行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

景気に明るさが見えたか?

2010-03-03 23:40:37 | Weblog
昨日に続き、発表された統計数値を見ると景気に明るさというか、悪化に歯止めがかかったと言うべきか微妙なところだ。
GDPの需給ギャップも35兆から30兆に縮まったという証明かもしれない。

先ず1月の雇用調整助成金対象者が先月の186.5万人から172万人に減少したと厚労省が発表した。ただ届出事業者数は前月から1,302カ所増の8万3,142カ所に増加している。また、1カ月間に30人以上が離職する場合の大量雇用変動届の1月の届出事業所数は前月比45カ所減の202カ所、離職者数は同278人減の1万1,130人となっており、良い方向へと解釈したい。

1月の毎月勤労統計調査(速報、従業員5人以上)によると、従業員1人あたり平均の現金給与総額は全産業ベースで前年同月比0.1%増の27万3142円となった。残業代などが伸び、20カ月ぶりの増加に転じたことは好転と言える。残業時間を示す所定外労働時間は3.4%増の9.4時間で、これまた18カ月ぶりのプラスとなった。製造業の所定外労働時間は30.1%増の12.1時間で、2カ月連続のプラスとなった。雇用拡大の目安になるといわれる15時間まであと一息だ。

総務省統計局が2日発表した家計調査報告(速報)によると、1月の2人以上世帯の消費支出は1世帯あたり29万1,918円だった。このうち勤労者世帯の消費支出は32万1,633円で、前年同月比1.5%の実質増加。実収入は43万4,344円で6カ月連続の実質減少(前年同月比0.5%減)となっている。

日本生産性本部は2月26日、2009年12月の労働生産性統計を発表した。
投下労働投入量あたりの産出量の変化を示す労働生産性指数は、製造業で95.7(2005年=100)となり、前年同月と比べ8.1%と大幅に上昇した。8%を超える水準となったのは2004年6月以来5年6カ月ぶりのことだ。

いずれも昨年同月の大きな落ち込みが背景にあり、手放しでは評価はできない。鍵を握るのは現状と同じく、消費支出と輸出の2つのエンジンに依存する。

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