先日、高校のOB会の集まりで、校長先生から現在の教育課程を聞いた。現在問題となっている長時間労働による過労死への認識がこのカリキュラムでは不可能だ。自分たちの時には無かった英語コミュニケーション力の強化も重要だが、働き方の基本である労働法を学ぶ機会はなく、アルバイト先で不法労働をさせられてもわからないのでないだろうか、ブラックアルバイトがはびこる要因だ。このまま進学し、大学に入っても労働法を学ぶ機会が無かったら、電通で起きたような過労死事件が繰り返される。
連合ではいくつかの大学に労働講座を設けているようだが、高校で働き方の基本である労働法を教育課程に組み込むことが必要だ。現在の教育課程には社会科というのが無くなってしまったが、「倫理」と3年生になると「総合的な学習の時間」が組み込まれている。是非「倫理」で人権の尊重をそして「総合的な学習の時間」で働き方の基本として労働時間、休日・休暇、最低賃金、等に絞って学習してもらえば、それほど時間はとられないだろう。
親として、子供が良い大学に進学し、良い企業に入社し、喜んでいる矢先、子供が過労死したとなればこんなに辛いことはない。企業人も人を雇うからには、企業の存続の前に人権の尊重があることを徹底してもらえば過労死など起きない。電通で起きた問題は遵法以前の問題なのだ。日本にだけある言葉「過労死」を死語にしよう。