何年か前、多摩モノレール主催の10キロウォーキング大会に参加。ゴールが、多摩センター駅近くの東京都埋蔵文化財センターでした。ゴールの後、館内を見学。そこで馬具を展示してあったんです。
あれ?
馬??
東京都埋蔵文化財センターは、多摩ニュータウン(多摩丘陵)を造成したら、1000個近い遺跡が発見され、それを展示するために作られたもの。遺跡は旧石器時代から縄文時代を中心に、弥生・古墳・奈良・平安・中世・近世まで3万年に至ります。
で、そこに馬具が展示されてて驚いたんですよ。で、職員さんに「どうしてここに馬具を展示してるのか?」と質問したら、多摩丘陵にはかつて一大馬牧場だった時代があったのだと教えてもらった。で、育てた馬を税金代わりに中央へ送ってたんだって!
そこでひと驚き。
遠い学生時代の記憶では、「日本にはそもそも馬はいなかった。外国から渡来した生き物です」とあったんだ。
で、今更ながら馬が渡来生き物は理解してた。でもそれっていつ?なんで多摩丘陵に一大馬牧場があるの?と。
大学時代、東洋史学を専攻していたものとしては、歴史における騎馬民族の機動力は別格なんです。
騎馬民族とは?WIKIによりますと、騎馬民族とは、馬を移動手段とし、非定住生活を送る遊牧民である。と書かれてます。具体的には匈奴・突厥・フン族・モンゴル・鮮卑・契丹などなど。聞き覚えがある民族名がありますか?騎馬の軍事能力が高く、馬術に優れていたため、歴史に名が残ってますね。
で、確か「鐙(あぶみ)」やら「轡(くつわ)」など馬具が騎馬民族の機動力のキモだったんだよな。確か。
それらを踏まえて。
目の前にある埴輪の馬を見つめて考える。ええ、既にトーハクで作品見物始めて2時間を経過し、まともな思考力が残ってない状態で考えてもロクに思考がまとまらない。
トップ画像の馬の埴輪は、古墳時代・6世紀 群馬県の出土品です。
鐙(あぶみ)も馬銜(はみ)も轡(くつわ)もはっきり分かる出来。他にも馬具がいっぱい。
群馬県から馬の埴輪が発掘されたということは、そこに馬がいたということです。
こっちの馬には鞍もある。む〜ン??
wikiによりますと、日本の馬具は古墳時代の4世紀後半から5世紀にかけて家畜化された馬が伝来し、馬具も日本列島へもたらされた。となってます。やってきた最初の馬を繁殖させて増やして群馬まで広がったということだよなあ。
埴輪だけでなく、馬具も展示してあった。古墳時代のコーナーなので、その頃既に馬具を作る技術もあったんだ。そういや、東京都埋蔵文化財センターの職員さんが、多摩丘陵には、馬具職人も集まってて、後に鎌倉時代になると甲冑とかも作ってたとかなんとか言ってたような〜?
ばふっ!
疲れてる時に頭を使っちゃダメだぁ〜。
でもさ。wikiによりますと、日本書紀にはアマテラスが岩戸に隠れたのはスサノオが斑駒の皮を剥いでアマテラスの機織り小屋に投げ込み、機織り女が驚いて死んだためである。古事記では、スサノオの息子であるオオクニヌシが出雲の国からでかける際に鞍と鐙を装着した馬に乗っていたとある。
ンン?スサノオっていつ頃の人なんだろう?その頃に普通に馬がいたってことだし??
などと。またグルグルし始めたのでもう考えるのを止めた。(オイ)あ。空耳が聞こえた〜。
見回せば、埴輪人形がいっぱい。
顔に残る赤い線は、刺青か?それとも化粧かな?
これはたぶん服の模様。でも顔に赤い線がある。赤い染料しかなかったからか?それとも本当に赤い色だったのか?
あ!楽器持ってる〜。
三角帽子。耳から垂れてるのは髪か?飾りか?
剣を持ってますね。そういや、あれは渋谷の国学院大学の博物館で刀剣展を見た時に、この時代のを展示してあったなあ。
ロングスカートはいてる?なら女性戦士?
赤いズボン。何気に埴輪で古墳時代の衣服も分かるんだねえ。
靴はいてるかどうかはわからないなあ。ちなみに、訪問時はこの埴輪が一番背が高かったよ。
この後、平成館1階へ。ほとんどの人は特別展を観覧すべくエスカレーターを上がっていきますが、私の目的は1階奥の広場。ここで持参したパンとお茶でお昼ご飯〜。
トーハクでは飲食できるのは平成館1階と本館地下と東洋館1階ピロティーです。平成館はクーラー効いてるし、ソファがふかふかなのでオススメ。最奥に飲み物自販機もあるよ。
外に出た。初代館長の町田久成の胸像があった。彼は明治時代の官僚。旧薩摩藩士。イギリス留学後、トーハク初代館長に。後に出家して僧侶となる。
これまた思考が必要かも?だってトーハクはかつての寛永寺の敷地に建ってるし、裏庭はそのまま寛永寺の庭だったし。ここで旧幕府軍呼称する上野彰義隊VS薩摩藩指揮の官軍の戦いがあった訳で。その地に博物館があってそこの初代館長か〜。しかも、彼は療養先の寛永寺明王院で亡くなってた。ツッコミどころ満載だよな〜。
多摩丘陵の縄文遺跡と馬についての記事です。専門家に聞けば妄想でなく知識になるのが嬉しいところ。おすすめ記事です。
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