行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

フランスの年金ストとデモ

2010-10-20 18:41:50 | Weblog
フランスがデモで揺れている。精油所を中心とするストライキとデモは、サルコジ大統領の最小退職年齢を60歳から62歳へ延長し、年金の支払いを2年遅らせるという改革に対する労組の抵抗という図式だ。燃料切れで交通機関への影響はひろがり、ドゴール空港の発着に支障を来している。

フランスの年金財政は毎年150億ドル(1兆2300億円)の赤字をだし、このままだと 2050年には10倍にふくれるということで、下院は通過し、上院の議決が残されている状態だ。

サルコジ大統領は、ドイツは長命化、高齢化に対応して、2029年に退職年齢を62歳から63歳へ引き上げることをすでに2007年に決定している、として強行突破をはかろうとしている。

日本とフランスと大きく違うところは、フランス人はイタリア人もそうだが、一日でも早く定年退職して年金生活に入りたいという労働者が大部分で、定年後も働きたいという多くの日本人とは異なる。年金を貰える日を千秋の思いで待っているのだから2年も待たされるとなると怒ることになる。

数パーセントの組合組織率にすぎない組合員がデモを始めると一般の人々が参加しはじめ、日が経つにつれ大規模になる。組合幹部はどのくらい一般の人が参加したかで正否を評価する。日本みたいに組合員だけのデモではない。今回は驚いたことに高校生までが参加していることだ。デモの統制も大部分が一般人や学生になると取りづらくなり、一部が暴徒化しているようだ。

年金問題は、日本でも国民が最も取り組んで貰いたい政策課題だが、政権交代1年を経ても動きがない。消費税問題の協議には年金など社会保障財源が焦点になるので早く超党派で年金改革に取り組んでほしい。

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