現代文明の発祥の地ギリシャが世界経済恐慌への鍵を握っているといった報道がされているが、なんでそうなるのか具体的な説明はないままだ。ユーロ圏を馬に例えればギリシャはしっぽのごとく小さい。普通はしっぽが動いても馬は動かない、ところが今やしっぽの動きで馬が転びそうなのだ。
事の発端は、政権が替わりよく調べたら財政赤字は4%でなく、13%だと発表してから蜂の巣を突っつく騒ぎがはじまり、ギリシャの国債は信用をなくし、いまや2年もの金利が70%、事実上破綻を来している。
ユーロはそれ以来下落の一途、本日はついに102円台、1年前よりギリシャ救済の小田原評定で何も決まらないため、市場が督促をしている。ギリシャの国債を誰が引き受けるのか定かではない。デフォルトを宣言したらギリシャ国債を有しているEUの銀行が破綻するかもしれないという恐れが流布されている。
ギリシャ内閣は、2014年までの財政再建プログラムを順守するため、月1200ユーロ(約13万円)を超える年金受給者への支給額を20%カットすることや、55歳に達する前に退職した公務員への支払いを一段と削減すると発表したが、国民は承知しない。労働者のほとんどを公務員にしたという信じられない失業対策も神話の一つだ。
年内に公務員3万人を「予備労働者」に指定し、対象者については給与を現在の60%に削減するとともに、公共部門で新たな職を探す猶予を12カ月与え、その間に職が見つからなければ解雇する。としているが労組はストライキで抵抗し、実現は難しいだろう。
ギリシャ政府報道官は「これらの選択肢は、ギリシャがその責任を果たし、ユーロそして欧州連合(EU)の中核にしっかりとどまることを望むとともに、その能力を有しているというメッセージをわれわれのパートナーや市場に送るものだ」と悲壮の覚悟を述べたが、できなければデフォルトだ。
ギリシャごときが破綻しても、世界経済への影響は大したことないと思うのだが、市場は恐れている。何が背景にあるのか?続く大国スペインかイタリアの国債が危機をむかえるのか、一人あたりGDP4500ドルの中国がイタリアの国債を買うというのもおかしな話だ。メディアの報道も表面的で掘り下げがない。この1年夢芝居のような世界経済だ。
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