アーク・フィールドブック

四万十フィールドガイド・ARK(アーク)のブログ

この空の向こうがわへ

2012-06-29 | 四万十川 梅雨

時々 最高気温31度。

 梅雨は、オキナワ、アマミと南から明けてきてますね。

雨空のムコウは、もう真夏。

そろそろ四国も「太陽の季節」へカウントダウンといきたいところです。

 

 今日の四万十は梅雨の中休み。

輪郭のぼやけた雲が、水色の澄んだ空に浮かんでいます。

なぶるような陽が目にまぶしく、湿って重い空気が肌にねっとりからみついて、ふぅ、あつい!

おおぶりな夏の花が、南風にゆったりゆれる雑草の庭で、

ジーッ、鳴きはじめたばかりのセミの声は、まだひかえめ。

季節のBGMは、春の声(鳥)から夏の声(セミ)へとうつり変わろうとしています。

 ムシムシと暑い空気に、もう「エイヤ!」と川に飛び込みたい気分です。

でも四万十川は、このところ続いた雨で、ただいま増量サービス中。

川の水位は、平水時より1~3メーターほど高い状態が続いています。

その水は、色あせた笹の葉のような薄緑色です。

 

 あなたの空のムコウにある真夏の四万十川。

ぬくいキレイな川で、カヌーを漕ぎ、バシャバシャと水とたわむれ、新しい世界を発見してみませんか?

「本当の旅の発見は、新しい風景を見ることでなく、新しい目をもつことにある」マルセル・プルースト

水中眼鏡も出番を待っています。あ、でも、度付きは、ありません・・あしからず。


台風と増水とさかなたち

2012-06-20 | 四万十川 梅雨

 最高気温27度。

 コーヒー牛乳色の水が、ザァザァと沈下橋の上を流れてゆきます。

いつものゆったりした四万十川の流れは、今はもうどこにも見えない。

川は、平水時より5メーターほど増水。

この増水は、足摺の南を足早に駆けぬけていった台風4号の置き土産です。

先日の梅雨前線の低気圧、今回の台風、明後日やってくる熱低。

「うーん、川は5メーター増水、3連チャンか・・・」

 

 台風の進路にあたるコトがよくある四万十は、雨量がおおいところ。

その年平均降雨量は、(流域のおおいところで)約3500㍉(年平均気温は19度)。

川は、年に3~4回沈下橋が浸かるほど増水し、時に10メーター以上も増水します。

沈下橋が浸かるほど川が増水すれば、カヌーツアーは中止に(平水+2メーター以上で中止)。

カヌーツアーを行えるようになるのは、増水のピークから2日~3日目以降となります。

*そのときの水の引き方で変わります。

 カヌーツアーにはザンネンな大きな増水ですが、水が引いた後には良い面もみられます。

・魚や手長エビなど、川の生き物が大きく移動するので、川漁がふたたび活発に。

(増水時の魚は、水中の流れがゆるい場所にヒナンしたり、中には一旦海まで下ってしまう魚も)

・コケがついてた川底の石が、ゴロゴロと大水に転がされ、古いコケが落ちる。

 その後、新しくついたコケを食べたアユは、香りがよくなる。

・川底が洗われて、水の透明度がグンと良くなる。などなど。

 

 そんな、時々あばれる四万十川は、淡水魚の種類も多い川です。

190種以上(最新の調査では)の魚種が確認されてます。

・アユ・コイ・ゴリ・フナ・ナマズ・サツキマス・雑魚(ハヤ、カワムツ、オイカワなど)

ブラックバス、ブルーギル(外来魚)なども生息してます。

 

 以前、夏の中流域の深場にもぐった時、とてもビックリしたことがあります。

それはそこに、タイのような魚の群れをみたから、あれれ?

「ああっ、それはキチヌやろ~」と教えてくれたのは近所の川漁師のおんちゃん。

四万十川は・キチヌ・イサキ・ボラ・エバ・スズキなどが

(海や汽水域に生息する魚たちが)川の中上流域でも見られるユニークな川なのです。

*これらの魚は、春に川をのぼり秋に川をくだります。

 

 雨空のムコウには、もう真夏の太陽がギラギラと輝いています。

ザブーン!とあなたも川に飛び込んで、四万十川の魚たちとたわむれてみませんか。


水ぬくい四万十川は

2012-06-14 | 四万十川 梅雨

  最高気温28度。

 「きゃーきゃー!!わぁぁぁ・・・」 

梅雨の晴れ間。南風にのって、子供たちのはしゃぐ声が我が家のベランダまでとどきます。

今夏も小学校のプールの時間がはじまったのです。

小さなプールの水温は、23~24度。今の四万十川も、同じくらいの水温(川面)。

そんなぬくく(あたたかく)水質もまだ良い水が、四万十川の大きな魅力のひとつです。

 

 南北に長く、気候の変化大きく、山深く、雨が多い日本には、たくさんの川が流れています(3万5000本)。

川はそれぞれに特徴があります(流れる場所の気候、地形、自然環境などの違いにより)。

四万十川の特徴のひとつは、穿入蛇行(せんにゅうだこう:おおきな蛇行曲線を描くながれ)です。

 

 源流から河口まで川の高低差が小さい四万十川は、

クネクネと大きく曲がりながらゆったりとながれます。そのため川の水温が高くなりやすいのです。

真夏の四万十川の川面の水温は、30度前後(中下流域)。 

目黒川や黒尊川など、支流の最下流域も、本流とほぼ同じくらいの水温になります。

(本流の真冬の水温は6~8度ほど)

ゆったりながれるということは、水が汚れやすいとも言えますが、

流域の人口がとても少ないこの川は、川の水もまだ比較的キレイなのです。

 

「四万十川がぼちぼち太うになってきた窪川町から河口まではまだ130キロメートルあるいうけんど、

そこと河口の標高差は100メートルしかない。

西土佐村の江川崎から河口までは40キロメートルで40メートルの差よ。

ほしたら、勾配はだいだい1000分の1いうことになりよるじゃろ」四万十川がたり 野村春松

 

*四万十川には、本流に家地川ダム、支流に津賀ダムがあります。

ダムは、ダム下流域の自然環境(水質、水量、生物など)に大きな影響を及ぼしています。

 思えば、僕がカヌーツーリングデビューした長野の犀川は、アルプスの冷たい雪どけ水がながれる川でした。

真夏でも水温が低く、8月の終わりに半そでのウエットスーツを着てカヤックを漕いだものです。

水温が低い犀川には、カヤックに危険な人工の障害物も多く、

「うーん、沈はしたくないなぁ・・・」やや緊張して下ったことをよくおぼえています。

ちなみに、僕が学んだ老舗カヌースクールのプログラムは。

1 昼間は野尻湖でカヤック基礎レッスン。

2 その夜は講義。

3 翌日は犀川に移動しカヤックツーリング。

この基礎トレーニングを何度もやった僕は、カヤックの基礎技術をすっかりおぼえてしまいました。

(今、とても役だってます。仕事の関係でやったんだけど)。

 日本一あつい真夏の四万十(2012年時)。最高気温35度オーバー。川面の水温30度。

・沈下橋からとびこむ・カヌーで沈する・水の掛けあいっこをする

・水のキレイな支流でシュノーケリング&手長エビさがし

・ライフジャケットで川をプカプカとながれる。などなど。

水ぬくくキレイな四万十川は、「バシャバシャ川遊び」もまた楽しい川なのです。

 

 「夏の四万十川は、カヌーで下るだけじゃぁもったいない。

ゲストにその魅力である、ぬくくきれいな水をの~んびりと楽しんでもらいたい」

そんな思いから、アークでは少人数制の「カヌー&川遊びツアー」をおこなっています。

岩間沈下橋

 支流目黒川

支流目黒川


青時雨と夏シュラフ

2012-06-08 | 四万十川 梅雨

 最高気温23度。

 シトシト時々ザァザァと雨が降る、少し肌寒い朝です。

薄い夏のシュラフに下半身を突っ込んだ僕は、コーヒー片手に新緑の庭をながめました。

雨に濡れる若葉、アジサイ、クリ、ミズキの花。

道ばたでは、バラの花と入れ替わるように、おおぶりな白いユリの花が咲きだしています。

 ごろ寝でラジオを聴いていると、

「本日、四国地方は梅雨入りしたもようです」とのニュースが。

平年よりも3日遅れの梅雨入りです。

 

 ♪3日遅れのぉ~便りをぉ~のせてぇ 船はぁ~ゆくゆく ハブ港ぉ~

 アンコ便りは アンコ便りは ああー 片便りぃ~♪

なんて歌もありましたねぇ・・・。すいませんハナシが脱線しました。

 

 梅雨から夏は、フィールドで雨を体験するのによい季節です。

梅雨の晴れ間は、もう夏の空、夏の暑さ。

四万十で「バシャバシャ川遊び&カヌー」が楽しめるのは、これから9月半ば頃までです。


水色の空の川で

2012-06-06 | アークツアー 初夏

 最高気温30度。

 「ぴゅゅーうぅ・・・」

静かな夜を吹きぬけてゆく、一陣の風の音で目がさめました。

四国のはるか南海上を移動する台風3号の風が、ここまで届いたようです。

 

 カーテンのスキマから月明かりが差し込んでいる。

その明かりに誘われた僕は、ベランダに出てみました。

いつのまにか雨は止んで、夜空には一日遅れの満月がぽっかりと浮かんでます。

月しずむ谷。もうすぐ夜が明けてゆきます。

 少雨の5月に、痩せていた川。

昨日の雨で少しふくよかになった川に、僕らは、リバーピクニックにでかけました。

最高気温30度。川面の水温23度。水の透明度は、うーん、イマイチ・・・。

 

 ときどきサァーッと吹く北風が、カヤックで下る僕らの背中をぐいっと押します。

空は、水色。陽ざしは、もう夏。ふぅ、あつい!

僕たちは、パドルでバシャバシャ水をかけあいながら、

人気のない初夏の川をのんびりと下ってゆきました。