行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

貿易統計に見る日本のお得意さん

2018-02-04 23:21:26 | 経済


昨年の貿易統計速報が出た。世界景気に支えられ、3兆円弱の黒字で、日本経済を引っ張った。家計調査では12月の消費も落ち込み、個人消費がもう一つなのに較べ、この大きな黒字はグッドプレゼントだ。GDP速報もまもなく出るが、おそらく年間を通じて潜在成長率の倍以上の1.5%は固いだろう。企業収益もこの3月期は増収増益が確実だ。

この黒字をもたらしてくれた日本のお得意さんは劇的に変わりつつある。額的には従来からのお得意さん米国が7兆円の黒字だが増加率は3.1%、替わって急伸したのが中国を除くアジアで、黒字は9.4兆円にも上り、増加率も50%を超える。アジアには日本企業が怒濤のごとく進出し、国内空洞化が心配されたが、電子部品や自動車部品のような要素部品は日本で生産され輸出されてるからだ。輸出金額で見ると、中国を除くアジア28兆円、米国15兆円、中国15兆円となって、中国向けの輸出が20.5%と過去最大に伸びているが、輸入が18兆円もあるので10年以上も貿易赤字となっている。

これから努力すればお互いに利益となるのが、EU向けだ。輸出入とも8兆円後半で8.5%、7.4%の伸びで、6年連続の赤字だが、赤字は44%も減っている。これからは自由貿易協定の効力が出てきて、お得意さんになるかも、
ざっと見ても、中国を含むアジアが最大のお得意さんだ。

輸出品目では半導体等製造装置、自動車が寄与度が高いのは自明だが、3番目に鉄鋼が入っているのには正直言ってビックリ、世界経済の活性化が原因だが、日本の鉄鋼の品質の良さが寄与していることは間違いない。


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