国際労働財団でチュニジアの労組UGTTの幹部を研修で招いたので現地の事情がわかると思っていたが、空港で出国を阻止されてしまった。今回の革命の組織的支援者はUGTTなのに出国できなかったことは旧体制がまだ残存していることを意味している。長い間の独裁体制を倒しても新しい民主体制になるにはかなりの混乱と時間がかかることだろう。
暫定政権といえども旧体制の権力者が引き継いだだけでは国民は納得せず、結局のところ総選挙を実施してから新体制を創るという時間が必要だ。今回の革命のきっかけは若い物売りが官憲に弾圧され、自殺したことが起爆剤となったとのことだが、デモ隊と治安部隊との衝突などですでに100人近くの犠牲者がでていると国連筋は云っている。
インターネットで無数の情報が流され、反政府デモは隣国エジプトに波及し、ムラバク政権は必死にデモ隊を押さえ込もうとして治安部隊と衝突しているというニュースが流れてきた。25日のデモの中心になったのは「4月6日運動」と呼ばれるグループで、08年春に若者2人がインターネットの交流サイト「フェースブック」上で結成、治安当局の弾圧や若者の高失業率、労働者の低賃金などに抗議するデモを呼びかけていると報道されている。
エジプトは昨年11月に選挙が行われ、政権交替が行われたが、ムラバク大統領(82歳)は20年以上も権力を握り、この9月の大統領選挙には息子を立てると取りざたされ、反感を買っている。高齢の大統領はツイッターやフェイスブックで何故全国で反政府デモが発生したのか訳もわからないだろう。当分目が離せない。
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