年金生活者にとって、安定している上に高配当という米国株投信「eMAXIS S&P500クオリティ高配当インデックス」が発売された。こういう投信が今まで無かったことが不思議だ。連続配当を続けるS&P500配当貴族の投信はあったけど、連続配当を続けるにはかなり無理している企業もあり、長期保有には安定性の面から年金生活者には勧められない。
このクオリティかつ高配当というところが味噌で宣伝文句も「S&P500構成銘柄の中でもクオリティスコアが高く、かつ配当利回りも高い銘柄で構成されています。厳選された銘柄で構成された当指数のパフォーマンスは、S&P500指数を上回って推移しています」
過去の実績を示すのが下図だ。S&P500指数より倍もパフォーマンスが良い。
S&P500社の配当利回りが優れた上位200社の中から収益性や収益の質、財務健全性などが優れたクオリティ企業を選んでいる。結果平均配当は3.1%とS&P500社の平均配当1.7%を大きく上回る。要はいいとこ取りをした投信で今まで無かったことが不思議だ。
業種比率は生活必需品18%、エネルギー13%、資本財・サービス16%、ヘルスケア10%といった業種にウエイトがある。情報技術も13%のウエイトがあるがS&P500指数での比率の半分ほどだ。上位10の銘柄の内7社がエネルギーとなっている。
米国市場も昨年の落ち込みから今年に入って持ち直してきているが、すぐ買いに入るには慎重でなければならない。為替も一時の円安が130円前後に落ち着いてきたが、こればかりは専門家でも予想が難しい。S&P500クオリティ高配当インデックスを買うとしたら、毎月定時日に分割して7月までに買うぐらいの慎重さが要請されよう。