アーク・フィールドブック

四万十フィールドガイド・ARK(アーク)のブログ

黄金週間のショートツアー

2011-03-29 | 四万十川 早春

 最高気温17度。

 先週咲きはじめたサクラの花。

でも、この数日の風は冷たく、花が満開になるには、もう少し時間がかかりそうです。

 

 この3月は少雨です。

ぐんとスリムになった四万十川は、広くなった川原を細く縫うようにゆっくり流れてます。

水の透明度は、イマイチ。あまりよくありません。

早手米を植える田には、もうすでに水が張られている。

雨が降れば、代掻きした田の水が川に入り、川は「春にごり」のくすんだ流れになります。

 *「春にごり」はアーク佐野がかってにそう名づけました。なんだか日本酒みたいですね。

 

 

 さてさて、アークでは今年の黄金週間は、「ショートツアー」の予約も受け付けるコトにしました。

もちろん「少人数制」というコンセプトは、これまでと変わりません(カヌー混みをさけ、ゆったり楽しもう)。

甘く薫る五月の風に吹かれて、川べでのんびりヒルネするのも気持良いものですよ。


春色の川にカヌーを

2011-03-22 | 四万十川 早春

時々 最高気温17度。

 3月の夜のベランダで、月の光をあびながらウイスキーをなめていると、

どこからともなく流れこんできた雲が、まあるい月を隠してしまいました。

みるみるうちに夜空は、雨雲に埋めつくされ、やがてシトシト雨が。ひさしぶりの雨だ。

僕は恵みの雨音と(もう鋤き返された田から聞こえてくる)

カエルたちのヨロコビの合唱に耳をかたむけました。ゲコゲコ。

 

*気候があたたかい四万十では、彼岸ごろから田植えをします。

早く植えたものを「はやて米」と呼びます。

「はやて米」は、台風シーズン前の7月の終わりには刈り入れてしまいます。はやいですね。

 弥生の空は(キッズたちの気まぐれな心のように)

その表情をクルクルと変え、ぬくい風とひやい風を交互につれてきます。

 

 ぬるい春風に誘われた午後。

川べをのんびりと走っていると、「おっ!」

道沿いのサクラの木に、淡いピンクの花が二輪ほど咲いているのに気づきました。

 

 「2011年3月22日。高知地方気象台は22日、高知市のサクラ(高知城三の丸の標本木)の開花を発表。

過去最速だった昨年よりも12日遅く、平年より1日早い開花となりました」

家にもどると、このようなニュースがラジオから流れてきました。やっほー。

眼下の庭では、真っ白いユキヤナギの花と真っ黄いろのレンギョウの花が満開です。

 

 「さぁ、四万十川に、短き春とカヌーシーズンの到来です!!」

ちなみに、江川崎からカヌーで下っても、

岸辺を華やかにサクラ色にそめる桜並木はありません(都市近郊の川のような)。

川岸や山肌で、ぽつりぽつり咲いているサクラの花は見られますが。

でも、ピンクの花ながれ、萌黄の山わらう春色の川に、カヌーを浮かべ、

「の・ん・び・り・カヌーピクニック」に遊ぶのは、なかなか優雅なひとときですよ。ぜひ。


THE TOUR MUST GO ON

2011-03-17 | 四万十川 早春

「花の祈り 」四万十に咲く花たちの画像です。

こころの痛みが、ほんの少しでもやわらいでくれたなら・・・。

The Rose - Bette Midler (歌詞字幕)English & Japanese Lyrics

 のち 最高気温13度。

 灰色のうすい雲が、スーッと音もなく頭の上にやってきて青空をかくしました。

パラパラと降りだした弱い雨は、洗濯物を濡らし、

洗濯物は、その後吹きはじめた強い風に飛ばされ、庭に散っていった。あれあれ。

本日の四万十は、退却したはずの冬将軍が舞いもどり、最後のひと暴れをしているかのようです。

この寒さで、四万十のサクラの開花は当初の予想より少し遅れそうです(3月24日ころかと)。

 

 午後。いつもより一枚多くウエアを着た僕は、よたよたとジョキング開始です。

真冬並みの冷たい風の中では、なかなか体がぬくもってきません。

2キロほど走り、ようやく少し汗をかいたところで四万十川に架かる大きな橋にさしかかる。

川は北風のハイウェイ。

硬く尖った冷たい風が、ビュービューと体に吹きつければ、

ようやくぬくもったカラダは、急速冷蔵。あっという間に冷やされてしまいました。

「うーさぶっ!!」

一刻も早く橋を渡りきりたい・・・。エイヤ!と加速して走る速度をグンとあげました。

 

 対岸の狭い山道に飛びこむと、ようやくひどい冷風をさけることができました。

しかし、いじわるな北風にペースをすっかり乱されてしまった。その後はグダグダな走りに。

チンタラと走る僕の頭の中に、断片的な思いや考えが次々と浮かんできます。

・被災した地域のコト・今、個人にできるコト・必要な物資のコト・募金のコト

・キャンセルが入った週末のツアーのコト・この後のツアーのコト

 

 きれぎれな思いは、同じところをぐるぐると回り、

くっついたり離れたりしながら、やがてどこかへ消えていきます。

それは、眼下に見える、瀬を流れる水のように。

あるいは、頭上に見える、空を流れる雲のように。

 

 「THE TOUR MUST GO ON」

今は粛々と自分の仕事に取り組んでいこう。「楽しいツアー」を一本でも多くゲストに提供すること。

そして、可能な範囲での募金や物資の支援を。

 

*今シーズンの、arkツアーのツアー料金の一部は、震災義援金として寄付させていただきます。

* 四万十市の災害支援物資受付は、こちらをご覧ください

*今回のブログタイトルは、「THE SHOW MUST GO ON」 クイーンの曲からです。


WHAT'S GOING ON

2011-03-12 | ・最新のお知らせ・イベントなど

 

 東日本大震災の発生に、

驚愕し呆然自失となり、テレビやネットのニュースをひたすら追っています。

夜が明けて、大地震の被害の大きさと深刻さが少しずつ明らかになってきました。

高知県は、海岸や港に小さな規模の津波が届き、漁船や漁具などに被害がありました。

 

 震災があった地域の、

「アークツアー」参加者の方、このブログを見てくれている皆さん、ご無事でしょうか。

(個人的に)東北には、旅した時に知り合った方、仙台でデートしたかつての恋人、友人、そして親戚もいます。

今は、さまざまな情報が錯綜し、混乱し、どうしていいのか?なすすべもなく胸がしめつけられる思いでいます。

 

 この震災で命を落とされた人々のご冥福を祈ります。

愛する大切な方を亡くされた方々に、深いお悔やみを申し上げます。

そして、被災された、被害にあったすべての人々が、一刻も早く、一人でも多く救われ、

その顔に笑顔が戻るときがくることを、今はただただ、四万十の空の下で祈るばかりです。

 

ark代表 佐野 英


風と風とが出会うところ

2011-03-11 | 四万十川 早春

 最高気温12度。

 「水と水とが出会うところは、風と風とが出会うところでもある」

まだ春浅い四万十川が僕に教えてくれたコト。

 

 早春のある日(3月9日)。

僕らは、カヌー(カナディアン)に・テーブル・イス・昼食・飲み物を積んで、リバーピクニックに出掛けました。

ひとあし早い春のおとずれを、水の上でも感じたくなったのです。

コースは、津大橋(西土佐網代)~口屋内沈下橋(口屋内村)まで。漕行11キロ。

 

 晴れた川は北風が強く、流れる雲が陽を隠せば、風の冷たさをヒシヒシと感じます。

カヌーを押しスバヤク乗りこみ、少し波立つ水面にスイーッと滑りだす。

長靴をわすれた僕は、のりこむ時、うかつにも水に足をぬらしてしまいました。

「うーん、足がひやい・・・。でも、アタマのうえが広いのは、キブンがイイね!」

久しぶりに水面から見渡す川景色は、とてもシンセンに感じられます。

カヌーの上から川に手を浸してみる。春先の川の水は、まだとても冷たく、20秒ほどで指先がいたくなってきます。

川面の水温は10度くらいか?やせた川の水の透明度は、まぁまぁといったところ。

 

 北風に押されながら、カヌーはゆっくりと川を下ってゆきます。

早春の川岸をいろどるのは、芽吹きたてのヤナギ(春告げ木)の萌葱。菜の花の黄。

あと10日ほどでサクラも咲きはじめれば、まだハダカの落葉樹の芽もつぎつぎとほころぶでしょう。

じこじこと色が増えてゆく春の岸べ。僕らは、明るい春を漕いでゆく。

ガラガラ。ん?音のした方をみる、と白いお尻をふりふりシカが斜面を登っていきました。

 

 6キロほど下って川原に上陸、ランチタイムです。 

メニューは・パン(リエイロさん、サンキュー)・シチュー・コーヒー。

時折ごうごうと吠える風にテーブルごと川に吹き飛ばされそうになり、ややアセル。

昼食後、再びカヌーに乗りこんで出発!口屋内沈下橋まで、あと5キロ。

 

「風と風とが出会うあうところ 」

 

 「むかい風がきつくなったにゃー」前部漕者の平塚さん。

「きついっすねぇー」後部漕者の僕がこたえる。

もうすぐゴールの口屋内沈下橋。

その手前の長いとろ場の途中で、トツゼン風向きが南にかわってしまいました。

それまでは北風が、僕らの背中とカヌーをぐいぐいと下流に押してくれてたのに。

 

 キツイむかい風にぐらつくカヌー。平塚さんが右ナナメ前方を指差して言う。

「あそこに黒尊の谷があるろ、この向かい風は、黒尊の谷を吹き抜けてきた強い風が

本流にでて対岸の山にあたる。そこで分かれた風の一方が上流(かみ)に吹きつけてるんよ」

四万十川の支流黒尊川の水は、口屋内村で四万十川本流の水に合流しています。

「水と水とが出会うところは、そうか、風と風とが出会うところでもあるんだ・・・」

そんな小さな発見を、僕は少し嬉しく思いました。

 

 ゴール手前のきつい向い風のとろ場を、

わっせわっせと漕ぎ、午後のはやい時間に、口屋内沈下橋にブジ到着。

ふと見上げた川岸には、フジツツジの花も咲きはじめていました。

 

*平塚さん:シマムタ共游国(レンタルカヌー)

*とろ場:水の流れがゆるいところ

*タイトルは、レイモンド・カーヴァー詩集「水と水とが出会うところ」より 


さくら咲くころの川べ

2011-03-04 | 四万十川 早春

「四万十川さくら咲くころ」。さくらの花をメインに、菜の花、芽吹いたやなぎなど。

早春の四万十の川べを彩る花の画像、を集めてみました。


 最高気温13度。

 サクラ咲く3月。

早春の四万十に・強い北風・冷たい雨・澄んだ青空、真冬が戻ってきました。

「さむっ・・・」僕はこたつで丸くなる。

ぬくかった先週は、夜な夜な悩ましく歌い踊り、

パーティーをしてたノラ猫たちも、今はすっかり息を潜めてしまいました。

とはいえ、季節はちゃんとすすんでいて、川岸ではヤナギも芽吹きはじめています。

庭には、スミレ、ボケの花が咲き、もうすぐレンギョウの花も開きそうです。

 

 南国の短き冬は、そろそろ終わろうとしています。

今年の四万十のサクラの開花は、平年並みか少し早めとの予報(3月20日前後)。

ふと見上げた空のすみっこに、もう初夏の気配をみつけた、早春の夕暮れです。