アーク・フィールドブック

四万十フィールドガイド・ARK(アーク)のブログ

冬が来る前の川で

2008-11-22 | アークツアー 秋~晩秋

 最高気温15度。

 「あーぬくいなぁ~。陽がさしてきたら、気温が全然違いますねぇ・・・」

どす黒い雲のあいだから、太陽が顔を見せはじめました。

曇天の冷えた空気のなか、

川原で僕らが、昼食の「ローストビーフ・サンドイッチ」をほうばっていた時のコトです。

 

 めぐみの陽射しに僕は思わず、こんな歌をくちずさんだ。

♪ I can see clearly now the rain is gone 

I can see all obstacles in my way

Gone are the dark clouds that had me blind

It's gonna be a bright (bright) bright (bright) sunshinin' day

It's gonna be a bright (bright) bright (bright) sunshinin' day ♪

雨は去り視界は良好 行く手を遮るものは何もない

立ちはだかっていた暗雲は消え そして太陽が降り注ぐ光り輝く日々がやってくる

『I can see clearly now』映画クールランニングのテーマ曲。テキトーな訳:アーク佐野。

 昨日までの、季節外れの木枯らしと寒気がゆるんだ今日。

僕らは、晩秋の川をカヤックで下りました。

ゆるんだといっても、気温は、12月半ば~後半なみの低さでしたが。

 

 曇った午前の川は、無風。水面は、水鏡。うーん、空気がひやい。

晴れた午後の川は、ビュウビュウ北風。水面は、さざ波。うーん、風がひやい。

寒い季節の川は、陽があるか?ないか?風表か?風裏か?で極端に気温がちがいます。

(イチバンあたたかいのは、陽がある風裏ですね)。

そんな川面の水温は、12度。おおっ、さむっ!

*ちなみに2月は8度。GWは21度~23度。真夏は29度~31度。

 

 水量が少なく水温が低い季節の川下り。

その時は、出来るだけ「Keep dry Don’t get wet」を心がけます。

(これは雪のフィールドで活動する時も同じです)

夏場とちがい、沈をしたり高い波で体がずぶぬれになるのは、やはりあまり楽しくありません。

(とはいえ、気をつけても多少は水に濡れてしまいますが。Mの人には快感かも)

 江川崎スタートのコースでは、初っ端にある波の高い瀬で最初から水に濡れすぎます。

(今日の気温と水温では)このコースは、不適当と判断しました。

 

 今回下ったのは、口屋内沈下橋~川登大橋まで。約11キロ。

このコース、瀬らしい瀬は4つ。景色良し流れ良し。

3つの沈下橋を通過する、晩秋~冬にかけての、オススメ・コースです。

*スペシャルサンクス テルミちゃん。

冬には冬独特の川の表情があります。

釧路川、西表島などでも漕いでる二人。うーん、いいっすねぇ~。

次回は、また違う季節の四万十川を楽しんで欲しいなぁ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

北風のダイアリー

2008-11-19 | 四万十川 秋

  最高気温10度。

 ビュンビュンと空を飛んでゆく、どす黒い雲。

ゴォーゴォーと川を吹きぬけてゆく、冷たい北風。

沈下橋の上をナナメにぶっ飛んでゆく、雨粒。おおっ、さむっ!先週のぽかぽか陽気は、どこへ・・・。

あまりの風の冷たさに僕は、競歩のような速いペースで朝の散歩です。

今年一番の寒気が、例年より一足早く四万十に冬を運んできました。

 

 夜。南国仕様の我が家は風通しがよく、スースーとスキマ風がよく入り冬はうすら寒い。

ダッジオーブンでおでんをつくり、食べ、体をぬくめました。

おーこれでしばらくは、おでんな日々なのだ。

(ダッジオーブンは蓄熱率が高く、なかなか熱が冷めないところが良いですね)

 「これくらいの寒さがなんだ」

えいやっ!と煎餅布団の毛布に包まるが、

階下の艇庫からの冷気が、スキマだらけの床を抜けジワッと背中にしみてきます。

「うーん、背中がひやい・・・」

さあ、そろそろ部屋の中に小さなテントでも張ろうか?それとも薪ストーブか?

この寒気も、明後日には去り、週末にはおだやかな日差しが戻るようですが。

画像は何年か前の晩秋の川にて。

よくこのブログを見てくれているOさん、気の利いた小さなプレゼントをありがとう。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ぬくい秋の日

2008-11-13 | 黒尊渓谷 黒尊山塊(春秋冬)滑床渓谷

 最高気温25度。

 「今日は、ぬくいねぇ~」

昨日と今日は、近所の方と、そんな挨拶を何度もかわしました。

このところの四万十は、曇りがちで、うすら寒い日が続いてましたが、

この両日の空は、スカッと晴れ、あたたかな陽ざしに恵まれたのです。おまけに風もない。

陽ざしが暑いベランダで短パン一丁になった僕は、すっかり色がさめた肌を秋の陽にさらしました。

あ~E気持ち!今日は、最高のカヌー日和なんだけど・・・。

 

 車を走らせて、黒尊渓谷の紅葉を見に行きました。

国道441号を北上。口屋内村に入る手前の小さな食堂「かわせみ」に寄りうどんを食べる。

店内に入ると、今夏もアークのガイドを務めてくれたカズ君とばったり。

わおっ!なんという楽しいハプニング。

 この店は、小さな建物が岸の斜面から四万十川にせり出すようなつくりです。

そのため、店内からの川の景色がなかなか良い。

真夏でも、店内を川風が吹き抜けるのでエアコンはいりません。

僕は、プライベートはもとより、ツアーでもこの店で昼食を食べるコトがあります。

しかし、その「かわせみ」も今年いっぱいで店を閉めることに。うーん、ザンネン。 

 黒尊渓谷の紅葉は、八分といったところ。

紅葉する樹木にまじって、

ウラジロガシなどの常緑樹が、青々と葉を茂らせているのがオモシロイです。

青い空と紅葉のコントラストが素敵です。

今日の四万十川。水量は少なめ。

ヌルデ。小葉の中軸の間に翼があります。

アナグマがのろのろと目の前の道を横切って、川をフェリーグライドしてきました。

コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ブナ林が黄葉する熊のコルで

2008-11-06 | 黒尊渓谷 黒尊山塊(春秋冬)滑床渓谷

時々 最高気温23度。

 「何かめずらしい物でもあるの?」ブナ林の尾根で、年配の女性がすれ違いざまに僕にたずねた。

「いや、えーと、葉が・・・もごもご」。ふいをつかれた僕は返答に困った。

その時僕は、尾根のブナ林に落ちていた一葉のブナの葉を手にとりジーッと見てた。

特に珍しいものは、なにもない。黄葉した小さなブナの葉を角度をかえて見てただけだ。

「あ、そう」

山歩きのベテランを思わせる格好をしていた年配の女性は、立ち止まるコトもなく

ザザザッと落ち葉を鳴らして、まるで競歩のような早足で登山口方面へ歩いて行った。

 

 つい1時間程前だろうか。

この近くで僕は、今とは逆の方向からやって来たその人とすれ違い「こんにちは」と挨拶したばかり。

「速いなぁ、もう三本杭山の頂上に行ってきたのか?いや、こちらが遅すぎるんだな・・・」

僕は今回もまた、ココロ誘われるままに寄り道してゆくのんびり山歩き、になっていた。

当初の目的地である三本杭山の頂上は、早々と登るのをあきらめていた。

「まぁ、いいや、茶でもわかそう」

空気がヒンヤリとしている黄葉の尾根に、午後の木漏れ日が差しこんでいる。

風が吹いて枯葉が舞い、パラパラと頭の上に落ちてきた。

 

 「そろそろ黒尊の山は、色づいたかな?」

11月の初旬のよく晴れた日、黒尊山塊のブナ林を歩いてきました。

八面山(1165m)~三本杭(1226m)の尾根(熊のコル)のブナ林は、

黄葉のピークを少し過ぎ、すでにその葉を落とし始めていました。

それと入れ替わるように、モミジ類の鮮やかな紅葉は、まだこれからといったところ。

今回は、全体的に黄葉が主役の山でした。

 黒尊山塊は、口屋内村で四万十川に合流する黒尊川、その渓谷一帯に広がる山域の総称です。

このあたりの山は、近年、森林の開発によりスギやヒノキの植林地帯が多くなり、自然林が少なくなった。

しかし、その自然林の一部は「黒尊山自然観察教育林」として残されている(熊のコルのブナ林など)。

そこでは、シイやカシの暖温帯~ブナなど冷温帯までの植生の変化が見られます。
 

 年平均気温が高い四万十川本流沿いの山は、植林のスギやヒノキが多数を占めます。

その次に多いのが、シイやカシなどの常緑樹。

本流沿いでは落葉樹は少なく、低い山や川岸の紅葉はとても地味です(ウルシ類、エノキ、クヌギなど)。

しかし、標高が高く平均気温が低い黒尊渓谷周辺~上部では

・ブナ・カエデ類・ハリギリ・ミズナラ・サワグルミなど紅葉(黄葉)する落葉樹の姿が多く見られます。

秋には、それらの紅葉が山や尾根を美しく彩ります。

 

 また、黒尊山塊には黒尊川の源流もあります。

この山々に降った雨が川となり、山の栄養分を下流に運び、頼りなくもまだ豊かな川と海を養っている。

四万十には、山、川、海の繋がりの面白さが、まだ残っているのです。

*熊はこの山域では、もう姿を見ない。ブナは四国の最西南限。

ブナ林と笹の小道をゆく。

実は黄葉時よりも冬芽の森の方が好きです。

ふた抱え以上あるブナや高木があって嬉しい。

黒尊川源流付近

こんな時は、一眼のデジカメが欲しいなぁ・・

眼下には、秋の午後の日差しに鈍く光る宇和海。

コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする