前々回のブログ「歴史は繰り返す政党の合従連衡」で書いたが、1993年の細川新党ブームで非自民非共産の政権が生まれた。小池希望党首はこれを参考にするかに見えた。綱領で「我が国を含め世界で深刻化する社会の分断を包摂する、寛容な改革保守政党を目指す」としていたので、難しいことは棚上げしてでも民進を包み込むとみていたが、2つの大きな失敗をして、そうはならず、小池劇場は大きな風とならず政権を奪取することは難しくなった。
野合と云われているのを恐れ、排除の論理を持ち出し、民進党出身者を選別すると云いだしたのが第一の失敗、更に輪を掛けたのが、若狭氏が「今回の選挙では政権を狙わない」と言ってしまった。これが第二の失敗で何故こんな大事なときに決して言ってはならないことを言ったのか理解不能だ。政権を取るためには憲法感で正反対の自社が組んだことでも判るように、当時の自民党みたいにどうしても政権奪取というところに拘らなかったが故に、小池ブームは小劇場になってしまった。小池氏は次回の四年後の選挙では69歳、今回が勝負の時だった。
民進党の枝野氏が立憲民主党を立ち上げたのは、追い込まれての判断だが、この新党の中心は選挙に比較的強い前職が多く、希望の党の新人候補は苦戦する。比例復活を狙うとすると、小池ブームが地方でどのくらい起こるかによる。今日の記者会見で192人の希望の党公認候補を発表後、若狭勝前衆院議員は最終的な擁立数について「(過半数の)233を超えるのではないか。政権交代をめざすことは十分可能な状況だ」と言っているが、前言もあり、なんとなく自信がなさそうだ。
自公の与党としては、負けてもたいした人数でないと胸をなで下ろしていることだろう。株価も2年ぶりの高値を付け、その状態を織り込んだと見られる。