土曜の山と日曜の川
のちのち 最高気温27、0度。
「わっ、なんて幻想的な・・・」
僕らは、うっとりと大きなブナの木に見とれました。
それまで乳白色に閉ざされていた山に、風が吹き、霧が流れ、ブナの大木が姿を見せくれたのです。
やがて空はゆっくりと晴れてゆき、新緑のコルに木漏れ日が差し込んできました。
初夏の土曜の午後。2名のゲストと、黒尊山塊、八面山~熊のコルのブナ林を歩いてきました。
『黒尊山塊は、四万十川の支流黒尊川の上流渓谷一帯に広がる山域の総称です。
黒尊山塊は、かつて四国の中でも有数の自然林として注目されてきましたが、
大正のはじめ頃より森林の開発がはじまり、自然林はだんだんとなくなって、
スギ・ヒノキ植林となり、その当時から残っている自然林の一部が、
現在、黒尊山自然観察教育林(国有林 310ha)として保存されてます』
フィールドガイド 四万十川より。
雨予報だった週末の天気は、よい方向に予報がはずれました。
土曜日。青葉雨は昼前にはあがり、午後の山頂は霧も晴れ、青空が広がりました。
雨に濡れた新緑が、
陽にキラキラと輝く山肌で、ツツジの花の赤がひときわ鮮やか(シャクナゲの花は咲いておらず)。
山の上から、宇和海と九州が見えればパーフェクトでしたが、眼下はまだ霧の海。ザンネン。
この山域に降った雨が、黒尊川の美しい流れをつくり、
四万十川の豊かな流れをささえ、土佐湾の多様な生き物をはぐくむ。
水の旅が始まる山を歩けば「これまでとは少し違う視点で川を見るコト」が出来るかもしれません。
翌日曜日は、カヤックで四万十川を下りました。
昨日、黒尊の山を歩いたゲストの二人は、今日が6回目の四万十川カヌー。
コースは、江川崎~口屋内まで約15キロ(レギュラーツアーの1日コース:8~11キロ)。
午前の川は、風がない。
美しい5月の風景を愛でながら、おしゃべりをしながら、水鏡の川をスイスイと下ります。
午後の川は、風が吹く。
後ろから前から吹く風の中、しっかりとパドルを漕いでゴールを目指します。
ゴールの口屋内沈下橋は、いまだ修理中なのでした。
最高気温27、0度(5月17日)。
四万十川の水位は、平水+20㎝。川面の水温は、21度。水の透明度は、△。