も差があるとのこと。しかも余震は未だ続いている。
 
熊本地方では明治22年以来大きな地震はなく、現代人は地震がない地域と何となく思い込んでいた。ところが歴史家の磯田道史氏によると、この地方では1619年八代城と城下が壊滅した地震、1625年には熊本城と城下が崩壊する大地震(いずれもM6前後と推定)、1889年(明治22年)には熊本でM6.3の地震が起きている。同氏は熊本以前に1611年、東北地方で慶長三陸地震で津波が襲った。熊本の1600年代の地震後、1633年に小田原地震が起きているとし、今回もこの循環だと小田原地域に大地震の可能性があると論ずる。
 
日本人はこれまで多くの歴史書を編纂してきたが、それは政治を司るにあたって歴史を鏡にすべしという意図があり、歴史書に「吾妻鏡」とつけたくらいだ。この教訓を真摯に学んでいれば、東日本大震災での津波も予想できただろうし、熊本地域での耐震化を進めていれば、被害が少なくなっていただろう。
最新の九州新幹線では、先の大震災での東北新幹線の脱線を受け止め、全線に脱輪防止装置をつけていれば、復旧に手間取ることもなかった。JR九州は回送車で人命に影響は出なかったが東京電力と同じ過ちをおかした。
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