ある日、マンション向かいの店に「閉店セール」の文字を見つける。
青天の霹靂だった。
この店は鞄店で、いいものを安く売っている。私はリュックサックにショルダーバックにとヘビーユーザーだった。このブログにも何度も登場させてるこのお店で買った鞄。
え〜と?
2018.5.11訪問の生田ばら苑にて撮影。
このタウンリュックはヘビロテで使ってました。最後は上のファスナーが壊れたんだっけなあ?私の使い方が荒いのが敗因だった。
昨年購入したリュックサックは、コロナで密を避けるのを推奨し始めた時で、週に1度程度の買い出しに〜と連呼されてて。買い替えにはタウンリュックより収納量の大きいのがいいな。と。
きっかけは自転車の前かごに買い出しのスーパーの白いビニル袋を入れたまま桜鑑賞してたらバランスを失って自転車から落ちてしまったのだ。で。両手を空けれて危なくない大きめのリュックが急ぎてほしくなり、実はネット通販で購入しちゃったんだよね。思えば、そんな奴が増えてネット購入が増えて、外出してのお買い物はコロナ禍の中買い物を控え。詰まるところ商店街のお店は持たなくなったんだろう。時短営業やら臨時休業してた店が増えた商店街に人は来ないし、更に商店街の客の割合の多くを占めていた学生も休校で消えてたしな。
こんな事態の予想は簡単にできたのに。
コロナ禍でレストランや食事処で営業自粛が展開され、我が家のマンション前の道の商店街は、あちこちで営業自粛という名前の臨時休業が展開中だ。1月から2度延長された緊急事態宣言は未だ続いてる。となると、多くの人は外出をしないのだ。カバン屋に履物屋に衣料店にクリーニング屋。経営の厳しさは想像が簡単だ。
うちの前の商店街は元を正せば戦前の軍隊の病院が駅から続く道の奥に出来たから。そこの道々に出来た場所。今は近所に米軍の住宅街もあるので、八百屋のおっちゃんが英語ペラペラだったりした。そういや、あのおっちゃんの店が閉店したのはいつだっけ?商店街の店が出来た時期が近いということは、店主の年も似たようなもの。商店街が出来た当時の店主は皆年をとってしまった。うまく次代に引き継がれた店はいいのだけれど。そうでない店は一つまた一つと消えていく。それが、去年からたった1年でいくつの店が消えたのか。行きつけの店がなくなっていく。
閉店セールの紙を見つけたその日の午後、久々にカバン屋に入ってみた。変わらず老夫婦がレジの向こうにいた。
タウンリュックが欲しいなあ。スーパーの買い出し用に購入したリュックは普段使いには大き過ぎるんだ。小さめのリュックを見繕いレジへ持っていく。
「このリュックにA4サイズの紙が縦型に入りますか?」街歩きや近場へ日帰り歩きの時は地図やチラシをリュックに詰めるので「A4 サイズ」は欲しいのですよ。
けども店内は以前とは既に姿を変えていた。いつも店いっぱいに四方の壁と中央についた手を置いてカバンが展示してあったのに。既に1面は空っぽになっていた。
店の在庫がなくなったら閉店なんだね。
聞いてみた。
「コロナのせいですか?」(何で閉店するの?)
奥さんは寂しそうに「売れなくてねえ」と。
ああ。やっぱり。
いいお店からなくなっていく。価格を低額に抑えていたからね。この店は年間を通じてセールをしない。売れたら工場から補充されるのだ。なので季節ごとにセールすることはなかった。
通常価格が3980円だったかな?リュックサックには閉店セール価格の2500円の札がつけられていた。
店側で用意してあるA4サイズのファイルを入れてみた。微妙に入らない。紙だと折れる。けどももう代わりのリュックは売り切れた後なのだ。
む〜ん??近所の公園で散歩する分には、最大でデジカメとパンと小さめの水筒が入れば十分だな。最後のお付き合いだし。ってな事で小さめのタウンリュックを購入してお別れの挨拶をして店を後にした。
何だろう。寂しいのは当たり前。けど今回はやけに虚しい。コロナ禍がなければまだご主人も奥さんも笑顔で営業してたのだろうと思うとやり切れない。
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