1年前に書いたRiver&Sky(ツイート2023)再掲です
おはようございます。四万十は、晴れ。
霞がかった空から届く柔らかな朝日に、雨粒をまとった黄葉が淡く輝いています(昨夜は弱い雨が降った)。
川へ。映える画像を撮ろうと、岸辺の道なき林をガサガサと歩いていけば、
頭上からバラバラと水滴が落ちてきて、おおっ冷たい!おまけに、濡れた岩の上で転んで、おおっ痛い!
そして、駄場(開けたところ)にでれば、太陽は雲の中に・・・。
「欲す鷹は爪落とす」ですね。
今日の最低気温は、10、0度。
昼どきの山。
昼どきの川。♪風が強い日 雲がながれてく♪
最高気温17、2度。午後も晴れ。
朝は静かだった川は、昼前から風がさわがしくなりました。
強い風に散った、たくさんのレモンイエローの枯れ葉が、路上に舞ってます。
最近ちまたでは、冬キャンプも流行っていると聞きます。
晩秋~早春にかけての四万十川は、
ゴウゴウと強い北風が吹くコトが多い(時に沈下橋からカラダごと吹き落とされそうなほどの)。
川沿いでキャンプする時は、強い風が吹くことを想定し、
テントやタープは、ペグだけでなく、ロープや石なども使ってがっちり固定しましょう。
(川は風のハイウェイ。冬以外でも強い風が吹くコトは多いです)。
遊んでBCに帰ってきたら、テントやタープ、イスが川まで飛ばされて水に浸かってた。
なんてコトにならぬように(かつて僕もやらかしたコトが・・・)。
できればテントは、ファミリーテントではなく、山でも使えるような風に強いテントがベターか、と。
さて。川沿いでキャンプする時は、強い風に注意が必要だ、
と書いた僕は、これまでのキャンプ旅でも、何度も大風に翻弄されたコトがあります。
その中でも、大風とセットで記憶に残っているデキゴトが、以下に書いた「カンガルー大陸でキジ撃ちを」です。
くだらない旅バナシなので、キョーミのない方は飛ばしてくださいね。すぐ削除します。たぶん。
「カンガルー大陸でキジ撃ちを」
クソ、まじかよ!まさかヤツがいきなり飛び出てくるなんて・・・。
これは、ウンの尽きか、それとも、ウンが付いた、のか?
土獏にあおむけにひっくり返った僕は、でっかい青空をボーゼンとながめながらそう思った。
それは、カンガルー大陸(豪州)をオフロードバイクで旅していたときのコト。
夕刻、360度地平線の赤茶けた荒野には、ビュウビュウと強い風が吹いていた。
止めたバイクが風で倒れてしまうほどの。
「まいったなぁー、この風ではテントが張れないぞ・・・」。
一日中(ゴツゴツ小岩の硬い路面とサラサラ赤砂の柔い路面が入れかわりあらわれる)
フクザツな悪路を、長時間神経をつかって走り、カラダもココロもくたくたに疲れていた。
しょがねぇなーと、倒れたバイクの燃料タンクのコックをオフにし、よろよろと荷物を外し、
食料、コッヘル、ストーブをバッグから取り出し、砂埃に辟易しながら、メシをつくり食べ、茶を飲んだ。
そして、大地にマットをひき、寝袋にもぐりこみ、
夕日と空と大地がつくる豪奢絢爛な自然のショーをながめながらウイスキーを舐めた。
あたりがしっかり暗くなり、空の主役が星になると、ようやく風がおとなしくなった。
「バイクを起こし、テントを張り、中に荷物を放りこまねば・・・」と思うが、
もうすっかり動くのがイヤになっていた僕は、
テントも張らず、寝袋にくるまったまま、ウイスキーを飲み、星空をながめながらうとうとフネを漕ぎはじめた。
ヒュウ―、真夜中、大地を吹きぬける一陣の冷たい風におこされた。ネムッチマッタノカ・・・。
ほのかにオレンジ色にそまった地平線から太陽が顔を見せた。夜明けの荒野は風がなく静かだった。
キジを撃とうと(用を足そうと)、小さなブッシュを目の前にしゃがんだ。穴は掘らなかった。
(やはり大も少も、近くに目標物や遮蔽物がほしくなりますね)。
大を済ませた、とその時、ブッシュがガサガサと音を立てた。ん?
次の瞬間、ピョン!突然カンガルーが飛びでてきた。うわぁ!!!尻から真後ろに転んだ。オーマイガッ!!
ファッキン!ウンがついてしまった・・・。
いろいろ洗いたかったが、水はとても貴重だし、補給地点まであと2日はかかるはずだった。
結局、拭くだけですませた。人と出会うコトは(ほぼ)ない荒野だし、まぁ、イイか、と。
そして、これは運の尽きではなく、この旅に運がついてラッキー!とポジティブにとらえることにした。
くさかったけど。
一日のはじまりを告げるかのように、赤茶けたアウトバックにまた風が吹きはじめた。
うんと遠い目的地を目指して、ウンをつけたまま今日もまた走りだした。
『大切なのは目的地ではなく「旅」そのものだ』T・S・エリオット
皆さん、川沿いでキャンプする時は、風の強さと向きにくれぐれも注意しましょうね。
(四万十川の川原でキジ撃ちする時は、さすがにカンガルーは飛び出してきませんが)。