行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

ノーベル経済学賞スティグリッツ博士をむかえてのフォーラム

2010-03-19 23:37:28 | Weblog
昨日、国際通貨体制を考えるフォーラムに出た。パネラーはスティグリッツ博士、行天豊雄、榊原英資、高海紅 (中国社会科学院)、トマッソ・パドア・スキオッパ(プロモントリー・フィナンシャル・ヨーロッパ会長、中尾 武彦(財務省国際局長)と云った面々、

スーパーで今日はキャベツが195円、ちょっと高いなぁといった日常から世界通貨を話題にする場面に飛び込み、戸惑うことばかりだったが、さすがに一流の学者は聴衆を引き込むすべを持っている。印象深い内容であった。

全体的には日本の榊原、中尾が国際通貨として当面ドルの活用を選択せざるを得ないという主張に対し、スティグリッツは米国人でありながらドルはもはや力が無く、各地域でSDRのようなバスケット通貨を作る必要があると提唱した。ユーロもドルも不安定で準備通貨にはふさわしくない、SDRの方が安定しているとスティグリッツは主張する。

ユーロはその先を行く統一通貨だが、ギリシャの危機は予想できなかった。ユーロの安定性に疑問を生じた。EUではユーロの前にバスケット通貨エキューEMSがあった。経験済みだ。これと同じようなバスケット通貨を各地域で考えるべきだ。

中国の元については、先ずフロートさせることが必要で、国際通貨になるにはかなりの時間がかかる。例えば社債、国債はほとんど無いと云って良いほどの量で、準備通貨としては難しい。

スキオッパはバブルについてうまいことを言った。資産の価格が上がると皆喜ぶが、商品価格が上がるとインフレと言って騒ぐ、資産バブルに気がつかないわけだ。

今日の新聞にはこのフォーラムの記事がない。マグロよりはるかに重要なテーマだと思うが、しかもこのフォーラムが開催された経団連会館の隣は日経新聞社だ。
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