行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

雇用情勢が良いのに消費が盛り上がらない理由

2016-08-06 21:53:35 | Weblog

失業率は3.1%で19年ぶりの低さ、有効求人倍率に至っては1.37倍とこの24年間で最高の倍率、それでも景気は28兆円の経済対策を実施なければならない。経済学の常識からすれば首をかしげる現象が起きている。最近の外食店決算で、安い価格帯のてんやは業績が良いが高い価格帯のロイヤルホストの業績は悪いという。つまり消費が盛り上がらないので景気が今ひとつなのだ。

安倍晋三首相は3日、首相官邸で開いた内閣改造後の記者会見で、新たに働き方改革担当相を設けたことに関連し、「一億総活躍の旗を一層高く掲げる。その最大のチャレンジは働き方改革だ」と強調した。長時間労働の是正などを話し合う「働き方改革実践会議」を立ち上げ、年度内をメドに働き方改革の具体的な実行計画をとりまとめることも発表した。同じ仕事なら同じ賃金を支払う「同一労働同一賃金」を実現し、「非正規(労働者)という言葉をこの国から一掃する」とした。

実現すれば、賃金が上がり、消費にも良い影響が出て来る。しかし、具体的にはどうやって実現するか見えてない。当初のアベノミクスの要、トリクルダウンが不発に終わり、企業には300兆円を超える内部留保が貯まっている。企業はこの10年合理的判断で非正規社員を雇い,正社員の比率を減らしている。労働コストを可能な限り減らし内部留保を貯め込んでいる図式だ。

労働市場の改革なくして「非正規(労働者)という言葉をこの国から一掃する」は実現しない。それには、先ず労働者派遣法を発足当時の内容にもどすことが必要だ。専門的業務に絞って認めることで、仕事がある時だけの登録型派遣や日雇い派遣は禁止する。また雇用契約は期間を定めないものにすることで正社員化を進めることだ。パートについては、時間給を1000円にし、ボーナスも実働に連動して支給すればほぼ同一労働同一賃金に近づく。


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