アーク・フィールドブック

四万十フィールドガイド・ARK(アーク)のブログ

南の川から(気まぐれダイアリー)5月28日

2024-05-28 | 南の川から(気まぐれダイアリー)2024

 おはようございます。四万十は、雨。

(深夜から降りはじめた雨)今は、時折ガシャガシャと激しく降っています。

ひさしぶりの大雨は、午後まで続く予報。

痩せていた初夏の川は、この雨でモリモリと太り肥満十川になるコトでしょう。

それにつけてもカメムシの臭さよ・・・(昨夜は、大量発生したカメムシが大騒ぎ)。

今日の最低気温は、20、7度。

初夏の岸辺に、南国風の見知らぬ花が・・・。調べてみると、ブラシの木でした。

花の姿は、ビンを洗うためのブラシそっくりですね。

英語ではボトルブラッシュと呼ぶとのこと。

花言葉は、「恋の炎」「はかない恋」。イノチ短し恋せよ老若男女。

 

   最高気温24、1度。

雨は、昼すぎにやみ、雲がゴンゴン流れる夕方の空は、晴れ間がひろがりました。

湿気と温度がグンと高くなった空気と風に、雨の季節も近し、と肌でかんじるこのごろ。

明日以降の四万十の空は、どんなかんじやろか?と天気予報を見れば、まだ晴れる日が多いようで、

この先もしばらくは、「はつなつの光りと風の四万十川」がカヌーで楽しめそうです。

*予報では、今年の四国梅雨入りは、6月半ばころ(平年は、6月5日ころ)。

 

16:00現在。

四万十川の水位は、平水+3、1メーター(川登)↓(家地川ダム、津賀ダム)ダム放流量は、727㌧↓

今日の雨で、モリモリと太った川。

今週末の川は、カヌーで長い距離を下るには、ぼっちり(ちょうどよい)か、と。

つい先日、川辺に、南国風の赤い花(ブラシの木)が咲いているのを見つけました。

おっ、めずらしい、とその花をながめれば、夏の足摺の海辺をあざやかに赤くいろどる、

やはり南国情緒たっぷりのアメリカデイゴの花を思い出しました。

 

ある年の梅雨から夏にかけて、僕は、高知西南部をバイクでキャンプ旅をした。

透明度がよく、美しく、静かな足摺の海をとても気にいり(四万十川をメインに遊ぶ予定だったのに)、

海辺のキャンプ場にテントを張りっぱなしにし、そこをベースに海や川にゆき、ひと夏をすごした。

 

夏の濃い緑にそまったキャンプ場を赤くいろっていたのが、アメリカデイゴの花(南米原産)。

枝いっぱいにさいた丸みのある蝶形の真っ赤な花は、エキゾチックで南国の海辺によく似合っていた。

1日海でたっぷり遊んで、夕方になると、僕はビール片手に南国の花と海をながめた。

このまま、ずっと夏がおわらなければいいのに、と思いながら。

 

「If you take a flower in your hand and really look at it, it's your world for a moment.

ひとつの花を手に取ってよおく見れば、束の間、世界はあなたのものになる」Georgia O'keeffe 

 

旅の記憶のなかに咲く花を愛でる雨の午後。そんなヒトトキもときには良いものですね。


四万十川で深呼吸を(ココロもゆるむ川)

2024-05-26 | アークツアー 初夏

 最高気温30、1度。

 「この休暇がおわると、役職がかわるんです。

そうなると、もう連続した休みがとれなくなるので、

その前に、時間がないと行けないところを旅して、リフレッシュしたいなぁ、と思って・・・。

以前、遊んで(カヌーでくだって)面白かった四万十川と美しい栢島の海を選びました」

「どうして、四国西南部を旅先に選んだのですか?」

と聞いたガイドさのに、となりでカヤックを漕ぐゲストのTさんが答えました。

 

 5月24日(金)。

薄曇りの空からときどき陽がこぼれる川原は、少し蒸し暑くかんじます。

目の前の四万十川は、しばらくまとまった雨がなく、水量が少なめですが、水の透明度はグッドです。

 

 スタート地点のトロ場(流れがゆるい箇所)で、

かるく慣らした僕らは、さっそく川くだりをスタート(Tさんは経験者)。

いきなり少し波高い瀬に突入です(土佐大橋右側の瀬)。

 

 ザブンザブン!バウが跳ねる瀬では、バシャバシャとカラダにかかる水が気持E。

ひゃっほう!思わず声があがります。

最高気温30、1度。川面の水温20度。

水ぬるむ四万十川は、沈(転覆)もユカイな季節に。

 カヤックから見わたす山は(黄褐色や萌黄色、海老茶色でカラフルだった山は)、

淡緑と鮮緑に衣がえをすませて、初夏の陽にあわくかがやいています。

岸辺には、咲き終わりのウツギの白花がチラホラと見えます。

カジカカエルの恋声にみちた水辺。トロ場の岩の上に、甲羅干しをしている亀を発見。

そーっと近づいていくと、チャプン!亀は、水のなかに潜ってしまいました。

 

 4キロほどくだり、水の透明度がよい小さな支流の川原に上陸し、ランチタイム。

晴れる予定の空は、なかなか太陽が顔を見せてくれません。

シュノーケルセット&エビタモも積んできたんだけどなぁ。出番は、ナッシング。残念です。

曇り空の川原は、暑すぎず、のんびりとゴハンを食べるには、良いのですが。

 後半のコースは、瀬はすくなくなるけど、美しく雄大な川景色も楽しめます。

新緑の山を愛でながら、さわやかな風を、ここちよい水を感じながら、カヤックのうえで、大きく深呼吸~。

そして、僕らは水面をたゆたうようにながれていきました。どんぶらこ。

 カヤックでの川くだりは、岩間沈下橋まで(漕行8キロ)。

本日のツアーのしめは、沈下橋ダイブ。

車にのりこみ、江川崎上流の長生沈下橋へ(岩間沈下橋は、水深が浅く飛びこめない)。

ザブーン!誰っちゃおらん川へ飛び込んだTさん。

川からあがる、とズブ濡れのままニコニコと5月の風に吹かれていました。

 ツアーを終えたさのが、家にもどり、片付けをすませ、PCを開くと、Tさんからメールが。

「さのっちへ!無事に宿に着きました!

今日は、ありがとうございました。本当に心地良かったです。

また、戻ってきたいと思いました」。

 

うれしさで胸がいっぱいになったさのは、つぶやきました。

ぜひまた、深呼吸しに、ココロをゆるめに、四万十に戻ってきてくださいね、と。

 

「人生をちょこっと休みたいな、思うたら、ここへ来たらええよ。

自然のもんのいろんな姿が見える。自然のもんは長いこと見よっても、飽きることがないけん。

いろんなことがじこじこわかるいうことは、元気の素にもなるけん」野村春松


晴れ女子と初夏の川

2024-05-23 | ・最新のお知らせ・イベントなど

「晴れ女子と初夏の川」2023年初夏のツアーレポート再掲です

 最高気温26、3度。

 「山青葉 ひかる水面に 笑顔咲き」

もう夏のような強い陽ざしに、青葉かがやき、風ひかる四万十川をカヤックでくだりました。

笑顔もキュートな3名のゲストとともに。

コースは、口屋内沈下橋スタート~勝間沈下橋ゴール。漕行約6キロ。

RSB:半日コース(集合時間が選べる。今回の集合時間は、8時30分)。

 初めての四万十川、初めてのカヌー(カヤック)が、天気に恵まれてよかった、よかった。

前日までの天気予報は、曇り一時雨。雨に降られることをカクゴしてたのに・・・。

青空をつれてきた、晴れ女子(たち)です。

 スタート地点の口屋内沈下橋の川原で、パドルの漕ぎ方&乗り降りなどの講習。

そのあと、トロ場(ゆるい流れ)で少しならして、さぁ、川くだりスタート!

はじめてのるカヤックに、水のながれに、ドキドキ、ワクワク。

キャーキャー!ワァ―ワァ―!嬌声がひかる水面にひびきます。

 四万十川の水位は、ほぼ平水。水の透明度は、良(この時期にしては)。

手をつける、とヒンヤリ心地のよい川面の水温は、22度。

強い陽ざしは、もう夏。パドルでバシャバシャ水かけっこも愉快な季節に。

 グンと広くなった川に、今日は北寄りの風が吹いてます(カヌーには追い風)。

風に、流れにまかせて、ゆるゆるいこう。

 川原に上陸し、もぐもぐタイム。

シャビシャビ(凍らせておいた)のポンジュース。しまんとまろんぱい。小夏。

 勝間沈下橋でゴール。

花おおい初夏の川に、ゲストの笑顔の花もたくさん咲いた約3時間のツアーでした。

晴れ女子の皆さん。はじめての四万十川&カヌーを、(半日でしたが)のんびり楽しめましたか?

四万十は、なかなか遠いところですが、ぜひまた遊びに来てくださいね。

*Tさん。画像DVDは、5月24日に発送(普通郵便で)しました。お楽しみに~


南の川から(気まぐれダイアリー)5月23日

2024-05-23 | 南の川から(気まぐれダイアリー)2024

  最高気温21、8度(最低気温17、5度)。小雨のち曇り。

午前中の四万十は、ポチャポチャと弱い雨がふってましたが、

雨がやんだ昼さがりの空は、少しづつ明るくなって、おっ、夜には晴れるかも?と期待をもたせてくれます。

今夜は、満月(フラワームーン)なのです。

 

流域の人口が少ない四万十川。

その川原は、家灯りや外灯などの明かりの影響がちいさく、夜がしっかりと暗く、月本来の明るさを体感できます。

そんな、月や星を見るにもよい川原で、

焚き火にあたり、お酒でも飲みながら、フラワー・ムーンをのんびりながめるのも、またヨロシです。

ごろごろ石の川原では、コットを使うとカイテキですよ。

 

「あなたは、ごきげんよろしいほで、けつこです。

23日、ちんかばしのかわらでおつきみしますから、

おいでんなさい。とびどぐもたないでくなさい」。さのねこ 拝

♪きれいな月だよ出ておいでよ 今夜も二人で歩かないか♪

よい月が見える夜に、家にいるのは、すこしもったいないような気分になります。

そして時に月は、ムーンライト・マジックで僕らを別世界につれていってくれます。

 

四万十川で。

月夜の川にカヌーをすべらせ、ムーンライトながれる水面にこぎだす。

月光に、青白く浮かんだ川原。シルエットになった低い山々。

聞こえてくるのは、鳥と獣の声、風と瀬の歌、パドルの音。なんて魅惑的な、ムーンライト・カヌー。

月の岸辺にあがり、シングルモルトウイスキーをいっぱいやれば、思わず月に吠えたくなる。

 

熱風大陸で。

月夜のアウトバックでバイクにまたがり、ムーンライトつくる月大陸を走る。

月光に、白々とだまりこむ土獏。シルエットになった灌木。

聞こえてくるのは、愛車の鼓動、風をきる音。なんて幻想的な、ムーンライト・ライド。

月の丘にのぼり、ビールをいっぱいやれば、思わず笑うオトコに吠えたくなる。

*豪州では、月の模様は「笑う男」と呼ばれている。

 

冬のスキー場で(こもっている時)。

月夜の山にスキーをすべらせ、ムーンライトてらす(クローズされた)ゲレンデをくだる。

月光に、ほの白くひかる雪面。シルエットになった森と山々。

聞こえてくるのは、スキーのすべる音、風をきる音。なんて夢幻的な、ムーンライト・スキー。

月の急斜にすわり、ワインをいっぱいやれば、思わず月に吠えたくなる。

 

ムーンライト・マジック。

しばし憂き世をわすれて、別世界にうたかたの旅をするのも、またオツなものですね。


ほたる夜のキャンプツアー

2024-05-22 | ・最新のお知らせ・イベントなど

「ほたる夜のキャンプツアー」いつかの初夏に書いたツアーレポート再掲です。

四万十は、そろそろほたるの季節に。

  最高気温25度。

 「ほたる夜のキャンプツアー」。5月最後の週末、

アークは、カヌー&キャンプで、初夏の川とホタルの光を楽しむツアーをおこないました。

 

「五月雨を あつめてはやし 四万十川」

四万十川は、前日のややまとまった雨で、水位が少し高くなってます。

笹濁りの速い水にのったカヤックは、パドルを漕がなくてもスイスイと川を下ってゆきます。

下るペースがかなり速い今日は、いつもより下る距離をグィ―ンとのばしました。

川面の水温21度(増水してるのでやや水温が低い)。

 晴れて陽射しがきつくなった川は、強い北西の風がふいてます。ビュウビュウと。

そんな、強風時の川原でキャンプするときは、

天幕(タープ)やテントなどの装備が、強い風にふき飛ばされぬよう注意が必要です。

しかし、強い風の中でも、

もう一人のガイドのカズ君(四万十放浪王)のかつやくで、快適なベースキャンプがつくれました。

 日が暮れると気温がグンと下がり、この季節にしては涼しい・・・。

そのせいか、ほたるの光は少なめで、期待してたほどの数は見られませんでした。

「うーん、ザンネン・・・」

でも、つぎの週末は満月だし、梅雨空に見舞われる可能性も高い。

(満月時や雨天時は、ほたるはあまり飛ばない)

自然相手のツアーのむずかしいところです。

 

 夜が深くなると風も止みました。

ロケーションも素晴らしい川原で半月を愛でながら、

飲み、食べ、語れば、ほたるキャンプの夜は、ゆるゆると更けてゆきました。


南の川から(気まぐれダイアリー)5月21日

2024-05-21 | 南の川から(気まぐれダイアリー)2024

 最高気温32、7度(今年最高)。

最低気温は、13、1度(気温差は、19、6度)。

四万十は、今日も晴れ。

夏のさきがけのようなヤル気にみちた太陽が、照りつけました。ジリジリと。

草むしりをして大汗をかいたさのは、

スッパダカになって、今年初、水道水を頭からザブザブとかぶりました。

ひゃー冷てぇ!おいなりさんもちぢむぜよ。でも、気持ちよか。

濡れたカラダのまま、ベランダのコットの上でトド化して、ぼんやり空を見ていたら、

「沖縄、奄美地方が梅雨入りしました」とラジオから聞こえてきました。

 

梅雨入りの沖縄・奄美 いきなりの大雨 土砂災害・低地の浸水・川の増水など十分注意(気象予報士 日直主任)

今日21日(火)、沖縄・奄美地方で梅雨入りの発表がありました。すでに大雨となっている地域もありますが、沖縄・奄美地方では、この先しばらくは雨の降りやすい天気が続き、...

tenki.jp

 

四万十も梅雨近し、か・・・。そんなコトを思えば、

雨の季節に読みたくなる一節が書いてある本を、本棚から取りだしてふたたびコットの上へ。

「彼は一年にすくなくとも一度は、オートバイで雨のなかを走り、

ずぶ濡れになりたいと感じていて、ほとんどいつも、その感じているとおりにしている。

春おそくから夏の終わりまでの季節にかぎられてくるけれども、

どしゃ降りの雨のなかで愛車ごと、どこもかしこも濡れまくるのは、悪いことではない」

 

「日本語には、雨を形容する言葉が多い。

言葉にあるとおりの雨をひとつずつ体験したいという希望が彼の内部で燃えているようだ。

そして、雨に関するいまひとつの希望は、梅雨なのだ。

沖縄が梅雨入りをするころ、九州の南端で愛車とともに雨を待ちうけ、

九州が梅雨入りしたら、その雨とともに北上してゆく。

中国、四国、山陽、紀伊と、梅雨エリアの広がりにつれてオートバイで走っていき、雨と追いつ追われつする。

こんな調子で本州の北端まで雨とともに走って日本の雨を体験し、

北海道にむかって海峡をこえるころ、雨に別れを告げる。

そして、雨のない北海道で初夏をむかえたのち、本州に帰ってきて、

九州の南端まで、別ルートで走りなおす。こんどは、梅雨明けの夏のなかを走る。

こんなふうに、彼にとって重要な季節感とともに走るツーリングが、彼の希望であり夢であるのだ」。

「彼の後輪が滑った」片岡義男著

梅雨から夏の終わりまでの季節にかぎられてくるけれども、

どしゃ降りの雨のなかでカヌーごと、どこもかしこも濡れまくるのも、またよい経験ですよ。

*レインウェアは必携です。


南の川から(気まぐれダイアリー)5月20日

2024-05-20 | 南の川から(気まぐれダイアリー)2024

 おはようございます。四万十は、晴れ。

雨あがりの川辺は、雨粒をまとった若葉が、花が朝日にキラキラかがやいてます。

川へ。センダンの小花で埋めつくされた川原にぬける細道をゆけば、

ちょっとこーい!てっぺんかけたか!とニギヤカな声(聞きなし)が聞えてきました。

今日の最低気温は、13、5度。

ホタルブクロの花も咲きはじめています。南国土佐は、もうすぐ雨の季節です。

 

 最高気温30、9度(今年最高)。午後も晴れ。

先週までのカラっとした暑さはどこへやら。

(真夏日となった)今日の日中は、少し蒸す暑さとなって、ああ、もうすぐ梅雨なのね・・・と感じます。

なまぬるい空気の今宵は、ホタル(ゲンジボタル)もよく飛ぶコトでしょう。

 

「そろそろ梅雨支度をしなくては・・・」

雨樋を掃除したり、(冬用の)カーペットを洗って干したり。

でも、よい天気にカラダがうずいたさのは、

エイヤ!と外にとびだして、岸辺の細道を1時間ほどノロノロと走りました。お腹の夏支度のために。

 

ギラリ照りつける太陽のした、

道端にすくっと背を伸ばしはじめたヒメジョオンの白花が、あたたかな南風にゆれてます。

ギュウイ、ギュウイ。風にのって聞こえてくるのは、ハルゼミの鳴き声。

走りおえたあとは、川原へおり、たっぷりと汗をかいたカラダのまま、

少しのためらいのあと、思い切って川の浅瀬に飛びこむ。ザブーン!うっひゃ、冷たっ気持ちE!

バーカ!といってトンビが、頭上をとんでいきました。

 

ギラギラ太陽と蒸し暑さは、川遊びには最高のパートナー。

長雨が、湿気がうっとおしい季節をむかえる南国の川ですが、

晴れていれば、バシャバシャ川遊びも、うれしたのし季節でもあるのです。

 

梅雨~真夏の晴天時のアークツアーでは、キレイな支流でのシュノーケリング、

手長エビさがし、沈下橋ダイブなど、いろいろなタイプの川遊びが、のんびりたっぷり楽しめますよ。ぜひ。

*沈下橋ダイブは1日コースのみ。


レターフロムS13 ホタルの川とトホホな海

2024-05-20 | レターフロムS

「レターフロムS13 ホタルの川とトホホな海」再掲です。

 5月の第3週。

日本の南海上を北上する台風の進路がとても気になります。

週末には、ツアーが入っているのです。

こまめに気象サイトとにらめっこをする僕は、その予想進路に一喜一憂。

参加者とフィールドの状況についてメールでやりとりしながら、

当日の四万十川の状態を予想し、ツアー可否の最終判断をしなくてはいけない。

去年、この時期に台風に直撃された川は、

沈下橋が泥水にもぐるほど増水し、まだ小ぶりなアユやホタルのさなぎは流されてしまいました。

 

 台風は、当初の予想進路よりも大きく南の海上にそれそうです。

でも、前線が四国にかかっているため、大雨(雨量)がシンパイ。

ダダッ!ダダッ!

屋根をたたく雨音が強くなる度に、チッ!と舌打ちをしてる自分に気づき、思わず苦笑いです。

いつもは恵みの雨とか言ってるくせに・・・・。

「ドント ウオーリ マイト!」 「ティキリィジィ!take it easy」ですね。

 週末は天気が回復しました。

シンパイした川の水位は、少し高くなったていどですみました(水は笹濁り)。

予想よりもいい状況のフィールドに、ホッとしました。

土曜日のツアーは、空が曇りがちで少しザンネンだったけれど、日曜日のツアーは、バッチリ晴れてラッキー。

最高気温27度。増水した水が残る川の水温は(平水時よりも低く)、19度。

初夏のまぶしい光、すきとおった風、ヒンヤリした水が、心地よいツアーでした。

カヤックから沈脱し川を流れたTさんは、水の冷たさと太陽のぬくさが身に染みる1日となったようですが。


 某日。

四国西南部、大月町柏島の海は、足摺宇和海洋国立公園の一画。

魚の種類も珊瑚も豊かな南国の海は、エメラルドグリーン。西日本人気ナンバーワン、ダイビングスポットです。

今日はこの美しい海で、関西からの修学旅行生達が、釣り、シュノーケル、シーカャックを体験。

僕は、シーカャックのインストラクターとして参加です。

準備段階の昨日は、夏を思わせる晴天だったのに、今日は曇天。おまけに風も吹きはじめました。あらら。

 

 もう1人のインストラクターとして連れてきた友人のテルミちゃんは、

今日がイントラとしてのデビュー戦。な、の、に2日酔い・・・。

青い顔をしてうつむきかげんのテルミちゃん、トホホなのでした。海にエサまかないでね。

240人を6クラスに分け、1クラス40人、各組40分のカヌー体験。

僕は、6~7分でチョー簡単に漕ぎかた、

乗りかた、漕げるエリアを教えたあと、子どもたちをカヌーに乗りこませ、海で遊ばせました。

 

 強い向い風に子どもたちは、すぐに風下に流されてしまう・・・。

わっせわっせと風上に漕いでもどり、ちょっと海とたわむれて、ハイ時間終了~。短っ!!

「主催者は、なんでこんなやりかたするのかな?生徒は楽しいのかな?」

これまたトホホ・・・なのでした。

まあ、大人数の修学旅行生の体験カヌーは、どこもこんなものでしょうけど・・・。

それにしてもここの海はキレイだ。 

今度はプライベートで、カヌーを漕いだり、シュノーケリングをしてのんびり遊ぼう、と思いました。


 5月29日。気象庁は、四国地方の梅雨入りを宣言。

いつもの年よりも、一週間早く四万十に雨の季節がやってきました。

その日の夕刻。友人に用事をたのまれ、上流の大正町まででかけた僕は、

用事をすませた後、帰路、ところどころでホタルの光りをながめました。

今頃がピークなのだろう。本流でも沢山の「ゲンジボタル」の光が舞っています。

水のきれいな支流は、さらに数がおおい。幻想的なホタルの命の点滅に、しばし時を忘れ見入ってしまいました。

 

 それから1週間後。

2人の素敵なゲストが、忙しい都会の日常をちょっと抜け出し、ホタルを見るため四万十へやってきました。

僕らが、黒尊川(四万十川の支流)上流、黒尊渓谷に着くころには雨がやみ、

やがて雲の切れ間から、青空も見えるように。ラッキー!ハッピー!

渓谷の新緑の森のなか、渓流の瀬音をききながら、夕食を食べ、お酒を飲み、夜の闇を待つ。

そして、あたりがしっかりと暗くなると、淡い光りを点滅させながら、ホタルがふわふわ飛びはじめました。

「うわっっ、キレイ!すごい!こんなに光るとは思わなかった」

と、ゲストの2人は、ほとんど初めて見るホタルの幻想的な光りにカンゲキ!

その声をとなりで聞いた僕は、「良かったぁー」とココロからうれしく思いました。

 

 渓谷付近ではホタルの数が少なかったため、さらに下流のポイントに移動。

下流では、数多くのホタルがその美しい舞を見せてくれました(先週のピーク時より数は少ないけど)。

黒尊から本流に向かう狭い道では、たくさんの鹿たちが車の前を駈けてゆく姿も見られました。

黒尊山塊:熊のコル 初夏

熊のコルには、ブナ林が残されてます。

 今宵の川は、ムーンリバーならぬスターリバー。

黒尊川から四万十川に移動した僕らは、星降る川にカヌーで漕ぎだしました。

黒々とした山の稜線にかこまれた夜の川。頭上には、無数の星がまたたいています(ホタル光も)。

ゆらゆらとワイン片手に、ゆるゆると夜の川を下ってゆけば、聞こえて来るのは風の声、パドルの音、野生の息吹。

なんだか別の惑星にまぎれ込んでしまったみたい・・・あまりに幻想的すぎて。

 

 翌日は、黒尊川の清らかな流れとたわむれて、のんびりと過ごした後、昼過ぎに解散です。

短い時間だったけれど(何度か昼間のカヌーツアーに参加しているゲストが)

四万十の夜の自然も堪能できたアレンジツアーでした。Mさん&Yさん、サンキュー!

 

*通常のツアーではナイトカヌーは行ってません(ホタルの季節、満月時などにツアーを提案することはありますが)。

もちろん僕は熟知したフィールドですし、シラフです(念のため。)


土曜の山と日曜の川 

2024-05-18 | ・最新のお知らせ・イベントなど

「土曜の山と日曜の川 」2015年初夏の記事を再掲です。

 

土曜の山と日曜の川 

 のちのち 最高気温27、0度

 

 「わっ、なんて幻想的な・・・」

僕らは、うっとりと大きなブナの木に見とれました。

それまで乳白色に閉ざされていた山に、風が吹き、霧が流れ、ブナの大木が姿を見せくれたのです。

やがて空はゆっくりと晴れてゆき、新緑のコルに木漏れ日が差し込んできました。

 

 初夏の土曜の午後。2名のゲストと、黒尊山塊、八面山~熊のコルのブナ林を歩いてきました。

『黒尊山塊は、四万十川の支流黒尊川の上流渓谷一帯に広がる山域の総称です。

黒尊山塊は、かつて四国の中でも有数の自然林として注目されてきましたが、

大正のはじめ頃より森林の開発がはじまり、自然林はだんだんとなくなって、

スギ・ヒノキ植林となり、その当時から残っている自然林の一部が、

現在、黒尊山自然観察教育林(国有林 310ha)として保存されてます』

フィールドガイド 四万十川より。

 

 雨予報だった週末の天気は、よい方向に予報がはずれました。

土曜日。青葉雨は昼前にはあがり、午後の山頂は霧も晴れ、青空が広がりました。

雨に濡れた新緑が、

陽にキラキラと輝く山肌で、ツツジの花の赤がひときわ鮮やか(シャクナゲの花は咲いておらず)。

山の上から、宇和海と九州が見えればパーフェクトでしたが、眼下はまだ霧の海。ザンネン。

 

 この山域に降った雨が、黒尊川の美しい流れをつくり、

四万十川の豊かな流れをささえ、土佐湾の多様な生き物をはぐくむ。

水の旅が始まる山を歩けば「これまでとは少し違う視点で川を見るコト」が出来るかもしれません。

 

 翌日曜日は,、カヤックで四万十川を下りました。

昨日、黒尊の山を歩いたゲストの二人は、今日が6回目の四万十川カヌー。

コースは、江川崎~口屋内まで約15キロ(レギュラーツアーの1日コース:8~11キロ)。

午前の川は、風がない。

美しい5月の風景を愛でながら、おしゃべりをしながら、水鏡の川をスイスイと下ります。

午後の川は、風が吹く。

後ろから前から吹く風の中、しっかりとパドルを漕いでゴールを目指します。

ゴールの口屋内沈下橋は、いまだ修理中なのでした。

 

最高気温27、0度(5月17日)。

四万十川の水位は、平水+20㎝。川面の水温は、21度。水の透明度は、△。


南の川から(気まぐれダイアリー)5月16日

2024-05-16 | 南の川から(気まぐれダイアリー)2024

 おはようございます。四万十は、晴れ。

「風がひやいねぇ」「ひやいっすねぇ」

チャリを走らせながら、散歩中のおんちゃんとアイサツをかわし、沈下橋へ。

朝っぱらの川は、北よりの風がビュウビュウと強く吹いています。

水面には、白ウサギが飛 び、止めた自転車は、吹きたおされ、キャップは、被ってられないほどの。

おーさぶい、冬かよ・・・。ぷるぷる。

うっかり薄着できてしまったさのは、はやばやと川から退散したのでした。

今日の最低気温は、14、0度。

冷たく強い風が吹く今朝の川は、冬のような風情が感じられました。

でも、季節はちゃんとすすんでいて、

昨夜の川には、ふわりふわり飛ぶホタル(ゲンジボタル)の光りが、チラホラと見られました。

南国四万十は、ホタルの季節となりました。

ホタルの光りの川を、カヌー(カナディアン)で下るのもオツな季節に。

 

 最高気温21、1度。午後も晴れ。

♪風が強い日 雲が流れてく 手をのばせば 届きそうな空に 鳥の群れが 遠ざかってく♪

今日は、風曜日。

吠える風は、ベランダの手すりに干した布団もふっ飛ばしていきました。あらら。

 

風の通り道でもある川は、強い風が吹くコトもおおく、風向きは、季節によって変化します。

晩秋~春は、北よりの風(西~北東)が、初夏~秋は、南よりの風(東~南西)がよく吹きます。

*季節によっては、朝と日中で風向きが変わるコトも。雨や曇天、秋の川は、風が凪ぐことがおおい。

 

あたたかい季節の南よりの風は、カヌーには向かい風です。

夏の平水時の四万十川下りは、長いトロ場(流れがゆるいところ)に吹く向かい風のなか、

わっせわっせとパドルを漕がないと、なかなか思うように下っていけないコトも多おおい。

そんな、夏風とトロ場が、距離を稼がせてくれないときの川では

・カヌーの距離を短めにする・川遊びの時間を長くする、とより楽しく遊べますよ。

 

先日(5月14日)のツアーも、昼から強い向い風に吹かれましたが、

14日の川は、いつもより水位が高く、流れがはやく、

あまりパドルを漕がなくても、スイスイ快適にくだれるので、長い距離をくだりました。

R1A(江川崎スタート1日コース)。最高気温28、2度。漕行15キロ。

 

自然のなかを流れる川は、天候、風、水量などの要素により、刻々と表情をかえます。

人間の都合には、あわせてくれません。

自然が(マザーネイチャーが)、ドラマをすすめていくのです。

 

*画像は、5月14日撮影。


感じるココロと5月の空

2024-05-16 | ・最新のお知らせ・イベントなど

*2010年初夏に書いた雑文です。期間限定公開。


  最高気温25度
 
 アップル社の携帯情報端末「ipad」が日本でも販売され、大きな話題となってますね。

もうひとまわりボディを小さくし、

防水性と耐ショック性能に優れた野外仕様の「ipad」があれば、僕もほしいと思います。

野外仕様の「ipad」は、山、川、海でフィールドワークをする時に、なかなか使えそうです。

今までは、背中のザックが、数種類の図鑑類でふくれ、重くなってしまった。

しかし、「ipad」なら、ボーダイな情報や画像をコンパクトに携帯できるので、身軽になるし、

樹木の名前、生き物の生態、特徴などをスバヤク調べることができ便利そうです。

 

 「ipad」は、ネイチャーガイドをする時も、

その場で、参加者に画像や音を使った説明が出来るので、とても役にたちそうです。

だけど、野外でこのような便利な情報を携帯する時は、気をつけないと便利な反面落とし穴も。

それは、「頭は知っているつもりになり、体とココロでの感じかたが浅くなる」というコト。

便利な情報がすぐそばにあることで、それにたより安心し、

実際に目の前にある物、現象をよく観察せず、感じず、なんとなく知ったつもりになってしまう。

「だいたいで覚えておけば、あとでいくらでも調べられるさ・・・」

しかし後には、薄い記憶しか残っておらず、知ったはずの名前もうろ覚えでしかなかった、という結果に。

それは、自然観察会などの参加者が「この花の名前は?この木は何て名前?」と、

ガイドに無邪気に質問するけど、あとで聞いてみると、

参加者は、聞いたものの名前をあまり覚えていない、というケースと少し似ています。

 

 僕がその落とし穴に落ちないように気をつけていること。

それは例えば樹木の場合。

期間限定公開終了。続きは、カテゴリー「レター&旅雑文」でご覧になれます。


南の川から(気まぐれダイアリー)5月12日

2024-05-12 | 南の川から(気まぐれダイアリー)2024

 おはようございます。四万十は、雨。

シトシト降る初夏の雨が、鮮緑の若葉を、花をしっとり濡らしています。

こんもりとした庭の林では、深くなったクリの花穂の黄が、目立ちはじめています。

「ここいらはクリの産地じゃけん。黒尊でも四万十川沿いでもクリの木はようけある。

大正町にいったら、「ダバダ火振」いうてクリ焼酎をつくちょる酒蔵があるけんど、

それほどクリの木はようけあるのよ」野村春松

 

ラジオを消して、コーヒー片手にベランダにでれば、聞こえてくるのは、雨音、鳥と蛙の歌。

さて、これから雨はどれくらい降るのだろうか(午後は、大雨予報。明後日はツアーの予定が・・・)。

じっと雨空を見る。

今日の最低気温は、16、9度。

 

Happy Mother's Day!

 

 最高気温20、5度。午後も雨。

午後になると雨は、ザァザァと強く降る時間がふえてきました。

これから深夜にかけての雨量がシンパイなさのは、

ちょくちょくしつこくネットで予報を、雨雲レーダーをチエックです。

そんな短い時間では、予報が変わらないのは、頭ではわかっているのですが・・・。

明後日のツアーがおこなえるか、どうか?雲行きのあやしさに、気持ちざわつくナーバスな水商売です。

 

こんな気持ちが落ちつかない時間をうっちゃるには、

料理をするのがイチバンさ、とスカスカの冷蔵庫から(もう10日以上買い出しにいってない)、

冷凍の三枚肉のカタマリをとりだし、解凍し、ダッジオーブンでラフテーをつくりました。じっくりコトコトと。

♪だ・け・ど・も 問題は 今日の酒 ビールがない♪ なんてこった・・・哀号。

最寄りのスーパーまでは、車で25分。しかも、ザァザァ降りの雨。ああメンドーだ・・・。

過疎地暮らしの不便さを、しみじみ感じる雨の夕方です。

誰かビールを持って来てくれませんか(笑)。美味しい(たぶん)ラフテーをご馳走しますよ。

 

17時30分。

上流大正町の累加雨量は7ミリ。四万十川の水位は、平水+80cm(川登)


レターフロムS1

2024-05-11 | ・最新のお知らせ・イベントなど

「Letter FromS 1」  期間限定公開です

2003年 5月30日

 皆さん、お元気ですか?

「Letter FromS」は、アーク佐野がつづる、四万十フィールド身辺雑記です。

 

 台風4号が近づく四万十は、昨日の午後から風がブンブンと暴れはじめました。

今朝は、よこなぐりの風雨に大きくざわめく木々の音で目がさめました。

雨と風は、時間がたつにつれイキオイを増して、やがて暴風雨に。

台風は、はやければ今夜中にも四国に上陸するとの予報。

四万十川のほとりに移住して4年目。今シーズンは何回沈下橋がつかるかな?

 

   

沈む高瀬沈下橋             友人一家             

 

 先週と今週は、「江川崎カヌー館」&「かわらっこ」で、

カヌー体験にきた修学旅行生相手のインストラクターをしていました。

今週の川は、天気&水量(やや増水)に恵まれず少しザンネン・・・。

それでも生徒達は、歓声をあげ、カヌーを漕いだり、沈したり、

沈下橋から飛び込んだりと、つかの間の四万十川カヌー体験をそれなりに楽しんでくれたようです。

では。

 

5月31日

 灰色の雲の群れが、空いっぱいにのんびりと流れていきます。

今朝は、台風一過の青空とはなりませんでした。

四万十を直撃した台風の風雨が、家の雨戸を激しくたたいた昨夜は、

起きていようと思っていたけど、結局、睡魔には勝てず。2時頃には夢の中、zzz・・。

 

 9時、写真を撮りに家を出発。

30日の写真は、前回増水した時のもの。今回は、それよりさらに2メーターほど水位が上がったようです。

沈下橋は、完全に泥水に沈み、村や国道ひくいところ、

かわらっこの一番下のキャンプサイトは、茶色く濁った水につかってます。

トロ場がなくなった川は、川幅いっぱいに、ザァザァと一気にはやく流れている。

すげーっ!僕はその流れの迫力に、しばしボーゼン。

「早く青空が戻らないかなぁー」と思いながら空をながめた午後でした。

では。

 

6月3日

沈下橋からながめる青空を、薄雲がのんびり流れていきます。

足元の川は、かなり水位がさがりましたが、はやく流れる水は、まだ薄茶色に濁ってます。

 

今日は、今月3本行う専門学校の研修プログラム、

「シーカヤック&シュノーケリングコース」の下見で、土佐清水市以布利に行って来ました。

このプログラムには、三崎のダイブショップ「シーサークル」のスタッフとして参加します。

1 衣布利漁港内でシュノーケリング。

2 マンボウ(5匹いる)とたわむれた後、カヤックにのり3~4キロ海を漕いで大城の浜へ上陸。

3 カャックで波乗りを楽しんで、大城の浜でゴール。

南国のきれいな空、海、白砂青松の大城浜(1、6キロの砂浜)を満喫できるプログラムです。

*マンボウは8月はじめ頃まで。

8月初句からは、ジンベイサメとシュノーケリングも可(ジンベエの捕獲状況にもよる)。

アークでは、シーサークルさんの提供のもと、このプログラムを利用できます。

この夏は、川と海、両方を楽しめるツアーをやりたいなぁー、と考えています。

では。

 

    

以布利港マンボウ 手を叩くと寄って来る      大城の浜

 

 梅雨入り直前のある日。

シーカャックで、日本一周中の武田君が中村に寄港しました。

彼は、僕の年下の友人で 東京都出身。

冬は、テレマークスキーのガイド(かかとを固定しないスキー)。

夏は、シーカャックのガイドの仕事をして生計を立てている。

カナダで暮らし、極北の大河ユーコン川を下った経験を持つ。

 

 カナダから帰国した彼は、もっと自分の国を、自然を知りたくなった。

そして、「海に囲まれた日本を、単独、人力で旅をするには、シーカャックが最適だろう」

と去年の4月に、シーカャックでうしゅ日本一周の航海をはじめた。

 

  

中村に到着             やまもも 今が食べごろ       黒尊渓谷 

 

 伊豆をスタートし、太平洋を北上。

北海道をまわり、昨年12月に島根まで到達するが、冬の荒れる海に旅を一時中断。

今年の4月にふたたび航海をはじめた。

*彼の旅の記録は、「西伊豆コースタルカャックス」のホームページでご覧になれます。

 

 我が家に2泊の予定が、荒天のためなかなか出港出来ず、約1週間の四万十滞在となった。

近くに住む友人もさそい、3人で初夏の風が気持ちよい四万十川をカヤックで下った。

沈下橋から飛びこんだり、手長エビを捕ったり、遊びながらのんびりとゆく。

ひさしぶりの淡水での川遊びにコーフンした彼は、

ニコニコしながら、僕に水をかけまくったり、カヌーを沈させたり、とはしゃぎまくった。

シャツの背中がめくれあがったまま、夢中で手長エビを追いかけるすがたは、まるで子供のようだ。

僕らは、捕った手長エビを焼き、ビールを飲んだ。

次の日は、四万十の支流の中でも、透明度がもっともよいといわれる黒尊川で遊んだ。

 

 夜、二人で酒を飲みながら、彼の旅のハナシを聞くのは楽しかった。

出発の日。四万十川の河口から海に出港する武田艇を見送る。

土佐湾に小さくなる彼のすがたを見ながら思う。「僕も今シーズンからアークという船で航海をはじめたんだ」と。

「きっと、人はいつも、それぞれの光を捜し求める長い旅の途上なのだ」星野道夫

では。

 

  

この先の航路をチェック       ジンベイも見ました         再び太平洋へ
   


屋根の上のカヌー漕ぎ(梅雨がくる前に)

2024-05-09 | ・最新のお知らせ・イベントなど

2019年初夏に書いた「屋根の上のカヌー漕ぎ」再掲です

時々 最高気温27、3度 

 ♪ツユも近づく八十八夜♪ 

雨の季節がくる前に、ボロ家の屋根瓦にペンキを塗ってます。

パドルを刷毛に持ちかえて、高いところがニガテなカヌー漕ぎ(生業)は、こわごわと。

どんより雲の間から初夏の太陽が顔をだせば、屋根の上はもう真夏の暑さです。

照りつける陽ざしに頭がクラクラするけど、急斜面の屋根の6メーター下は、地面・・・。

ペンキの刷毛を握ったまま僕は、屋根の上でフリーズです。ぷるぷる。

雲さん、はやいとこ太陽をかくしておくれ。

 

 屋根から見える少し遠くの山肌は、新緑、濃緑、褐色にいろどられ、

足元の庭では、ビワの実とクリの木の花がうっすらと黄色く色づきはじめています。

さわやかに甘くシトラスが香る風。ブンタンの花が満開なのです。

 眼下の苗の緑が風にそよぐ田圃(村の低いところ)は、

2005年の晩夏に、四万十川が大増水(洪水)したとき、

泥の湖になりました(平水+13メーター。戦後2番目の大増水とのこと)。

この村は、川が大きく増水すると、水に浸かりやすいところで、古くからの家は、少し小高い場所に。

2階家にして、一階を倉庫や車庫している家もけっこう見られます。

2005年の洪水のときは、我が家の右ナナメ下に建っている比較的新しい家も、床上まで浸水。

わりに小高いところにある2階だての我が家でさえ、一階倉庫の中ほどまで泥水に浸かってしまいました。

(僕は、20年ほど前にここに移り住んだ)。

川沿いで家を借りるときは、川が暴れた時に、家が水に浸かるか?どうか?をよく調べたうえで、借りましょうね。

あ、そうそう、山に囲まれた狭い土地なので、日あたりがイイか?どうか?も大切な要素ですよ。奥さん。

 ふたたび厚い雲に陽が隠れて、ほっとした僕は、ペンキ塗りを再開しましたが、

「築ン十年であろうボロ家も、あと何年もつのかな?

南海地震がきたら、こんな古い家は、ソッコーでペシャンコになるだろうな?」

そう思うと、なんだか無駄な作業をしているような気になって、やる気もプシュ―と萎んでゆきそうです。

でもね・・・だけど・・・しかし・・・。

「ああっ、そうだ、ベランダ屋根の波板と網戸も張り替えなきゃ・・・」

 苦手なコトでも、面倒くさいコトでも、

無駄(と思えるような)なコトでも、なにかとDIYな、川のほとり(僻地の)の暮らしです。

工夫しなくてはね、楽しめるように。ぼっちぼっちと。

ホタルと雨の季節は、もうすぐそこまできています。


南の川から(気まぐれダイアリー)5月8日

2024-05-08 | 南の川から(気まぐれダイアリー)2024

 おはようございます。四万十は、晴れ。

分別ゴミをゴミステーションに出したあと、川へ。

深くすんだ青い空、鮮緑かがやく山、薫風ふきぬける川。美しく心地よい五月の朝です。

大きな橋の上で大きく深呼吸する頭のうえで、トンビが高く風乗りしてます。気持ちよさそうに。

家にもどる。途中の草むらに、赤い実がいくつか見えました。クサイチゴです。

いくつかつまめば、ほのかな酸味とさわやかな甘味が、口のなかに広がりました。初夏やねぇ。

今日の最低気温は、12、5度。

 

 最高気温23、0度。午後も晴れ。

初夏の陽と風が心地よい昼下がりは、ぼおっと空、山、川をみてすごす。

「空の青さをみつめていると 私に帰るところがあるような気がする

だが雲を通ってきた明るさは もはや空へは帰ってゆかない」谷川俊太郎

 

そして、ふっと気がつきゃ、あらっ、もう夕方・・・。

でもこの季節は、夕景もイイんだよなぁ。

夕闇のベランダで、ワインでも飲みながら星の劇場の開演を待ちますか(今夜は新月だ)。

ここには、ゆったり流れる川と時間、そして美しい星空があります。

10月撮影。