行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

世界が海藻に注目、食からプラスチックまで

2023-03-25 21:50:34 | 環境

和食では出汁用昆布は日常から使われてきた。和食がグローバル化して、フランスでは昆布や鰹節での出汁はフランス料理に取り入れられ、普及している。この傾向は世界に拡がり、ニューヨークでは日本の乾物屋のような出汁専門店が開店したとの報道、和食といえば寿司だが、欧米各国では
寿司屋が繁盛している。当初はカリフォルニア巻きのようなものが出現したが今では本物のにぎり寿司が当たり前になっており、海苔は韓国での主な輸出品の一つだ。私もかつてフランクフルトやニューヨークで寿司をご馳走になり、舌鼓をうった。

この海藻類が環境に寄与する研究が各国で進んでいるとの報道にふれた。
ロンドンでは、新興企業が海藻からプラスチック代替品を開発している。植物由来のプラスチックにこれが加われば、海洋汚染防止になるだけでなくウニの餌にもなるかも。

オーストラリアとハワイでは、家畜に与えると牛のげっぷからメタンをカットできる海藻を育てる研究をしている。牛の飼料にアスパラゴプシスという赤い海藻を入れると、げっぷからのメタンを82~98%削減できるとしている。そして海藻養殖場によってどれだけの二酸化炭素を隔離できるかを研究している。投資家は温室効果ガス排出量を相殺するための新しい炭素クレジット源として海藻養殖場に注目している。

かつて、日ソ漁業交渉で日本側が北方領土で昆布をとらせろというので、当時のフルシュチョフが試しに昆布を食したが、こんな紙みたいなもの食えないとして、日本に採取を認めたとの笑い話があった。しかし、海藻はいまや各国がその重要性を認めだした。漁獲量が年々少なくなっている日本も養殖の中に海藻を加える時が来たのではないか。


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