昨年来、インバウンドという耳慣れない言葉がこの国で流行っている。文字通りの意味は入ってくると言う意味だが、誰が言い出したのか判らないが、来日訪問外国人客を指し、主に彼らが日本で消費する需要という意味で使っている。日本人が外国へ旅行する場合はアウトバウンドとなる。
昨日発表された国際収支、為替を左右する経常収支で10年前の2004年の19.7兆円から2014年は2.6兆円に黒字が激減し、円安になっていることが説明される。主原因は貿易収支が石油支払いの増で2004年14.4兆円の黒字から10.4兆円の赤字になったことだが、海外生産で輸出が減少したことも大きい。但しその見返りで海外子会社の配当、技術使用料等資本収益が2004年10.3兆円から18.1兆円に増えてカバーしている。
ここへ来て旅行収支の寄与が俄然目立った。10年前は2.9兆円の赤字であったのが、インバウンドのおかげでほぼとんとんになったからだ。経常収支黒字も、旅行収支で10年前と同じ2.9兆円の赤字であったら0.3兆円の赤字になるところだった。インバウンドの伸びは大きく、来年は旅行収支は黒字になり、経常収支悪化に歯止めが掛かるだろう。ということは円安にも歯止めが掛かるかもしれない。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます