行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

労働者派遣法改正案を閣議決定

2010-03-21 23:32:44 | Weblog
政府は19日、仕事があるときだけ働く「登録型派遣」や製造業派遣の原則禁止を柱とする労働者派遣法改正案を閣議決定した。社民、国民新両党の要望を受け、派遣先企業が派遣社員を選別する「事前面接」を解禁するとした原案を修正した。

 登録型派遣は通訳やソフトウエア開発など専門26業務を除いて原則禁止。製造業派遣は常に派遣会社と雇用契約を結ぶ「常用型派遣」を除いて認めない。2カ月以下の短期派遣や日雇い派遣も原則禁止する。

私はかねてから、派遣法は規制法なので原点に帰って当初の専門業務職だけに限定するものに戻すべきだとこのブログでも主張してきた。製造業派遣については、当初やってはならないと付帯決議までしたものが常用型というかたちで一部残るが、一歩前進と言える。これで悲惨な派遣労働の待遇改善につながるか、派遣先の違法行為が防げるか、今後検証する必要がある。

最近の日本のものづくりに対し、疑問が出ているが、製造現場への派遣労働者自由化と関係ないとはいえない。現場の技能の伝承は派遣労働では困難だし、まして能力開発や労務管理は現場任せでは安い賃金と低生産性の悪循環に陥りやすい。

企業は良いものを作ろうとするなら、人材は自分で選び雇用するのが基本だ。採用が面倒だと派遣労働に安易にたよってきた企業が困ることになるが、これを機会に経営の基本に戻るべきだ。

一部マスコミで海外へ工場移転が避けられないなどと言っているが、それこそ大変なノウハウが必要だし、採用から労務管理は自分でやらなければならない。特に中小企業にとっては大きなリスクを覚悟しなければならない。
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