最高気温26度。
カヤックの上で帽子をぬぎ、空を見上げてじっと目を閉じました。
まだ、晩夏を思わせるまぶしい光が、まぶたにじわっと染みます。
そよとも吹かない風。つるりと鏡のような水面。
僕らをのせたカヤックは、水面の空と山をゆがませてゆっくりと下ってゆきます。
秋も深まる10月の終わり。「焚火キャンプ&カヌーツアー」のワンシーン。
晴天が長くつづいた四万十は、川の水量が少ないけど、水の透明度がとてもグッドです。
艇の上から僕は、パドルを川に突きさしてみた、でもパドルは、川底に届きません。
水の透明度がよい今日の川は、川底が浅く見えた、でも、思ったよりも深いようです。
(高い水の透明度に、僕の感覚がズレてしまったのだろう)。
4メーター程の川底が、はっきりと見えました。
大きな鯉がカヤックの下をゆったりと泳いでゆく。
川岸では、サザンカが白い花を咲かせ始めています。
わぁっ、もうそんな時期なんだ。時のながれは、はやいなぁ・・・。
景色の良い川原にテントを張った僕らは、火をかこみ、食べ、飲み、話す。
川原には他のキャンパーの姿なく、今夜は僕らの貸切です。
山の上には、三日月。頭上には、ペガススの秋の大四角形。
夜が更けてくれば、スバルも宝石のような輝きを見せてくれました。
僕は、テントを張らず、焚き火のかたわらにマットを敷きシュラフに包まった。
「時には星の下で眠る」。そんなタイトルの小説があったなぁ、と思いながら。
眠りに落ちるまで、夜空を流れてゆく星をさがしました。
晴天率高く夜が少し冷えるこの時期は、1年の中で最も焚き火キャンプに適しています。
2日目の空は、薄曇り。
薄灰色の空の下、僕らは遅秋のおだやかな川をのんびりと下ってゆきました。
ピーチクパーチクとおしゃべりをしながら。